最近旦那の様子がおかしいのだけどこちらから関わる気はございません

塩沢ぷじゃん

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「本当にうまくいくのか……」

 王城、玉座の間にて王であるオーニール・アークライトが呟いた言葉からは隠しきれない不安が読み取れた。

「王たる者が情けない。堂々と構えていなさい」
「しかし叔母上……」

 ギロリ、と隣の玉座に座るオーニールを睨みつける。

「あ、姉上……あの男が失敗でもしたら」
「失敗したら隣国と戦争になるだけ。魔王が復活したらレオンとカミーユが倒すだけの事だからそれも問題無い」
「先のことはともかく、この場に賊が攻め入ってきたら」
「その為に私がここに居る。そして……お前も居る」

 ニヤリとオーニールに顔を向ければ、得心したとばかりに笑みを返してきた、途轍もなく獰猛な。
 剣で私と対等に打ち合えるのはこのオーニールと騎士団長のレイザー卿ぐらいだろうに、もっと自信があっても良いと思うのだが、私が姉貴風を吹かせ過ぎたせいでどうにも目上と思っている者には遠慮してしまうところがある。
 私がここに居なければ、ああも不安げに声を出すこともなかったろう。まあ、要は私に甘えてきたのだ、かわいい弟め。

「だがまあ、戦争にはさせんよ。その為のだ。急だったが手筈も整えてある。一応向こうさんとも顔見知りだしな。あとはあちら次第だ」

 くく、と楽しげに話すオーニールには、確かに王としての風格が備わっていた。すっかり頼もしく成長していたその姿に嬉しくなってつい肩をバシバシと叩いてしまった。

「ちょっ、痛い姉上。あ、王冠ずれた。少しはカッコつけさせてくれよ……」

 文句を言いつつも二マリと笑って、

「お帰り、姉上。遅かったじゃないか」

 先ほどの獰猛さと打って変わり、今にも泣きそうな顔に笑顔を浮かべて、そう言ってくれた。

「……あぁ、待たせたな」




 今回の作戦は、隣国の密偵や国内の不満分子をマキシムが一箇所に集め捕縛するというもの。当然その近くで騎士団も配置についている。
 不測の事態に備えて王都に相当数の騎士を配備している。
 結果として王城の守りが手薄になってしまうので、一番堅牢な玉座の間に要職に就く面々を集めた。被害を分散させない狙いもある。
 王妃の側で遊んでいるレオンとカミーユについつい頬が緩んでしまうが、そろそろ時間だ、気を引き締めよう。

 そして、未来を掴もう。
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