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The 3 days
55話 意志
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「少しは気分が落ち着いたか?」
ヴェルスミスが、隣に座る息子の肩に手を置く。
「……うん」
ひとしきり慟哭し尽くしたアウル。
父親に本音をぶつけた事によって、少しだけ気分が晴れたようだ。
「嘘に聞こえるかもしれんが、俺はお前をクルーイルと同じくらい大事に思っている。だが、当時の俺は何かに取り憑かれていたかのようにクルーイルを一流の戦士に育て上げなければという責任感にばかり駈られ、お前に対して愛情を注ぐことが出来なかった」
「……わかってたよ。それくらい」
視線を逸らす。
無愛想に答えたアウルだが、父の意図に本当は最初から気付いていた。
『ピースキーパー』という家柄を相続させる事を、名家の現当主として第一に考えなければいけないという、子を思う気持ちよりも強固な意志が、父にはあった事――。
理解も納得もしているつもりだった。
しかし一人の"子"として、一人の"親"に対する愛情への欲求は、生まれながら当たり前に持ち合わせていたアウル。
先程の激昂は溜まり続けていたその欲求から来たもので、父親に対する生まれて始めての"ワガママ"と言っても良かった。
「……あのさ、親父」
父から目を逸らしたまま、アウルは口を開く。
ヴェルスミスは無言で相槌。
「どうして俺の身体には、魔神の血が入っているの?」
過去を振り返るのを辞め、現実に目を向けた話を始める。
自分に隠された力があると気付いたときから、純粋に思っていた疑問を父にぶつけたのだ。
「それは……親である俺にもわからない。ただ一つわかりきっているのは、お前が俺とキャスリーの間に産まれた子であって、産まれた直後は決して魔神の血なんか入っていなかったということだ」
10年前に亡くなった母の名を出し、自分達の子である事を強調したヴェルスミス。
ただ、疑問自体は何も解決せず、少年の表情は曇ったまま。
と、そこで自室のドアが開き、親子二人が視線を同時に向ける。
「――よう、二人とも。久々の再開で積もる話はまだまだあるだろうがもうこんな時間だ。ひとまずメシにしよう」
全くと言って良いほど似合っていないエプロンを掛けた姿のシングラルが現れ、一階に降りるよう促す。
二階の窓から見える景色は均一に置かれた灯飾が闇夜を照らし、彩っていた。
「そうだな。話の続きは食べながらにしよう、アウル」
「……うん」
◇◆◇◆
全身が軋むように痛むのを堪え、リビングへと足を運んだアウル。
食卓テーブルには有り合わせの材料で作った品々が並び、料理の一つ一つからは出来たてを証明する湯気が立ちのぼっていた。
「さあ、食った食った」
長身の筋肉質な男から急かされ、料理を口に運ぶ。
「…………」
今は正直なところ、精神的に食事を摂る気分ではなかったアウル。
しかし、一度口にした途端、そのあまりの美味しさに手が止まらなくなってしまう。
「どうだ? うまいだろ?」
アウルの食べる姿を窺い、男はニカッと満足げな笑みを見せる。
見た目から漂う武骨な雰囲気とは正反対のスキルを披露したシングラルは、続けて話す。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はシングラル・マルロスローニ、親衛士団所属だ。よろしくな。アウリスト」
彼のラストネームを聞き、フォークを持つアウルの手が止まる。
「はははは、やっぱりそういう反応になるよな! だが王子扱いなんてしなくていいんだ。遠慮なく一人の戦士として接してくれ」
隣に座る豪傑は野太い声でそう言ってのけ、少年に安心感を与える。
「えーと、シングラル……さんは、どうしてここに?」
「その説明は俺からしよう」
アウルの正面に座っていたヴェルスミスが口を挟む。
そのままヴェルスミスは、シングラルがピースキーパー宅の玄関に現れ、アウルの意識が寸断された直後から起きた全ての事の成り行きを少年に説明した。
まず、出会って早々にシングラルがアウルの胸を貫いたのは、魔神化を発動させるのに最も手っ取り早い方法が『絶命の一歩手前に瀕す』というもの。そこで出会い頭に殺害をするようヴェルスミスが彼に指示をしていた。
シングラルがしてみせた魔神の血のコントロールを、息子にも会得させようと目論んでいたのだ。
しかしその荒療治は失敗に終わり、先刻アウルの首に打った薬品による血のコントロールへと、手段を切り替えた。
そして、その薬品こそが――。
「――これだ」
と言うとヴェルスミスは、無色透明の薬品が入った小瓶をテーブルの中央へと置いて見せた。
「魔神の血の働きを制御するため開発された秘薬……"魔神血抑制薬"だ」
「イリザイル……」
コルクで蓋をした容器の中で揺蕩う液体を、アウルは不思議そうに見つめる。
「この秘薬は親衛士団の第5団士に作らせた代物で、成分詳細は俺にも把握しきれんが"キオング"を微粒子レベルにまで煎じたものを調合しているらしい」
キオングは、"ゲート"にも使用されている石で、原理は不明だが魔神がこの世で唯一苦手とする物質。
そしてこれは余談だが、かつてゼレスティアと隣国のガストニアが紛争を起こしていた原因がこのキオングの争奪によるもので、両国の領土に挟まれた位置にある『ピスキン山岳』でしか採掘出来なかったとされていたからである。
現在では既に山岳地帯からキオングはほぼほぼ採り尽くされ、世界的に希少な石となってしまい、僅かに残されたキオングでゲートの補修や補強に充てているという。
「……要するにこの秘薬を打てば、暴走は抑えられる、ってこと?」
アウルは小瓶を見つめ続け、問題の解決法を察し言葉にした。
「ああ。だが、イリザイルは精製可能な数に限りがある。出来ることなら最終手段として残し、使用頻度を限りなくゼロに近付けておきたい」
「ということは、やっぱり……」
考えを聞き、自身の行く末に対する答えに辿り着いたアウル。
唇から漏れた言葉の先を、父が紡ぐ。
「……そうだ。今朝は失敗したが、やはりお前自身の力で魔神の血をコントロールできるようにならなければ……アウル。お前が人間として生活を続けられる未来は残されていない」
「――っ!」
自信なんてものは正直、無い。
しかし、逃げる訳には行かなかった。
兄が死に絶え、不退転の決意に心を焦がしていた少年。
迷うことなく選択をした。
「兄貴と約束したんだ。もう逃げない……って。だから、親父……俺は諦めないよ」
闘志を燃やすアウル。
口にした覚悟は何よりも気高く、強かった。
ヴェルスミスが、隣に座る息子の肩に手を置く。
「……うん」
ひとしきり慟哭し尽くしたアウル。
父親に本音をぶつけた事によって、少しだけ気分が晴れたようだ。
「嘘に聞こえるかもしれんが、俺はお前をクルーイルと同じくらい大事に思っている。だが、当時の俺は何かに取り憑かれていたかのようにクルーイルを一流の戦士に育て上げなければという責任感にばかり駈られ、お前に対して愛情を注ぐことが出来なかった」
「……わかってたよ。それくらい」
視線を逸らす。
無愛想に答えたアウルだが、父の意図に本当は最初から気付いていた。
『ピースキーパー』という家柄を相続させる事を、名家の現当主として第一に考えなければいけないという、子を思う気持ちよりも強固な意志が、父にはあった事――。
理解も納得もしているつもりだった。
しかし一人の"子"として、一人の"親"に対する愛情への欲求は、生まれながら当たり前に持ち合わせていたアウル。
先程の激昂は溜まり続けていたその欲求から来たもので、父親に対する生まれて始めての"ワガママ"と言っても良かった。
「……あのさ、親父」
父から目を逸らしたまま、アウルは口を開く。
ヴェルスミスは無言で相槌。
「どうして俺の身体には、魔神の血が入っているの?」
過去を振り返るのを辞め、現実に目を向けた話を始める。
自分に隠された力があると気付いたときから、純粋に思っていた疑問を父にぶつけたのだ。
「それは……親である俺にもわからない。ただ一つわかりきっているのは、お前が俺とキャスリーの間に産まれた子であって、産まれた直後は決して魔神の血なんか入っていなかったということだ」
10年前に亡くなった母の名を出し、自分達の子である事を強調したヴェルスミス。
ただ、疑問自体は何も解決せず、少年の表情は曇ったまま。
と、そこで自室のドアが開き、親子二人が視線を同時に向ける。
「――よう、二人とも。久々の再開で積もる話はまだまだあるだろうがもうこんな時間だ。ひとまずメシにしよう」
全くと言って良いほど似合っていないエプロンを掛けた姿のシングラルが現れ、一階に降りるよう促す。
二階の窓から見える景色は均一に置かれた灯飾が闇夜を照らし、彩っていた。
「そうだな。話の続きは食べながらにしよう、アウル」
「……うん」
◇◆◇◆
全身が軋むように痛むのを堪え、リビングへと足を運んだアウル。
食卓テーブルには有り合わせの材料で作った品々が並び、料理の一つ一つからは出来たてを証明する湯気が立ちのぼっていた。
「さあ、食った食った」
長身の筋肉質な男から急かされ、料理を口に運ぶ。
「…………」
今は正直なところ、精神的に食事を摂る気分ではなかったアウル。
しかし、一度口にした途端、そのあまりの美味しさに手が止まらなくなってしまう。
「どうだ? うまいだろ?」
アウルの食べる姿を窺い、男はニカッと満足げな笑みを見せる。
見た目から漂う武骨な雰囲気とは正反対のスキルを披露したシングラルは、続けて話す。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はシングラル・マルロスローニ、親衛士団所属だ。よろしくな。アウリスト」
彼のラストネームを聞き、フォークを持つアウルの手が止まる。
「はははは、やっぱりそういう反応になるよな! だが王子扱いなんてしなくていいんだ。遠慮なく一人の戦士として接してくれ」
隣に座る豪傑は野太い声でそう言ってのけ、少年に安心感を与える。
「えーと、シングラル……さんは、どうしてここに?」
「その説明は俺からしよう」
アウルの正面に座っていたヴェルスミスが口を挟む。
そのままヴェルスミスは、シングラルがピースキーパー宅の玄関に現れ、アウルの意識が寸断された直後から起きた全ての事の成り行きを少年に説明した。
まず、出会って早々にシングラルがアウルの胸を貫いたのは、魔神化を発動させるのに最も手っ取り早い方法が『絶命の一歩手前に瀕す』というもの。そこで出会い頭に殺害をするようヴェルスミスが彼に指示をしていた。
シングラルがしてみせた魔神の血のコントロールを、息子にも会得させようと目論んでいたのだ。
しかしその荒療治は失敗に終わり、先刻アウルの首に打った薬品による血のコントロールへと、手段を切り替えた。
そして、その薬品こそが――。
「――これだ」
と言うとヴェルスミスは、無色透明の薬品が入った小瓶をテーブルの中央へと置いて見せた。
「魔神の血の働きを制御するため開発された秘薬……"魔神血抑制薬"だ」
「イリザイル……」
コルクで蓋をした容器の中で揺蕩う液体を、アウルは不思議そうに見つめる。
「この秘薬は親衛士団の第5団士に作らせた代物で、成分詳細は俺にも把握しきれんが"キオング"を微粒子レベルにまで煎じたものを調合しているらしい」
キオングは、"ゲート"にも使用されている石で、原理は不明だが魔神がこの世で唯一苦手とする物質。
そしてこれは余談だが、かつてゼレスティアと隣国のガストニアが紛争を起こしていた原因がこのキオングの争奪によるもので、両国の領土に挟まれた位置にある『ピスキン山岳』でしか採掘出来なかったとされていたからである。
現在では既に山岳地帯からキオングはほぼほぼ採り尽くされ、世界的に希少な石となってしまい、僅かに残されたキオングでゲートの補修や補強に充てているという。
「……要するにこの秘薬を打てば、暴走は抑えられる、ってこと?」
アウルは小瓶を見つめ続け、問題の解決法を察し言葉にした。
「ああ。だが、イリザイルは精製可能な数に限りがある。出来ることなら最終手段として残し、使用頻度を限りなくゼロに近付けておきたい」
「ということは、やっぱり……」
考えを聞き、自身の行く末に対する答えに辿り着いたアウル。
唇から漏れた言葉の先を、父が紡ぐ。
「……そうだ。今朝は失敗したが、やはりお前自身の力で魔神の血をコントロールできるようにならなければ……アウル。お前が人間として生活を続けられる未来は残されていない」
「――っ!」
自信なんてものは正直、無い。
しかし、逃げる訳には行かなかった。
兄が死に絶え、不退転の決意に心を焦がしていた少年。
迷うことなく選択をした。
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