第三次世界大戦

一二三 雄

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2章

2章②田中 梓

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「いや、すまない。君の意見を聞きたい。」

一条は思い出していた。彼夏月がこの事態を予測しているような言動を、していた事を、その相談をまともに取り合わなかった結果、彼の身に何か起きていることを申し訳ないと感じつつも、一刻を争う事態に彼の協力を得ようと話し始めた。

「田中刑事!彼は夏月桜という探偵業をしている友人だが、今この場において僕より確実に真相に近いところにいる。入ってもらい協力を依頼するべきだ。」

「探偵?探偵さんがどうしてこの状況に関わりが?」
「協力の依頼?ここでは受けられないな?」

同時に話し始めた2人を見て合うのか合わないのかと悩ましく思いながら続けた。
「では、協力頂けない民間の方はお引き取りを!」
「構わない。僕は僕のやり方で」

何故かこの短い時間で致命的に仲違いしそうな2人を見て、一条は焦っていた。何故か九州の九重連山に集まる犬、とりわけ久住山には多くの犬が集まっている。
人海戦術や地元警察や猟友会の協力を得て、場所の特定をしたが何故ここに集まって、いつまでここにいるのかが、さっぱりわからない。
有識者と呼ばれる者が十数人集まって半日になるが今後の行動基準すら定まらない。
その中で一月も前にこの状況を予測し、個人の調査でここにたどり着いた夏月桜をここで逃す訳にはいかなかった。

「田中刑事待ってくれ。私は今回武装面の顧問としてここに呼ばれているはずだ。彼は私の部門で雇いたい。桜もそれで頼む。君が絶対に必要だ。頼まれていたリザードも準備する。近接武装と狙撃武装を装備して譲渡する。頼むから。話だけでも聞いてくれ。」

「僕はぼったくりをするつもりはない。流石にパワードスーツなんて受け取れない。」

「わかった。そういうことならとりあえず貸与にしておくが、リザードが担保で報酬は後の交渉でいいか?内容によってやっぱりリザードを受け取るでもこちらは構わない。」

「わかった。だが先に確認したい。情報は共有されるのか。後は僕はこの中に用があるんだ。いつ入れる。」

「待ってください。民間の方の介入をこんな簡単に」
「わかっています。ですのでまずは3人で相談しましょう。」

仮説テントの中でもプレハブを各所に置き沈没防止の鉄板敷きの床の大空間が一条に与えられたスペースだった。
そこで、まず一条は夏月に貸与するリザードの装備について話し始めた。まず、この依頼を受けさせたいと必死だった。
「君にはリザードのバリエーションで次世代モデルとして制作したフライングリザードのプロトタイプを渡したいと思っている。パワーシリンダーやオートリロードなど量産型でオミットされた機能が全て実装されている。ハルピュイアと違って単独飛行はできないが、吸着力を利用したクライミングと高所からの転落衝撃緩和と滑空ができる。固有武装としてスタンナイフを2本とデザートイーグルが四丁装備されている。四丁あるのは持ち替えてリロードはリザード内部で行う用だ。君は狙撃も、得意だったからな背面にドラグノフを装備させよう。照準はリザードに動機させておく、、、他に要望は?」

「それだけの装備が必要と感じている理由を先に聞きたいね。」

「それは、」

田中梓はここに来て、この探偵の協力を取り付けることがどれだけ重要と考えているのか理解してきた。

「それは私から、今わかっている情報はここに多くの犬が集まっていること、その犬種は小型大型を問わないこと、一部に動物園などから脱走した狼まで混ざっていることです。それ以外が本当に何もわかっていませんし、仮説もありません。お手上げ状態で次に何が起こるのか何もわかりません。広い範囲でバリケードを作っていますが九重連山を囲うことは不可能です。」

長い沈黙の後に夏月は葛藤しながら話し始めた。
「まだ仮説だけだが、仮説はあるんだ。検証は間に合わなかった。クライアントに確定していない事を伝えるのは主義に反するんだが、」

「構わない。君の仮説を聞きたい。」
「ええ、鵜呑みにはしない。参考に聞きますよ。」

ため息の後に

「信じられないかもしれないが、犬の知性は少なくとも人間の小学生から中学生以上があると仮定して、生存戦略として世界中で同時多発的に自分達の土地を人間から勝ち取りに来ている。」

あり得ない!という言葉を現状で否定しきれず飲み込んだ2人の沈黙の中夏月は続けた。

「人間という種は今、領土紛争、、、いや侵略戦争を受けている。」
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