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Brotherhood
25話 エレニド・ロスロボス
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エレニド・ロスロボスの人となりについて少しだけ触れよう。
彼女の学士時代は、クルーイルに比べると素行に少々の問題はあったが成績自体は良く、同修生からは文武両道の才女として謡われていた。
卒業後は志願せずともゼレスティア軍からスカウトを貰う程に優秀であったという。
そんな順風満帆な人生を歩んでいた彼女だが軍に入隊後、左目の視力が突然失われるという奇病を患ってしまう。
片目ではまともに戦えるわけもなく、エレニドは視力が元通りになるまで療養を強いられた。
当然戦線への復帰を考えていたエレニドは、ゼレスティア中の名医に診てもらい、あらゆる手を尽くしてどうにか治療をしようと試みる。
しかしどの医士からも『治る見込みが無い』と診断をされ、17歳という若さで軍を除隊することに。
そして早すぎるセカンドライフの選択先として彼女が選んだのは――鍛冶士。
当初は武具職人としての経験も知識も殆ど無い彼女に対し、現役で働く他の鍛冶士連中からは懐疑的な目を向けられていた。
しかし、齢が19を迎える頃にはグラウト市でもトップクラスの実力を誇る鍛冶士として名を上げ、一人前の証となる自分の店を構える程にまで上り詰めたのであった――。
◇◆◇◆
先程まで楽しそうに談笑していたエレニド。
しかし、唐突すぎるクルーイルの相談に顔をしかめる。
「――アタシに、そいつの剣を作れって?」
そう聞き返した彼女は、クルーイルのやや後ろに居たアウルへ威圧をするように睨みつける。
右目から発せられる眼光の鋭さにアウルは思わず萎縮し、つい目を逸らしてしまった。
(こ、怖いよこの人……。それにしても、兄貴は何を言うのかと思えば俺の剣を作ってくれだなんて……。急にどうしたんだろう?)
蛇に睨まれたカエル――の如く、身を竦ませてしまっていたアウル。
しかしクルーイルは『堂々としろ』とでも言わんばかりに無理矢理隣に立たせ、エレニドへ言葉を返す。
「ああ、コイツが学園を卒業するまでに作ってほしい。金ならお前の言い値を払おう」
「!?」
二者一様に驚くアウルとエレニド――。
アウルも兄に何かを言いたがっていたが、エレニドが先に口を開く。
「クルーイル、話の順序を間違えてないか? そもそもソイツは何者で、なぜ剣が必要なのかを説明しな」
エレニドは少しだけ苛々とした口調。
するとカウンターの引き出しから紙を捩った手製の煙草のようなものを取り出し、それを咥えながら蝋燭で火をつける。
「……そうだったな。では話すが、コイツの名前はアウリスト。5つ歳が離れた俺の弟だ」
「へぇ、アンタに弟がいるのは知ってたけどソイツとはね……。それで?」
少しだけ意外そうな表情で再びアウルを見やり、理由について説明を求めるエレニド。
クルーイルも伝える内容を既に頭の中で考えていたらしく、すぐに説明を再開する。
「理由の方だな……。コイツの実力はピースキーパー家の後継ぎとして、現時点ではまだまだだ。だがいずれは俺を超えて、親父のような戦士になると保証する」
「で?」
巻き煙草を噛むように咥えながら簡素に聞き返すエレニド。
発せられる威圧感に少しも臆することなく、クルーイルは続ける。
「お前が、客の実力が伴わない限り特注を受け付けないというスタンスの鍛冶士なのは知っている。よって俺は、これからコイツが学園を卒業するまでに、お前が作る剣に恥じないレベルにまで鍛え上げるつもりだ。だからエレニド、頼む。剣を作ってくれ!」
そう述べた直後、クルーイルは頭を深々と下げた。
プライドが高い彼の頭を下げる姿は、エレニドは勿論、実弟であるアウルですら見たことが無かった。
「お、お……お願いします!」
アウルも兄に倣い、慌てて頭を下げる。
しかしエレニドは一瞥もくれず、口から紫煙を吐き出すだけ。
「……それで? 普段頭を下げることなんて殆ど無いアンタがそれをすることによって、アタシの意欲を湧かせられるとでも思ったのか? だったら浅はかすぎるな」
「そういうつもりではない! 信頼できるお前にしか頼めないんだ! 頼む……!」
冷たく言い放つエレニドに対しクルーイルは頭を下げて食い下がり、懇願をする。
しかしその熱意も空しく、呆れ返ったエレニドがカウンターから立ち上がるとそのまま翻り、黒いカーテンがかかったバックヤードの方へと向かった。
「他を当たるんだね。いくら同修生のよしみからのお願いでもアタシは自分のスタンスを曲げるつもりはない」
カーテンを捲りそう言い残したエレニドは、そのまま店の奥へと消えていった。
「……出よう、アウル」
少しの間訪れた静寂の後。
屈んでいた上半身を元の位置へと戻し、踵を返したクルーイル。
「うん……」
アウルも兄に続いて店を後にした。
◇◆◇◆
「――兄貴、色々と聞きたいことあるんだけど……いい?」
人混みで賑わう雑踏の中。
アウルは先を歩くクルーイルの背中に問いかけた。
短時間ではあったが、エレニドとの邂逅によって生まれた幾つかの疑問を、店を出てからアウルは兄にぶつけるつもりでいたのだった。
「どうして、俺の剣を作らせようとしたの?」
クルーイルの足がピタリと止まり、振り返る。
「……卒業祝いだ。お前は親父に教わってないから知らないかもしれんが、ピースキーパー家はフラウシェルの息子の代から、16歳になった暁に親から剣を授かるのが伝統になっているんだ」
理由を聞いたアウルは、クルーイルの返答へ被せるよう逸り気味に口を開く。
「だから兄貴が親父の代わりに剣を……ってこと?」
「まあ、そういうことだな。本当なら親父からもらった剣をそのままお前に渡しても良かったんだが……魔神との戦闘で破壊されてしまってな。それに、せっかくならお前もオーダーで造ってもらった新品がいいだろ?」
苦笑混じりにクルーイルはそう説明するが、彼の本来の目的は『アウルに剣を授ける』ことではなく、『アウルを親衛士団に入団させる』ということ。
卒業までには少なくともエレニドに認めてもらえる程にアウルを鍛えなければいけない、という自分自身への発破の意味合いも込めて、今回の相談を彼女へと持ちかけたのだ。
そんなクルーイルの狙いなどアウルは当然知る由もなく、質問を続ける。
「それとさっき、俺を卒業までに鍛え上げるって言ってたけど、それって……」
「もちろん、本気だ。俺が納得できるレベルにお前が育つまで、明日の放課後から毎日訓練をしてやる。逃げるなよ、アウル」
「……!」
兄のその言葉を聞き、アウルは声に出して喜びたい気持ちを抑えた。
待ち受ける訓練の辛さよりも、兄とこれからも一緒に過ごせるという嬉しさの方が上回った。これでようやくアウルは、兄との和解が達成できたことを実感できたのだ。
ピースキーパー家の後継問題はひとまず置いといて、和解できたことを今は純粋に喜ぼう。とアウルは思い、笑顔でクルーイルに応える。
「逃げないよ。兄貴も、手抜かないでね」
「フ……お前は誰に向かって言って――」
クルーイルが語尾を言い終える直前。
夜分だというのに、西門方面から大きな鐘の音がけたたましく鳴り響く。
「これは……!」
4ヤールト大の巨大な鐘は各地区に4つずつ、それぞれの門の側に設置されている。
そしてこの鐘が鳴らされるタイミングは、全部で4つのパターンがあった。
4つの内の3つは時報としての役割を果たしていた。
午前6時・正午・午後6時と、一日に三回は決まったタイミングで必ず鳴るのだ。
そして滅多に鳴らされることのない残り一つのタイミングは――
『魔物や魔神がゼレスティア国内に侵入した場合』であった。
彼女の学士時代は、クルーイルに比べると素行に少々の問題はあったが成績自体は良く、同修生からは文武両道の才女として謡われていた。
卒業後は志願せずともゼレスティア軍からスカウトを貰う程に優秀であったという。
そんな順風満帆な人生を歩んでいた彼女だが軍に入隊後、左目の視力が突然失われるという奇病を患ってしまう。
片目ではまともに戦えるわけもなく、エレニドは視力が元通りになるまで療養を強いられた。
当然戦線への復帰を考えていたエレニドは、ゼレスティア中の名医に診てもらい、あらゆる手を尽くしてどうにか治療をしようと試みる。
しかしどの医士からも『治る見込みが無い』と診断をされ、17歳という若さで軍を除隊することに。
そして早すぎるセカンドライフの選択先として彼女が選んだのは――鍛冶士。
当初は武具職人としての経験も知識も殆ど無い彼女に対し、現役で働く他の鍛冶士連中からは懐疑的な目を向けられていた。
しかし、齢が19を迎える頃にはグラウト市でもトップクラスの実力を誇る鍛冶士として名を上げ、一人前の証となる自分の店を構える程にまで上り詰めたのであった――。
◇◆◇◆
先程まで楽しそうに談笑していたエレニド。
しかし、唐突すぎるクルーイルの相談に顔をしかめる。
「――アタシに、そいつの剣を作れって?」
そう聞き返した彼女は、クルーイルのやや後ろに居たアウルへ威圧をするように睨みつける。
右目から発せられる眼光の鋭さにアウルは思わず萎縮し、つい目を逸らしてしまった。
(こ、怖いよこの人……。それにしても、兄貴は何を言うのかと思えば俺の剣を作ってくれだなんて……。急にどうしたんだろう?)
蛇に睨まれたカエル――の如く、身を竦ませてしまっていたアウル。
しかしクルーイルは『堂々としろ』とでも言わんばかりに無理矢理隣に立たせ、エレニドへ言葉を返す。
「ああ、コイツが学園を卒業するまでに作ってほしい。金ならお前の言い値を払おう」
「!?」
二者一様に驚くアウルとエレニド――。
アウルも兄に何かを言いたがっていたが、エレニドが先に口を開く。
「クルーイル、話の順序を間違えてないか? そもそもソイツは何者で、なぜ剣が必要なのかを説明しな」
エレニドは少しだけ苛々とした口調。
するとカウンターの引き出しから紙を捩った手製の煙草のようなものを取り出し、それを咥えながら蝋燭で火をつける。
「……そうだったな。では話すが、コイツの名前はアウリスト。5つ歳が離れた俺の弟だ」
「へぇ、アンタに弟がいるのは知ってたけどソイツとはね……。それで?」
少しだけ意外そうな表情で再びアウルを見やり、理由について説明を求めるエレニド。
クルーイルも伝える内容を既に頭の中で考えていたらしく、すぐに説明を再開する。
「理由の方だな……。コイツの実力はピースキーパー家の後継ぎとして、現時点ではまだまだだ。だがいずれは俺を超えて、親父のような戦士になると保証する」
「で?」
巻き煙草を噛むように咥えながら簡素に聞き返すエレニド。
発せられる威圧感に少しも臆することなく、クルーイルは続ける。
「お前が、客の実力が伴わない限り特注を受け付けないというスタンスの鍛冶士なのは知っている。よって俺は、これからコイツが学園を卒業するまでに、お前が作る剣に恥じないレベルにまで鍛え上げるつもりだ。だからエレニド、頼む。剣を作ってくれ!」
そう述べた直後、クルーイルは頭を深々と下げた。
プライドが高い彼の頭を下げる姿は、エレニドは勿論、実弟であるアウルですら見たことが無かった。
「お、お……お願いします!」
アウルも兄に倣い、慌てて頭を下げる。
しかしエレニドは一瞥もくれず、口から紫煙を吐き出すだけ。
「……それで? 普段頭を下げることなんて殆ど無いアンタがそれをすることによって、アタシの意欲を湧かせられるとでも思ったのか? だったら浅はかすぎるな」
「そういうつもりではない! 信頼できるお前にしか頼めないんだ! 頼む……!」
冷たく言い放つエレニドに対しクルーイルは頭を下げて食い下がり、懇願をする。
しかしその熱意も空しく、呆れ返ったエレニドがカウンターから立ち上がるとそのまま翻り、黒いカーテンがかかったバックヤードの方へと向かった。
「他を当たるんだね。いくら同修生のよしみからのお願いでもアタシは自分のスタンスを曲げるつもりはない」
カーテンを捲りそう言い残したエレニドは、そのまま店の奥へと消えていった。
「……出よう、アウル」
少しの間訪れた静寂の後。
屈んでいた上半身を元の位置へと戻し、踵を返したクルーイル。
「うん……」
アウルも兄に続いて店を後にした。
◇◆◇◆
「――兄貴、色々と聞きたいことあるんだけど……いい?」
人混みで賑わう雑踏の中。
アウルは先を歩くクルーイルの背中に問いかけた。
短時間ではあったが、エレニドとの邂逅によって生まれた幾つかの疑問を、店を出てからアウルは兄にぶつけるつもりでいたのだった。
「どうして、俺の剣を作らせようとしたの?」
クルーイルの足がピタリと止まり、振り返る。
「……卒業祝いだ。お前は親父に教わってないから知らないかもしれんが、ピースキーパー家はフラウシェルの息子の代から、16歳になった暁に親から剣を授かるのが伝統になっているんだ」
理由を聞いたアウルは、クルーイルの返答へ被せるよう逸り気味に口を開く。
「だから兄貴が親父の代わりに剣を……ってこと?」
「まあ、そういうことだな。本当なら親父からもらった剣をそのままお前に渡しても良かったんだが……魔神との戦闘で破壊されてしまってな。それに、せっかくならお前もオーダーで造ってもらった新品がいいだろ?」
苦笑混じりにクルーイルはそう説明するが、彼の本来の目的は『アウルに剣を授ける』ことではなく、『アウルを親衛士団に入団させる』ということ。
卒業までには少なくともエレニドに認めてもらえる程にアウルを鍛えなければいけない、という自分自身への発破の意味合いも込めて、今回の相談を彼女へと持ちかけたのだ。
そんなクルーイルの狙いなどアウルは当然知る由もなく、質問を続ける。
「それとさっき、俺を卒業までに鍛え上げるって言ってたけど、それって……」
「もちろん、本気だ。俺が納得できるレベルにお前が育つまで、明日の放課後から毎日訓練をしてやる。逃げるなよ、アウル」
「……!」
兄のその言葉を聞き、アウルは声に出して喜びたい気持ちを抑えた。
待ち受ける訓練の辛さよりも、兄とこれからも一緒に過ごせるという嬉しさの方が上回った。これでようやくアウルは、兄との和解が達成できたことを実感できたのだ。
ピースキーパー家の後継問題はひとまず置いといて、和解できたことを今は純粋に喜ぼう。とアウルは思い、笑顔でクルーイルに応える。
「逃げないよ。兄貴も、手抜かないでね」
「フ……お前は誰に向かって言って――」
クルーイルが語尾を言い終える直前。
夜分だというのに、西門方面から大きな鐘の音がけたたましく鳴り響く。
「これは……!」
4ヤールト大の巨大な鐘は各地区に4つずつ、それぞれの門の側に設置されている。
そしてこの鐘が鳴らされるタイミングは、全部で4つのパターンがあった。
4つの内の3つは時報としての役割を果たしていた。
午前6時・正午・午後6時と、一日に三回は決まったタイミングで必ず鳴るのだ。
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