地味で目立たない次女ですが何故かキラキラしい人に懐かれて困ってます。

紫楼

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追い詰められる

 キャンディーをエスコートしていたと思われる、おそらく義母側の親戚ってフランメ家で見たことがあるからエスコートさせられたんだと思う男性が、真っ青な顔でキャンディーを回収して行った。

 見放さずに迎えにきたのはすごいけど、目を離したのがすでに失敗よね。

 キャンディーはブツブツ言ってたけど結構強引に引っ張っていった。手慣れているから普段から任されているのかも?貧乏くじだね。

「大丈夫かい?」
 ポカーンと見てしまっていた私にルーシェンさまが声を掛けてくれる。
「はぁ・・・」
「まぁあの手の女性は残念ながらわりといるんだよ」

 目が笑ってないけど微笑んだ顔で呟く。
 あんな感じの人が姉の他にもいるのか~。夜会怖し。


 お祖父様と伯父様が側に来て、
「すまなかったね」
って私たちに謝る。私は悲しくも血が繋がってるので謝る側だよね。

「ルーシェンさま、申し訳ありません」
 私も頭を下げ用としたらそっと肩を叩かれて止められた。

「君たちのせいじゃ無いんだからいいんだよ」

 威厳を感じる雰囲気で彼が静かに笑うと、遠巻きにしていた精霊達がワァっとルーシェンさまの周りに戻ってきた。

 私の目線が精霊を追ってるのを気がついたルーシェンさまが口元に指を当ててシーってした。

(君の目は良すぎるようだね)

 体を引き寄せられて耳元で話されると、周りにいたご婦人たちが「きゃぁー」って声をあげる。今のは私が騒ぎたいところ!

「見てごらん。あの人達も眩しいかな?」

 王陛下と王子殿下の達が会場に入ってきた。流石に品があって尊い感じ。

 でも眩しいけどルーシェンさまほどは主張の激しく無い優しい光がチラチラしてる。
 
 王族の固有スキルか何かかな?

「少し控えめです」
「へぇ、そうなんだね」

 機嫌良さげに私の腰に手を添えて、王族のいる方へと誘われる。びっくりしてルーシェンさまを見上げると、
「悪い大人はこうして既成事実を積み上げて囲いを作っていくんだよ」
 ニッと笑って、私の髪に口付けをした。

 絶対に逃さない感じで私の立場が決まっていく。

 おかしい。私は平民を目指していたのに、王弟で大公のルーシェンさまのお嫁さんになるしか無いの?

 侯爵家に入るのも結婚の予定も勝手に決まってて、自分の意思が通せない。
 貴族だから政略結婚も仕事のうちとかは理解してるけど、親に放置されてて勝手に出ていけると思ってたんだけど、現実は違ったんだね。
 
 何か全部どうでも良い気がしてきた。
 私は結局何を願ってもダメなんだって。

 自分1人で生きていけるような気がしてたけど、全然違ったね。

「シャロン嬢?」  

 煌びやか王宮の夜会でキラキラしたルーシェンさまや綺麗なドレスを来た女性達、華やかで素晴らしい景色を見ているはずなんだけど、私は灰色の世界に迷い込んでしまった気がして、どんどん気分が降下して行った。

 その後、虚な気持ちでルーシェンさまのご挨拶にお付き合いして、エスコートされるままダンスを踊って。

 お祖父様達が心配そうにしてるのがチラッと見えたけど、気が付かないフリをした。

 勝手に決めるならもう何も考えない。

 結果が変わらないのだとしても事前に教えて欲しいと思うのはわがまま?

 だったらもうどうでも良いよ。



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