4 / 54
第4話
しおりを挟むその後改めて真摯に謝罪をし、なんとか自由に愛でる事を許可してもらった。もちろん故意に後はつけない事は誓いました。
もしこれを止められたら本格的なストーカーになるのでは?と考えられた感は否めないが。
こうして腹を割って話した事により、先程までの警戒した態度が幾分か和らいだ先生からポツポツと先生自身の趣味嗜好を聞く事となった。
可愛いモノが大好きでつい目で追ってしまう事。(でも生徒に対して不埒な目で見ていない事を強調していた)
料理、裁縫、掃除が好きで、でも自分の容姿からかけ離れた趣味で昔気持ち悪がられたから大々的に言えず必死に隠していたと言う事。
「あぁ~!!それ分かります!ついキュンと心を掴まれたらじーっと見凝視してしまうんですよね。一応見ないフリをしているけど実は心の眼でガン見してるっていう笑笑。
ちなみに私は女子全般愛でる対象です。」
「いやいや、家事関係出来る人って逆にプラスですよ!自慢もせずに何気なくやれるなんて萌、、じゃなくてカッコいいですよ。」
私はついつい饒舌になってしまっていた。
あれが可愛い、これが可愛いetc。。。普段夕子とですらここまでのテンションで話さないのに今自分は舞い上がっている様だ。
先生に気持ち悪がられなかったこと、同じ趣味だったことで親近感が湧き、とても嬉しかったのだ。
何より会話の中、山田先生の笑顔を我慢する表情(眉間にシワを寄せつつも、実は口角がゆるゆるで耳は真っ赤)で相槌を打つ姿にハマってしまったのだ。
《耳が赤いの自覚無いんだろうな。何コレ!!可愛い!!萌え殺す気か!》
今私自身の顔がどんな状態になってるか分からないが、確実に先生と同じく口角がゆるゆるだと思う。
そんな中
「こんなに自分の事を話をしたのは初めてだ。楽しかった、ありがとう。
、、だが今日限りだ。
悪いがこの事は誰にも言うな。こんなガタイでこんな顔の俺が可愛いものが好きと知られると威厳が無くなるし何より気持ち悪いだろう?
それと本郷、今後俺に親しく話しかけるなっ。必要以上近づくのもやめろっ。変な噂が立っては迷惑だ!」
他人から見らた厳しく、そして冷たく突き放なされた拒絶の言葉を言われたと思うだろう。実際、私も言われた瞬間心がギュッと締め付けられた。
だがそう言っている先生の瞳は苦しそうに揺らいでいた。ワザと必要以上に威圧している様に見えた。
だから私は真っ向から本心を述べた。
「私は元々誰にも言うつもりはありません。こんな可愛い先生を教えるなんて勿体無い。私独占欲強い方なんですよ。
まあそれはそれとして。好きなモノを好きだって正直に言うのは勇気が要りますよね。でも後ろめたさを感じる必要はありませんよ。
先生は立派に教師として教壇に立って居るのを知っています。生徒一人一人の状態を把握しフォローするなんて正に理想の先生ですよ。
それに趣味は個人の物です。犯罪に手を染めない限りは周りにとやかく言われても気にする必要は全くありません。見た目に合わないと卑下する必要も全くありません。
っと、偉そう言ってすいません。青臭い未成年の主張だと思ってください。
あっ、あと主張ついでに失礼な事言わせてもらいますが、迷惑って言っていましたが私の心配してくれたんですよね?
変なウワサがついたら私の評価に影響する。とか考えたんですね?まぁ自意識過剰だったら恥ずかしいですが、、。
でも私、先生を逃す気無いですから今後も積極的に話しますよ。
『迷惑だ!』、、か。無理矢理きつい言い方して声裏返っちゃて、しかも涙目で、、ふふっ先生可愛いですよ?」
つい言いたい事を好き勝手言ってしまった。流石に先生が怒るかと思ったが
「、、、なるほど。これがウワサに聞く本郷か。確かに人垂らしだ。人心掌握術でも心得てんじゃねーか?はぁ~どっちが教師か分かったもんじゃ無い、、が、こりゃ注意しとかないとこいついつか危ない目に合いそうだな。」
ボソっと呟いていた。人垂らしってどう言うことだ??と疑問に思いつつそのまま先生の言葉の続きに耳を傾ける。
「これだけは訂正しろ。俺は可愛く無い。それ以外は、、、はぁ、俺の負けだ。お前の勝手にしろ。」
と言って私が持っていくはずだった資料を丸々全て回収され先生は社会科準備室を出て行った。
晴れて本人から勝手にする許可を貰った私は嬉々として「はいっ」とその後ろ姿に返事をしたのだった。
余談。
その後私より先に出て行った先生は、準備室の鍵を掛けていないことに気づいたらしく、すぐUターンをしバツが悪そうな顔をしながら鍵を掛け足早に去っていった。
耳だけじゃなく顔も真っ赤である。
「ドジっ子可愛い過ぎだーーーーーー!!!」
と私が叫んだのは言うまでも無い。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~
美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。
貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。
そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。
紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。
そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!?
突然始まった秘密のルームシェア。
日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。
初回公開・完結*2017.12.21(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2020.02.16
*表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる