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それから幾日か過ぎ、私は相変わらず机に向かって仕事をこなしていく。
「おじさんだれー?」
窓から聞こえてきた子どもの声に不安が胸をよぎり、思わず窓から庭を見下ろす。
旦那様⁉︎カミーユ様のお父君ですよとメイド達が顔を青くしている。不審者では無かったことにほっと胸を撫で下ろす。まあ、ある意味不審ではあるが。
「カミーユか。父ちゃんだぞー」
旦那のくだけ過ぎた言いように執事が慌てて訂正を入れている。
「とーさま?カミーユのとーさまなの?」
「そうだぞー。大きくなったなぁ」
我が子をその手で抱き上げる姿を、信じられない思いで眺める。
旦那であるマキシムは、無礼な物言いをした子を部屋に謹慎させ、教育が不届なメイド達をすぐ解雇する、そんな人間だ。だからこそカミーユ付きのメイド達はあそこまで狼狽え顔を青ざめさせたのだ。
……
まあ、仲良くしているようならそれはそれで構わないか。王都で何か良い事があってご機嫌なのかもしれないし、と仕事に戻る。
それに機嫌が良いのは今だけかもしれない。すぐいつもの調子に戻るだろう。ただあまり生意気な態度を取ったならキツく言い含める必要がある。
降嫁したとはいえ王家に連なる者、どちらが上か分からせてやる。
「おじさんだれー?」
窓から聞こえてきた子どもの声に不安が胸をよぎり、思わず窓から庭を見下ろす。
旦那様⁉︎カミーユ様のお父君ですよとメイド達が顔を青くしている。不審者では無かったことにほっと胸を撫で下ろす。まあ、ある意味不審ではあるが。
「カミーユか。父ちゃんだぞー」
旦那のくだけ過ぎた言いように執事が慌てて訂正を入れている。
「とーさま?カミーユのとーさまなの?」
「そうだぞー。大きくなったなぁ」
我が子をその手で抱き上げる姿を、信じられない思いで眺める。
旦那であるマキシムは、無礼な物言いをした子を部屋に謹慎させ、教育が不届なメイド達をすぐ解雇する、そんな人間だ。だからこそカミーユ付きのメイド達はあそこまで狼狽え顔を青ざめさせたのだ。
……
まあ、仲良くしているようならそれはそれで構わないか。王都で何か良い事があってご機嫌なのかもしれないし、と仕事に戻る。
それに機嫌が良いのは今だけかもしれない。すぐいつもの調子に戻るだろう。ただあまり生意気な態度を取ったならキツく言い含める必要がある。
降嫁したとはいえ王家に連なる者、どちらが上か分からせてやる。
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