地味で目立たない次女ですが何故かキラキラしい人に懐かれて困ってます。

紫楼

文字の大きさ
13 / 16

先に説明してほしいのは無理な事?

「シャロン嬢、話をしようか」

 どんどん表情が抜けて行ってるであろう私の気がついたみたいで、ルーシェンさまはテラスの方へと私を連れ出した。

「もっとゆっくり時間をかけるべきだとは思うんだけどね。早急に君をちゃんと守れる後ろ盾が必要なんだよ」
 ルーシェンさまが淡々と説明してくれる。

「・・・」
「なぜグランデ家が君の希望を聞きもせずに養子縁組を急いだかというと、君の父親がとある嗜虐趣味の男爵に君を売りつけようとしたから」

 追い出したいはずの私に婚約とか何も言ってこなかったと思ってたらそっちだったの。
 お祖父様からの打診を無視できなくなって悪態ついてただけだったのか。

「それに君が希望している平民にすることはできない。だって平民だったら君は抵抗が出来ないまま、よくて神殿、最悪はどこかの貴族に監禁される」

「何も目立つ事をしなければ良いんでしょう?」

 渡り人って知られなきゃ良いなら大丈夫なはず。

「君に僕の周りにいる妖精が視えるように、他にも不思議なものを視てしまう人がいるんだよ。見つかってしまってからでは助けてあげられない」

 今までが運が良かっただけ?夜会も茶会もほとんど出ずにいたから助かってたの?

「君はまだ運が良かった方なんだよ。親が君の事を知っていたらおそらくはすぐに神殿に入れられてたからね」

 お祖父様が隠してくれて良かったのは理解してる。貴族だからいきなり結婚したりも仕方ないのもわかってる。だから平民になろうと思ったし。

 父が変態に売ろうとしてたなら、ルーシェンさまが結婚してくれるのは有り難い事なのはわかったけど!

 なんで先に説明してくれないの?

 我慢しなくちゃって思うのに目から温かいものが流れてしまう。

「僕はね、結婚したいとは思ってなかったし、しないだろうなって思ってたんだけど。君を見つけた時、何かあったかい気がしたんだよね。だからゆっくりで良いから気持ちが通じ合って行ければ良いと思うんだよ」

 先に言ってくれたらもう少し心穏やかに聞けたのに・・・!
 エイミーと付き合ってる変態さんとご同類に分別してやるんだから!!

「君に見えてるこの光はね、僕と相性が悪い相手には絶対見えないはずなんだよね?」

 ニッと笑うその顔が無性に憎らしい!
 他の人たちは全く光ってないし王族の人たちもそこまで光って無いから何か理由があるとは思うけど、相性が良いなんて思わないもん!!

「君は今まで通り好きに研究したり本を読んだり町に行けば良いよ。僕は君の絶対の味方で後ろ盾って事だけは分かっていてくれればね?」

 私の倍近いオジサンなくせに、首を傾げたって可愛くないから!

「えー、おほん!ご・・・ごほ、っん!!」

 後ろから控えめな?自己主張をされた。

 さっきチラリとみた王様(!)とお祖父様たちが居心地悪げにしている。

「兄上、空気読んでください」

 ルーシェンさまが機嫌悪げに王様に文句をつける。

「いや・・・弟が幼い気な少女を困らせているのはお兄ちゃんちょっと・・・?」

 困惑げな王様と少し申し訳なさげのお祖父様と伯父様。お祖父様たちは共犯みたいなものだしね。

 お兄さんは良い人そうなのにルーシェンさまはどうして意地が悪そうなのかしら?

「まぁ兄上には全部決まったらお知らせしますよ」

 忌々しそうに吐き捨てるルーシェンさまに王様は、

「いや?決める前に説明してほしいな!?」

と慌てて嗜める。

 ですよね!!?

 恐れ多いけど王様との方が話が通じそうって思ってしまった。


「はぁ。アル、とにかく明日説明に来なさい」

 王様はそう言ってからパーティに戻って行かれた。

 ルーシェンさまは不服そうだけど。



 
 
感想 2

あなたにおすすめの小説

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

ヒロインガン無視で幸せになる話

頭フェアリータイプ
ファンタジー
死ぬ運命の悪役ですらないヒーローの婚約者が無関心に幸せを掴む話

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…