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Beauty fool monster
94話 経緯
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――時は少し遡り、PM13:50。アーカム市内市街地。
『ホラ、マックル。さっさと次行くわよ』
石畳で整備された、主に一般住宅が多く建ち並ぶ通りのど真ん中を往くオリネイ。すれ違っていく一般市民の視線を浴びながら、急かすような口調で後方を歩いていたマックルへと呼び掛ける。
『はぁっ……はぁ……くそっ……』
その呼ばれた彼はというと、中身がぎっしりと詰まった布袋を両手に持たされ、背中にも大袋をロープで括り付けられた夜逃げでもするかのような姿で歩いていた。
『勘弁してくれ……どれだけ持たせる気だ』
ぜえぜえと息を切らすマックルは、手荷物が一切ないオリネイの背中へと小言を漏らした。
『何か言ったー?』
『い、いえ! な……何も言って……ないぞ!』
腰元に差す蛇剣の柄部分に手を伸ばして脅しをかけるオリネイと、慌てて愚痴を隠し通そうとするマックル。二人は今、エレニドからの頼みでマックルの新たな武器となる杖剣の製作に必要な、鉱石や貴金属などの素材を買い揃えている最中であった。
『……それで、オリネイさ……オリネイ。アーカム市まで足を運んだ理由はなんなのだ? 俺の武器に必要な素材がこんな住宅街にあるとは思えんが……』
マックルがゆっくりとした足取りながらなんとかオリネイに追い付くと、アーカム市に足を踏み入れてからかねてより抱いていた疑問を唱える。
剣の製作に必要な素材の大抵は、工業地区であるグラウト市にて売りに出されているものばかりだ。
そして二人が訪れたここアーカム市は、人々が住まう建造物以外だと飲食店や雑貨屋程度しか店が存在していない。
つまり、ここまで足を運ぶ必要が無いということだ。彼がその疑問を抱いてしまうのは当然の流れと言えるだろう。
『ただでさえ荷物が多いというのに……一体これ以上何を買う気なんだ? この街で購入する物は俺の武器の製作に果たして必要な物なのか? それに――』
『あーっ、グチグチとうっさい野郎だこと! オトコならオンナの買い歩きに黙って付いてきな! 次、その口から文句が出たらシャルロワたんのサビにしてやるわよ!』
『ぐっ……!』
次々と溢れ出る苦言を脅し混じりの威圧で伏せられ、マックルは表情に苦味を含ませて口をつぐむ。
『私はただ、エレンからもらったメモを頼りに店を回ってるだけなんだから! 少しでも完成を待ち望むんならアンタも従うことね。いい?』
『わ、わかりま……ったよ、オリネイ』
『そのぎこちない口調も腹立つわね……いい加減早く慣れな』
イライラとした表情でオリネイがストレスを露わにする。
そうして歩きながら言葉を交わしている内に、二人は買い出しにて頼まれていた最後の目的地へと辿り着くのであった。
『――ここね、着いたわよ』
『へ……?』
マックルはオリネイが入口の前で足を止めた、その施設の外観を目にした途端、気の抜けた声を零すと共に目を丸くさせる。
彼が目にしたその店は、使用期限の切れかかった灯飾にて寂しく彩られた、年季の入った看板が掲げられていた。
そして看板には店の名称らしき文字列が、色褪せた油性塗料にて描かれていたのだ。
『……ハー、ティス……食堂……?』
薄汚れた看板を見上げ、記されている文字を一つずつゆっくりと紡ぎ、その店の名をマックルが口にした。
『食堂……だと……?』
空目でもしてしまったのか、とマックルは何度もまばたきをして確認する。
しかし何度見ても、どの角度から窺っても、そこに建っているのは紛れもなくただの飲食店だったのだ。
『こんな店に何の用が……』
怪訝の言葉が意図せずこぼれると共に、彼の心に沸々と怒りの感情が湧いて出てくる。
ここに辿り着くまで、朝からどれだけの距離を歩かされ、どれだけの重い荷物を持たされたのか。彼のその労苦は凄まじさを極め、これなら普段の任務に就いてる方がマシだとさえ思ってしまうほどだ。
(流石に……付き合いきれんぞ!)
そしていくら新たな武器を作ってもらうとは言え、彼は高い製作費用もきちんと満額支払った、れっきとした客だ。製作に関係のない物品の買い出しを引き受ける筋合いなど毛頭ないというのが、彼の率直な想いであった。
『……っ』
その不満を口頭にて表したい気持ちを、マックルはなんとか胸の内に留める。そんな彼の気苦労など知らず、オリネイはドアを開き店内へ悠々と足を踏み入れていく。
『いらっしゃ――』
洗い物の最中であったが、ドアベルが鳴ったことにより反射的に入り口のドアへと視線を移し、挨拶を送るライカ。だが入店してきたオリネイの姿を目にした途端、驚きのあまりに語尾が失われてしまう。
驚いていたのはランチを過ごしていた客達も同様で、口に運ぼうとしていた箸はぴたりと止まり、一同の視線は彼女へと集中する。
『あぁもう、いちいち騒ごうとしなくていいから大人しく食事しててっての』
嫌々とした口調と表情を滲ませたオリネイが、針の筵が如く突き刺さる好奇の視線の数々を冷たくあしらう。
そして空いてる席にも着かずに、厨房で立つライカの方にずかずかと歩いていく。
『お……オリネイ様。いらっしゃいませ。な、何に致しましょう……?』
カウンター越しではあるが、団士の接近に食器を洗う手が止まり、注文を伺う声も上ずってしまうライカ。
(おいおい、いくらなんでもいきなり過ぎんだろ……!)
そのあまりにも突然すぎた来店に、ライカは柄にもなく緊張し、動揺を隠せないでいた。
過去を遡れば、これまでにカレリアやエレニドといった大物と呼ぶべき人物の来店は幾度かあった。当然今回が初めてではなく、今目の前に立つオリネイでさえも店に訪れた事はあったのだ。
(姐さんは一緒じゃないのかよ……! この人単体だとどう絡んでいいかわかんねぇぞ……!)
しかし彼女と初めて顔を合わせたあの日の夜は、多少なりとも自身へと心を開いていてくれたエレニドが同じ空間に居てくれた事が大きい。
そう――ライカにとって、一対一でオリネイと接する機会がこれまでの経験には無かったのだ。
(なんだ……? 一体何しに来たんだ……!? ってメシ食いに来たんだろっ! ここは食堂だっつの! でもこんな寂れた食堂にワザワザこの人が……!? あ、もしかして姐さんにオススメされたとか……!?)
まるで大渦にでも呑み込まれたかの如く、ライカの脳内でぐるぐると自問自答が繰り返される。
『そうね、早速だけど――』
そんな焦り散らす少年に対してオリネイは特に気遣う様子もなく、買い出しの品物のリストが記されたメモを片手に、いざ注文を口にする。
『エレンの好きそうな料理作って』
『……はい?』
想定も及ばなかったその注文に、ライカは間の抜けた声で聞き返してしまう。
『だからぁ、“エレンの好きそうな料理を作って”、って言ってんのよ』
『あのぉ、それは一体どういった意味で……』
『察しが悪いわねぇ……エレンがアンタの料理食べたいって言ってるから作ってあげて、ってコトよ。それと、メモには特にメニューの指定は書いてないから、アンタの思うように作っていいわよ』
(……! あぁ、なるほどそういう事だったか)
慎重に出方を窺っていたライカであったが、そこまでの説明をされてようやく合点が行った。
『え、なに? それともこの店ってお持ち帰りやってないの? サービス悪くない?』
『いえっ……や、やってます! やってますよ! ええ! やってますとも!』
『うわ、声でかっ、うるさっ!』
彼女の目的を理解してからのライカは、徐々に本来の調子を取り戻していく。
『ちなみに……メニューは姐さんの好みに合わせて作りますけど……何品くらい作れば良いっすかね?』
『さあ? 作りすぎて料理が悪くなっちゃうのもアレだし、大体三食分くらいでいいんじゃないの?』
テーブルに堂々と腰掛け、気怠そうに料理の完成を待つオリネイが適当に返答する。
『了解っす。じゃあとりあえず、今日の昼食と夕食の二食分と、明日の分の一食を作っておきます!』
ライカはそう意気込むと、早速調理を開始しようとする。
しかし――。
『そういえば……アンタと仲の良いあのボウヤは最近ここに来てないのかしら?』
『――っ!』
オリネイからの何気ないふとした問い掛けに、ライカは不意に思い出す。
(そうだ……! アウル……! あとピリム……)
数十分前、アウルと共にパシエンスから報されたピリムの件――。
(緊張しすぎてすっかり忘れてた……! というか、もしかしてこの人……広場で起きてる事、まだ知らないんじゃ)
ライカの憶測は当たっていた。広場でのピリムの凶行は、現時点ではまだ王宮に伝達が届いておらず、団士であるオリネイですら知る由もなかったのだ。
(……俺が伝えなきゃ!)
広場で今事態がどう動いているのか、ライカは知らない。そもそも事件の真相はともかく発端ですら、何も知る手立てがなかった。全てがパシエンスからの伝え聞きでしかないからだ。
しかしそれでも、親友であるアウルの助けに少しでもなれれば、とライカは強く思っていた。
となれば、迷っている暇などない――。
『……あの、オリネイ様』
『んー?』
ライカが神妙な顔つきでカウンター先のオリネイへと伺いを立てる。彼女は暇を潰すかのようにネイルの手入れをしていた。
『その、実は――』
意を決し、ライカは自分の知る限りの情報をオリネイへと懸命に伝えた。
そしてこの申告が、広場での戦局に大きく影響を及ぼすのであった――。
『ホラ、マックル。さっさと次行くわよ』
石畳で整備された、主に一般住宅が多く建ち並ぶ通りのど真ん中を往くオリネイ。すれ違っていく一般市民の視線を浴びながら、急かすような口調で後方を歩いていたマックルへと呼び掛ける。
『はぁっ……はぁ……くそっ……』
その呼ばれた彼はというと、中身がぎっしりと詰まった布袋を両手に持たされ、背中にも大袋をロープで括り付けられた夜逃げでもするかのような姿で歩いていた。
『勘弁してくれ……どれだけ持たせる気だ』
ぜえぜえと息を切らすマックルは、手荷物が一切ないオリネイの背中へと小言を漏らした。
『何か言ったー?』
『い、いえ! な……何も言って……ないぞ!』
腰元に差す蛇剣の柄部分に手を伸ばして脅しをかけるオリネイと、慌てて愚痴を隠し通そうとするマックル。二人は今、エレニドからの頼みでマックルの新たな武器となる杖剣の製作に必要な、鉱石や貴金属などの素材を買い揃えている最中であった。
『……それで、オリネイさ……オリネイ。アーカム市まで足を運んだ理由はなんなのだ? 俺の武器に必要な素材がこんな住宅街にあるとは思えんが……』
マックルがゆっくりとした足取りながらなんとかオリネイに追い付くと、アーカム市に足を踏み入れてからかねてより抱いていた疑問を唱える。
剣の製作に必要な素材の大抵は、工業地区であるグラウト市にて売りに出されているものばかりだ。
そして二人が訪れたここアーカム市は、人々が住まう建造物以外だと飲食店や雑貨屋程度しか店が存在していない。
つまり、ここまで足を運ぶ必要が無いということだ。彼がその疑問を抱いてしまうのは当然の流れと言えるだろう。
『ただでさえ荷物が多いというのに……一体これ以上何を買う気なんだ? この街で購入する物は俺の武器の製作に果たして必要な物なのか? それに――』
『あーっ、グチグチとうっさい野郎だこと! オトコならオンナの買い歩きに黙って付いてきな! 次、その口から文句が出たらシャルロワたんのサビにしてやるわよ!』
『ぐっ……!』
次々と溢れ出る苦言を脅し混じりの威圧で伏せられ、マックルは表情に苦味を含ませて口をつぐむ。
『私はただ、エレンからもらったメモを頼りに店を回ってるだけなんだから! 少しでも完成を待ち望むんならアンタも従うことね。いい?』
『わ、わかりま……ったよ、オリネイ』
『そのぎこちない口調も腹立つわね……いい加減早く慣れな』
イライラとした表情でオリネイがストレスを露わにする。
そうして歩きながら言葉を交わしている内に、二人は買い出しにて頼まれていた最後の目的地へと辿り着くのであった。
『――ここね、着いたわよ』
『へ……?』
マックルはオリネイが入口の前で足を止めた、その施設の外観を目にした途端、気の抜けた声を零すと共に目を丸くさせる。
彼が目にしたその店は、使用期限の切れかかった灯飾にて寂しく彩られた、年季の入った看板が掲げられていた。
そして看板には店の名称らしき文字列が、色褪せた油性塗料にて描かれていたのだ。
『……ハー、ティス……食堂……?』
薄汚れた看板を見上げ、記されている文字を一つずつゆっくりと紡ぎ、その店の名をマックルが口にした。
『食堂……だと……?』
空目でもしてしまったのか、とマックルは何度もまばたきをして確認する。
しかし何度見ても、どの角度から窺っても、そこに建っているのは紛れもなくただの飲食店だったのだ。
『こんな店に何の用が……』
怪訝の言葉が意図せずこぼれると共に、彼の心に沸々と怒りの感情が湧いて出てくる。
ここに辿り着くまで、朝からどれだけの距離を歩かされ、どれだけの重い荷物を持たされたのか。彼のその労苦は凄まじさを極め、これなら普段の任務に就いてる方がマシだとさえ思ってしまうほどだ。
(流石に……付き合いきれんぞ!)
そしていくら新たな武器を作ってもらうとは言え、彼は高い製作費用もきちんと満額支払った、れっきとした客だ。製作に関係のない物品の買い出しを引き受ける筋合いなど毛頭ないというのが、彼の率直な想いであった。
『……っ』
その不満を口頭にて表したい気持ちを、マックルはなんとか胸の内に留める。そんな彼の気苦労など知らず、オリネイはドアを開き店内へ悠々と足を踏み入れていく。
『いらっしゃ――』
洗い物の最中であったが、ドアベルが鳴ったことにより反射的に入り口のドアへと視線を移し、挨拶を送るライカ。だが入店してきたオリネイの姿を目にした途端、驚きのあまりに語尾が失われてしまう。
驚いていたのはランチを過ごしていた客達も同様で、口に運ぼうとしていた箸はぴたりと止まり、一同の視線は彼女へと集中する。
『あぁもう、いちいち騒ごうとしなくていいから大人しく食事しててっての』
嫌々とした口調と表情を滲ませたオリネイが、針の筵が如く突き刺さる好奇の視線の数々を冷たくあしらう。
そして空いてる席にも着かずに、厨房で立つライカの方にずかずかと歩いていく。
『お……オリネイ様。いらっしゃいませ。な、何に致しましょう……?』
カウンター越しではあるが、団士の接近に食器を洗う手が止まり、注文を伺う声も上ずってしまうライカ。
(おいおい、いくらなんでもいきなり過ぎんだろ……!)
そのあまりにも突然すぎた来店に、ライカは柄にもなく緊張し、動揺を隠せないでいた。
過去を遡れば、これまでにカレリアやエレニドといった大物と呼ぶべき人物の来店は幾度かあった。当然今回が初めてではなく、今目の前に立つオリネイでさえも店に訪れた事はあったのだ。
(姐さんは一緒じゃないのかよ……! この人単体だとどう絡んでいいかわかんねぇぞ……!)
しかし彼女と初めて顔を合わせたあの日の夜は、多少なりとも自身へと心を開いていてくれたエレニドが同じ空間に居てくれた事が大きい。
そう――ライカにとって、一対一でオリネイと接する機会がこれまでの経験には無かったのだ。
(なんだ……? 一体何しに来たんだ……!? ってメシ食いに来たんだろっ! ここは食堂だっつの! でもこんな寂れた食堂にワザワザこの人が……!? あ、もしかして姐さんにオススメされたとか……!?)
まるで大渦にでも呑み込まれたかの如く、ライカの脳内でぐるぐると自問自答が繰り返される。
『そうね、早速だけど――』
そんな焦り散らす少年に対してオリネイは特に気遣う様子もなく、買い出しの品物のリストが記されたメモを片手に、いざ注文を口にする。
『エレンの好きそうな料理作って』
『……はい?』
想定も及ばなかったその注文に、ライカは間の抜けた声で聞き返してしまう。
『だからぁ、“エレンの好きそうな料理を作って”、って言ってんのよ』
『あのぉ、それは一体どういった意味で……』
『察しが悪いわねぇ……エレンがアンタの料理食べたいって言ってるから作ってあげて、ってコトよ。それと、メモには特にメニューの指定は書いてないから、アンタの思うように作っていいわよ』
(……! あぁ、なるほどそういう事だったか)
慎重に出方を窺っていたライカであったが、そこまでの説明をされてようやく合点が行った。
『え、なに? それともこの店ってお持ち帰りやってないの? サービス悪くない?』
『いえっ……や、やってます! やってますよ! ええ! やってますとも!』
『うわ、声でかっ、うるさっ!』
彼女の目的を理解してからのライカは、徐々に本来の調子を取り戻していく。
『ちなみに……メニューは姐さんの好みに合わせて作りますけど……何品くらい作れば良いっすかね?』
『さあ? 作りすぎて料理が悪くなっちゃうのもアレだし、大体三食分くらいでいいんじゃないの?』
テーブルに堂々と腰掛け、気怠そうに料理の完成を待つオリネイが適当に返答する。
『了解っす。じゃあとりあえず、今日の昼食と夕食の二食分と、明日の分の一食を作っておきます!』
ライカはそう意気込むと、早速調理を開始しようとする。
しかし――。
『そういえば……アンタと仲の良いあのボウヤは最近ここに来てないのかしら?』
『――っ!』
オリネイからの何気ないふとした問い掛けに、ライカは不意に思い出す。
(そうだ……! アウル……! あとピリム……)
数十分前、アウルと共にパシエンスから報されたピリムの件――。
(緊張しすぎてすっかり忘れてた……! というか、もしかしてこの人……広場で起きてる事、まだ知らないんじゃ)
ライカの憶測は当たっていた。広場でのピリムの凶行は、現時点ではまだ王宮に伝達が届いておらず、団士であるオリネイですら知る由もなかったのだ。
(……俺が伝えなきゃ!)
広場で今事態がどう動いているのか、ライカは知らない。そもそも事件の真相はともかく発端ですら、何も知る手立てがなかった。全てがパシエンスからの伝え聞きでしかないからだ。
しかしそれでも、親友であるアウルの助けに少しでもなれれば、とライカは強く思っていた。
となれば、迷っている暇などない――。
『……あの、オリネイ様』
『んー?』
ライカが神妙な顔つきでカウンター先のオリネイへと伺いを立てる。彼女は暇を潰すかのようにネイルの手入れをしていた。
『その、実は――』
意を決し、ライカは自分の知る限りの情報をオリネイへと懸命に伝えた。
そしてこの申告が、広場での戦局に大きく影響を及ぼすのであった――。
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【備考(補足)】25話まで拝読
【見どころ】
最大の見どころは、主人公の成長と変化にあると思われる。この物語では主人公の考え方が変わるまでが丁寧に描かれており、その変化も友人のある記録によってもたらされる。とても身近に感じていた人間への尊敬は、影響力が大きいと思われる。そして変化の後も彼の元々持っている、良い部分は変わっていないのが良いと思う。
徐々に明かされていくが、主人公は五歳の時に母を失っており、忙しい父は兄にしか構うことなく、兄からは虐待を受けていた。主人公は孤独ながらも一人の生活に慣れていたと思われる。父にも兄にも見向きされなかった彼は、落ちこぼれであることを受け入れ、諦めの気持ちも持っていたのかも知れない。自分に暴力を振るう兄であっが、畏怖だけではなく尊敬もしていたようだ。そしてそんなことをされてもなお、仲良くしたいと願っていた。そんな彼の本当の姿はあることをきっかけに明かされていく。
兄も心境や本音もまた、物語が進むと明かされていくため、すれ違う彼らの思いに切なさを感じる。父の期待、名門を守らなければならなかった兄は、何故自分だけが、と思っていたのだろう。厳しくとも、父に目を向けられていた兄。何も期待されず背負わされることがなくとも、目を向けられない弟。どちらも幸せとは言い難い。
一方で、騎士団の方にも問題が発生していた。同時進行していく彼らの日常。知らず知らずに近づいてくる魔の手。果たして平和は守られるのであろうか?
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。
家に帰りたくない主人公は友人に頼り、一晩泊めてもらうことになる。この時、友人の家族を見て憧れを抱く。自分が求めていたのはきっと、このような家庭だったのだろうと。
その夜、主人公は友人に家に帰りたくない理由問われ、彼の優しさや気遣いなども踏まえ、自身に起こったことを話す。すると事態は思わぬ方向へ。
眠れなくなった主人公は手近な本を取り、やり過ごそうとするのだが料理の本ばかりであった。何か他にないかと探していたところ、ある一冊のノートを見つけてしまう。それは自分と同じように努力をせず楽観的な考えをしていると思い込んでいた友人の努力の結晶だったのである。そこで彼は気づくのだ。自分が本当の意味で努力を怠っていたということを。そこからの変貌ぶりは、周りが唖然とするほどであった。
【良い点(箇条書き)】
・主人公の心を入れ替える前と後との差の表現がとても巧いと感じた。親友のノートを目にするまでは、確かに主人公は自他ともに認める楽観主義であり、努力を怠っていたように思える。読者を納得させる技術は凄いなと感じた。
・主人公が心を入れ替えた経緯、理由に感動を覚えた。それは素晴らしい先生でもなければ有名人の言葉でもない。身近な人物から受けた影響だからこそ、心に刺さるものもあるだろうし、頑張らないとという実感がわくと思う。とてもリアリティを持たせていると感じた。心に染みる物語である。
・真実が明かされていく過程が凄いと思う。主人公に対する印象もガラリと変わる。兄弟共に、抱えているものが明かされていく部分は切ない。
・兄と弟の関係の変化が素敵である。しかし、冒頭のシーンを考えると切ない気持ちにもなる。
続く
【主人公と登場人物について】
初期の時点においての主人公は、名門の家に産まれながら楽観的であり授業中に居眠りをするなど、あまり真面目とは言えない。友人との会話から、成績が良いとも言えず、落ちこぼれであった。
珍しく家に帰宅した兄に、暴力を受ける場面があるが、兄は優れていても努力を怠らず、名門に相応しい人物であった。それに引き換え弟の努力の見えない姿勢は彼の逆鱗に触れても仕方がないと思える。(だからと言って暴力は良くないが)しかしこの後、彼にはある転機が訪れる。恐らく彼はその気づきによって、大きく成長していくのだと思われる。
友人ライカ。彼の家は、一言でいうなら昭和の家庭のような感じである。父が息子に灰皿を投げるシーンには驚く。(現代なら虐待だが……)
喧嘩するほど仲が良いという印象の家庭。そして何でも言い合えるようだ。
ある出来事をきっかけに、主人公と親友の関係にも変化が訪れる。彼らは確かに仲の良い親友の関係ではあったが、それまでは互いに依存していた部分もあったと思う。その出来事以降、二人は互いを認め合った関係という印象を持つ。
【物語について】
久々に帰宅した兄と遭遇してしまった主人公は、彼から暴力を受け必死で逃げ出した。それほどまでに、加減のない暴力であり彼からの怒りを感じていたと思われる。街を歩いていたところ、兄も所属している親衛士団の二人と出逢う。そこで主人公は怪我の治療をして貰うものの、彼らに不思議な力を見られてしまう。だが主人公にとってはそれが当たり前のことであり(幼いころからそうだったのであろう)、隠している様子もない。それとは反対に、彼らは主人公の本人も知らないであろう秘密に気づくのであった。
続く