第三次世界大戦

一二三 雄

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一章

一章④

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駐車エリアに、停めてある一条のセドリックを見て夏月は嬉しそうに小走りになりながら珍しく友人を褒めた。
「一条君は本当に、車の趣味はいいな。今じゃこんなに状態のいいものは珍しいんじゃないか?」
「リザードが成功しているからね。中身は逆にどんな機種より最新式だよ。運転してみるか?」
「もちろんだ。」
運転席に座った瞬間にフロントガラスに地図と字幕が表示され、電子音が響く
「私はバジリスクです。新たなユーザーが運転席に着いています。どちら様ですか。」
「友人だ。ユーザー登録は夏月 桜でしておいてくれ。」
フロントガラスが青く光り、guest user SAKURA NATSUKIと表示される。
「桜様、本日の御用は?」
「凄いな。目的地は都庁でいいのか?」
「いや、千葉にある幕張自衛隊臨時キャンプに向かってくれ。」
「ちょっと待て」
「バジリスク、出せ」
「桜様、すみません。オリジナルユーザーの蓮様のご指示が優先順位の高位にあたります。」
セドリックは動き出し、校内を出て公道に出る。
「随分早いお出かけですが、朝食などは寄られますか?」
「そうだな、少し食べ足りない。桜何かリクエストはあるか?」
「何もいらない。かなりしっかりと君も食べていたよ。それよりおろしてくれ、依頼人に嫌な予感がする。」
駄々をこね出した友人に困りながら、ここまでくれば勝算のある一条が言う。
「ついさっき、依頼人に会うと言ったはずだが?」
「確かに私の主義では依頼に関わることでは引き受ける前でも意見は変えない、、、だがね。意図的に隠された情報があるというのはフェアじゃない。」
夏月もこの件に関してはもう依頼人に会うということも腹を決めてはいるが少し嫌味を言う。しかし、依頼については受けると決めていた。
ただ、依頼人が予想通りであれば今後の作戦について面倒が増える可能性が非常に高くなる。
「隠したわけじゃないさ。話の途中で早く出発しろと急かしたのは桜だろ。君の素晴らしい主義に従い、依頼については依頼人から直接聞くという意見は変えない方がいい。この件もまた、余裕のない話だからね。」
「だろうな。」

長い沈黙の間、バジリスクによる、自動運転が続いた。

バジリスクが提案した高速道路のパーキングエリアで軽食を買う案が通り、菓子パンを幾つか食べた一条と、コーヒーだけを楽しんだ夏月が再びシートに着く。

「キャンプまでまだ時間がある。九州での出来事の振り返りは終わらしておこう。」

2章 九重連山に続く
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