女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

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一章

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 〈小鳥の止まり木〉に戻るとエンマさんが笑顔で迎えてくれた。
 ご飯かお湯って聞かれたので、今日はさきにご飯をお願いした。
 
 本日のメニューは、鳥ステーキ。ピリ辛に岩塩の味わい。
 昼も鳥にしちゃてたから若干しょんぼり。
 大麦パンみたいなのと野菜炒めを食べる。 
 不思議な歯応えのある豆みたいなのは水豆って言うらしい。グミみたいな食感で煮物に入ってるの謎だ。
 砂糖まぶしてオヤツにすれば良いのに。

「ごちそうさま」
 食事だけの客が増えてきた。
 ボルクさんとエンマさんが忙しそうなのでお湯は断った。
 裏の井戸は勝手に使って良い事になってるから、手や顔洗う分には水で良いよって言えば「ごめんね」って。

 全く水を使ってないとばっちい人になるから一応水を汲んで戻るのだ。

 〈新月の雷光〉が戻ってきたら、ちょっと打ち合わせ程度のことはした方が良いだろうから、〈ルーム〉に籠もれない。
 でもドットたちも飯と着替えはするだろうから、その時間分だけ〈ルーム〉でシャワーと一服とビールだ。

 昨日(今日か)寝てないから早めに寝たいな。

 シャワー浴びてラフな服を着て、冷蔵庫からワイン煮と缶ビールを出す。
 
 ソファにボスンと埋まって、シガリロに火を着ける。
「ふぅ~」
 ビール開けて、シガリロ片手に飲む。
 
 サル探しかぁ。勝手に来たからな。あの辺木しか無かったから、離れた場所から来たんだよな。
 MAPの範囲外から急にって感じだ。センサー感度を広げた方がいいのか?
 
 はぁ、シガリロをもう一本吸ってから、念の為に部屋に戻る。

 ベッドであぐらになって、スマートウオッチ風に作ったブレスレットの確認。
 サーチ範囲は指定式だった。
 通常は自分の周囲半径五百メートル、何か探したい時、確認したい時に一キロから十キロまで。十キロ先を常時設定いておいて通知がなりっぱなしとか確かに嫌だな。

 ポチポチいじってたら、周辺国地図が。シャルマかドリアスが追加してくれたのかも。
 あと魔獣事典みたいなのが入ってる。
 ポ○モンとか妖○とかのステータス見れるやつみたいでちょっと滾る。
 あれ?レアを探して歩くべき??
 でも仲間にならないやつだな。

 明日は一人じゃないから水袋とリュックだな。さすがに森で肩掛けカバンは刀の邪魔だし。
 収納持ちがバレてるなら物をたくさんいれて持つ意味ないから軽いのだけ入れとこ。

 昼は食べないか干し肉か?ギルドの店に乾パンみたいなの売ってたけど、日帰りだったら屋台で何か買って持ってくんだったか。
 
「おーい、いるか?」
 廊下からギシギシドタドタ音がしてノックされた。
 一応鍵してあるからいきなりは入ってこない。
「今開ける」
 扉を開けるとドレイクとシャートが立ってた。
「話は聞いたぞ。俺たちの部屋に来い」
 二人と俺とは反対側の端の部屋に。

「よぅ!お前あんな場所でエイプとロック鳥ってモッてんな。普通の新人なら大怪我か死んでるぞ」

 え?雑魚なんでしょ。
 ドットが笑って床に座れと言う。
 
 彼らは二人一部屋でふた部屋を借りっぱなしなんだとか。部屋もかなり生活感の感じだ。ガタイの良い男の部屋がカントリーで若干可愛いのがジワジワくる。
 でも隅に置かれてるツノとか武具がなんとも言えない。

「で、五頭以外気配なかったのか?」
「ない。処理して小川の側で休憩してたらロック鳥が急降下してきた」

 地図にはたくさん書き込みがしてある。彼らの足跡なんだろうな。確かに近場では大した獲物の情報が載ってないぞ。

「今までの記録で考えるとこっちの奥だな」
 東北東方面から来てたのか。
 ロック鳥は東南東。森が割と広がってるけどロック鳥は外部から来たっぽいこと言ってたな。

「ジェイルは大物を引き寄せやすいんじゃないかと予想したんだよね。けど東の森は強くてCランク魔物くらい」
 俺、ゴ○ブリ○イホイ疑惑。
「だからねぇ、今度南か隣町のダンジョンに一緒に行きたいんだよね」
 シャートがめっちゃ悪い笑顔で俺の肩を掴む。
 俺はソロで気ままに過ごしたいのでご遠慮したい。
「わざわざ、大物引き寄せたくないんだけど」
「お金持ちなのは分かってるけど、冒険者はたくさん稼いだ方が楽しいじゃない」
 そんなん言われても、タバコと酒を我慢してスマホとか使えないのキツい。

「ジェイル、お前まだ西側入ってねぇんだろ?とりあえず明後日は西に付き合え」
 むー。二日くらいなら我慢するか。
「わかった」

 明日朝五時にここで朝食を取って出かける事になった。

「ここで一緒に寝ていくかー?」
「やだよ」
 基本的に暑苦しいんだよな。コイツら。
 マッチョたちとゴロ寝って圧死しそう。

 コイツらもほぼ寝てないのに元気だなぁ。

「じゃ明日な」

 俺は自分の部屋に戻って内鍵掛けて。
 今日くらい部屋で寝るべきかと思いつつ、〈ルーム〉に。

 ウィスキーをオンザロックで一杯、紙タバコ一本吸って。
 ぐっすり寝たいので久しぶりに寝室入ってベッドにドーンと大の字。
 寝室もモノトーンで物をあんまり置いてない。デスクトップとオーディオとミニ冷蔵庫くらいか。
 昔流行った風水をほんのちょっぴり気にして観葉植物とか一瞬置いたけどすぐ枯らしたのでやめたぞ。

 スマホのアラーム設定して、メールがちょっと来てたけど眠気に負けて寝た。
 
 遠くの方で『なんぁんでぇ~』って聞こえた気がした。






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 〈新月の雷光〉
 ドット 
 ドレイク 
 クレイバー 
 シャート
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