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☆戦闘シーンですので少々残酷な表現が出てきますので。R15は念のためとかほざいてすみませんでしたぁ!






 城下がにわかに騒がしくなってきた。
 遠くで轟音が鳴り響く。マキシムが居る屋敷の方角だ。

「始まったな」

 いずれ残党が城に向かいこの玉座の間まで辿り着くことだろう。



 簡単に玉座の間まで辿り着けるよう兵士を配置してあり、冷静な状態であれば罠である事に気付いたことだろう。気付いたところで他に選択肢も無いのだが、どうやら誘い込まれた事すら分かっていない闖入者ちんにゅうしゃがぞろぞろと雪崩れ込んできて呆れてしまった。

「今日この日をもってアークライト王国ぐべぇっ──!!」
「賊の言う事など聞く耳持たんな」

 独りよがりな演説をぶちかまそうとした不快な闖入者を撫で斬りに、続けざま二人目三人目と斬って捨てていく。
 一応生捕りが望ましいので四肢を狙ったのだが、腕や脚がちぎれ飛び、斬られた賊は悲惨な姿となって悲鳴を上げ床に転がった。
 ん?片刃剣の刃はちゃんと自分の方を向いている。ちゃんと峰打ちだ。情けをかける必要の無い相手だが、一応言っておかねば。

「……峰打ちよ!」
「はっはっは!なってないな姉上。というか姉上の剣速ならばたとえ刃引きしてあっても関係無いぞ」

 アークライト王であるオーニールが隣に立ち闖入者の一人と対峙する。

「峰打ちってのはこうやるんだ、よ!」

 大剣の腹を相手に向けそのまま上段から勢いよく振り下ろし────頭蓋を破砕した。

「……あれ?」
「バカ」

 誤魔化すように鼻の頭を掻いているオーニールについ悪態をついてしまう。

「まあ、二、三人確保したしあとはいいんじゃねえかな」
「そうね、運が良ければ生き残るでしょう」
「……この場合は運が悪けりゃ、じゃねえかな」

 為政者とは思えないような命を軽んずるげんなのか、為政者だからこそなのか判断はつかなかったが、カミーユにさいが降りかかるのならばそれを断ち切るのに何の否やもありはしない。
 それに、こんな奴らの命など重いはずが無いのだ。

 顔を青くし既に戦意を喪失している賊どもを相手に、それから先は私とオーニールの独壇場だった。
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