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一章
調味料と酒
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狩組は飯確保と言うより、牧場主に安心を与える目的なので近場を回ってすぐ降りてきた。
それでも小型のイノシシ三頭とオオカミが捕まっているのでわりと危ない気もする。
「いやぁ、物足りないがその方が街道では安心だ」
「ベアくらいが欲しかったなぁ」
近場でベアとか出てきたら大問題なんだろう?
「良い匂いだな」
「腹減ったー」
全員集合したので早速食べることになった。
「・・・」
まずはテーブルに並べたピタパンのピザとスープを見てみんな固まった。
「肉以外があるだと!?」
カナンの宿や食堂ではまともな飯を食べてるはずなのにちょっと外に出ただけで、肉だけの食事に我慢するようになるのか。
獲物の解体とか出来るのに野菜の皮は剥けないとか意味がわからない。
「このスープ、香りがめっちゃ良いんだが土の味がしたり、腹を下したりしないか?」
「心配なら食べなきゃ良い」
ドレイク、野菜スープで土の味ってどう言うことだ。
「こっちのパン?パンにおかず乗せたのか?」
朝挟んで食べたのと変わらないと思うけど珍しいんだろうか?
「食べれればなんでも良いじゃん」
そうそう、ヴァロがつまみ食いしたがって大変だったんだから早く食べようぜ。
「よし、みんな食べるぞー」
「「「おー」」」
一口食べて、目を見開いてから一枚目のピザを一気に食べて、みんなヤンが酒を飲んだ時みたいにテーブルにガンッと頭をぶつけたぞ。
「ジェイルー・・・これを食っちまったら俺たちは今後野営で肉だけじゃやり過ごせねぇじゃねぇか!」
「ジェイルの嫁に俺はなる」
めんどくさい奴らだな。男の嫁は要らない。俺は仲間由紀恵ちゃんか松雪泰子さんが良い。深キョンもいいいなぁ。
「自分たちで飯作れないなら飯作れるの雇うか仲間に入れれば?」
「俺たちについて来れるレベルの飯が作れる冒険者なんかそうそういるか!!」
スープくらい作れるのはいるだろうよ。
ボルクさんも元冒険者だし。
「そんな出来たやつはAランクやSランクのクランに入ってるっての」
文句言いつつ、食べてるよ。器用だな。
「こんなソース、王都の食堂でも食べたことねぇよ?」
「うん、赤いのも緑のも見たことない」
ケチャップはまだしもバジルをすり潰すのもないと言うとハーブ系も使わないのか?
まさかの塩だけなんだろうか?
「両方簡単に出来るんだが」
「「「なんだってぇ!?」」」
ミキサーがないと手間ではあるが混ぜるだけだしな。ケチャップは煮詰めるけど。
「カナンでレシピを・・・」
「登録して下さい」
御者二人が怖いんだけど。
「カナンにはしばらく行けないぞ?」
だって王都まで行かされたら、戻るまでどれくらいよ。
「ボルクさんにレシピ送って頼んだらいいんじゃないか、と言うかそうしろ!」
自分たちの定宿で食べれるようになりたいらしい。
「ポルドスに着いたら教えるから勝手にやってよ」
カナンの商業ギルド、なんか怖かったし。
「ジェイル・・・おかわり!!」
いっぱい作ったのにどれだけ食うんだよ。
パン生地無くなりそうだからの、仕込みもついでにして、新たにピザ作ってたら、シャートとヴァロが調味料の陶器に指突っ込んで味見しやがった。
「おい!!」
「だって使う前の味が気になったんだよー」
「これ臭い!?」
ニンニクは臭いに決まってんだろ。
「これでも味見してろ!」
デスソースをスプーン一杯ずつ舐めさせてやった。
「ガァーーーーッアアアア」
「ヴォーエエエエエ!!毒!!毒!!」
「っおぅ?あれ?なんか美味しいかも?」
「ギャァアアア」
シャートは辛いのが平気なタチだったようでヴァロだけ、のたうちまくった。
「みんなで使うもんに指入れるからだ」
ドットとランガたちがドン引きしてるけど、悪い子にはお仕置きが必要だ。
「やらなくて良かった・・・」
やる気だったのかよ。ヤン。
まだみんな食べてるけど、俺はもう限界だ。外に出てタバコ吸うぞ。
牧場周りは森なので、景色は「自然だな」って感じだけど、夜の風と星空はいい物だ。
「ふー」
休憩毎に一本は吸ったものの吸いたい時に吸えないのは辛い。俺良く二十年近くも我慢したなぁ。
口の中にジワっと広がる味をゆっくり堪能出来るのが良いんだよ。慌ただしく吸うのは吸ったっていう気分にするだけで、やっぱ勿体無いし、味気ないよな。
ここでビールかコーヒー飲んで見つかるとめんどくさいだろうな。
〈ルーム〉でゆっくりしたい。
早ければ明後日の昼、遅ければ明々後日の朝くらいにはポルドスに着くらしい。
早く解放されたいけど、王都行きが無くなるってことは子供が犠牲になったってことで望ましくないんだよなぁ。
さすがに子供がどうにかなったって聞くのは目覚めが悪いし、可哀想だ。
一番良いのは早急に見つかって、王都までさっさと行って依頼から解放されるってことかな。
三日かそこらで辛いのに二ヶ月、この状況かぁ。夜間にタバコ吸いまくったろ。
みんな寝ついたら〈ルーム〉に行っても良いかなぁ?
誰か身を覚ました時に俺がいないって騒ぎになると困るよな。
コーヒーを飲めないならスキットルの酒飲めば良いじゃない。
残りの二本のうち一本を取り出す。
「・・・焼酎か」
残りはウィスキーだったかな。
今度詰め直さないとだな。
「ジェイルゥゥ~、まだ持ってたのかぁ」
あ、シガリロ咥えたランガに見つかっちゃった。
「ああーーー」
「ひどーい」
ランガの声を聞いたヤンとヴァロも出てきた。
自分の水分代わりの酒を飲んでるだけで何が酷いのか二十五文字以内で答えたまえ。
--------------------
〈新月の雷光〉
ドット
ドレイク
クレイバー
シャート
〈鋼鉄の拳〉
ランガ
ヤン
ヴァロ
それでも小型のイノシシ三頭とオオカミが捕まっているのでわりと危ない気もする。
「いやぁ、物足りないがその方が街道では安心だ」
「ベアくらいが欲しかったなぁ」
近場でベアとか出てきたら大問題なんだろう?
「良い匂いだな」
「腹減ったー」
全員集合したので早速食べることになった。
「・・・」
まずはテーブルに並べたピタパンのピザとスープを見てみんな固まった。
「肉以外があるだと!?」
カナンの宿や食堂ではまともな飯を食べてるはずなのにちょっと外に出ただけで、肉だけの食事に我慢するようになるのか。
獲物の解体とか出来るのに野菜の皮は剥けないとか意味がわからない。
「このスープ、香りがめっちゃ良いんだが土の味がしたり、腹を下したりしないか?」
「心配なら食べなきゃ良い」
ドレイク、野菜スープで土の味ってどう言うことだ。
「こっちのパン?パンにおかず乗せたのか?」
朝挟んで食べたのと変わらないと思うけど珍しいんだろうか?
「食べれればなんでも良いじゃん」
そうそう、ヴァロがつまみ食いしたがって大変だったんだから早く食べようぜ。
「よし、みんな食べるぞー」
「「「おー」」」
一口食べて、目を見開いてから一枚目のピザを一気に食べて、みんなヤンが酒を飲んだ時みたいにテーブルにガンッと頭をぶつけたぞ。
「ジェイルー・・・これを食っちまったら俺たちは今後野営で肉だけじゃやり過ごせねぇじゃねぇか!」
「ジェイルの嫁に俺はなる」
めんどくさい奴らだな。男の嫁は要らない。俺は仲間由紀恵ちゃんか松雪泰子さんが良い。深キョンもいいいなぁ。
「自分たちで飯作れないなら飯作れるの雇うか仲間に入れれば?」
「俺たちについて来れるレベルの飯が作れる冒険者なんかそうそういるか!!」
スープくらい作れるのはいるだろうよ。
ボルクさんも元冒険者だし。
「そんな出来たやつはAランクやSランクのクランに入ってるっての」
文句言いつつ、食べてるよ。器用だな。
「こんなソース、王都の食堂でも食べたことねぇよ?」
「うん、赤いのも緑のも見たことない」
ケチャップはまだしもバジルをすり潰すのもないと言うとハーブ系も使わないのか?
まさかの塩だけなんだろうか?
「両方簡単に出来るんだが」
「「「なんだってぇ!?」」」
ミキサーがないと手間ではあるが混ぜるだけだしな。ケチャップは煮詰めるけど。
「カナンでレシピを・・・」
「登録して下さい」
御者二人が怖いんだけど。
「カナンにはしばらく行けないぞ?」
だって王都まで行かされたら、戻るまでどれくらいよ。
「ボルクさんにレシピ送って頼んだらいいんじゃないか、と言うかそうしろ!」
自分たちの定宿で食べれるようになりたいらしい。
「ポルドスに着いたら教えるから勝手にやってよ」
カナンの商業ギルド、なんか怖かったし。
「ジェイル・・・おかわり!!」
いっぱい作ったのにどれだけ食うんだよ。
パン生地無くなりそうだからの、仕込みもついでにして、新たにピザ作ってたら、シャートとヴァロが調味料の陶器に指突っ込んで味見しやがった。
「おい!!」
「だって使う前の味が気になったんだよー」
「これ臭い!?」
ニンニクは臭いに決まってんだろ。
「これでも味見してろ!」
デスソースをスプーン一杯ずつ舐めさせてやった。
「ガァーーーーッアアアア」
「ヴォーエエエエエ!!毒!!毒!!」
「っおぅ?あれ?なんか美味しいかも?」
「ギャァアアア」
シャートは辛いのが平気なタチだったようでヴァロだけ、のたうちまくった。
「みんなで使うもんに指入れるからだ」
ドットとランガたちがドン引きしてるけど、悪い子にはお仕置きが必要だ。
「やらなくて良かった・・・」
やる気だったのかよ。ヤン。
まだみんな食べてるけど、俺はもう限界だ。外に出てタバコ吸うぞ。
牧場周りは森なので、景色は「自然だな」って感じだけど、夜の風と星空はいい物だ。
「ふー」
休憩毎に一本は吸ったものの吸いたい時に吸えないのは辛い。俺良く二十年近くも我慢したなぁ。
口の中にジワっと広がる味をゆっくり堪能出来るのが良いんだよ。慌ただしく吸うのは吸ったっていう気分にするだけで、やっぱ勿体無いし、味気ないよな。
ここでビールかコーヒー飲んで見つかるとめんどくさいだろうな。
〈ルーム〉でゆっくりしたい。
早ければ明後日の昼、遅ければ明々後日の朝くらいにはポルドスに着くらしい。
早く解放されたいけど、王都行きが無くなるってことは子供が犠牲になったってことで望ましくないんだよなぁ。
さすがに子供がどうにかなったって聞くのは目覚めが悪いし、可哀想だ。
一番良いのは早急に見つかって、王都までさっさと行って依頼から解放されるってことかな。
三日かそこらで辛いのに二ヶ月、この状況かぁ。夜間にタバコ吸いまくったろ。
みんな寝ついたら〈ルーム〉に行っても良いかなぁ?
誰か身を覚ました時に俺がいないって騒ぎになると困るよな。
コーヒーを飲めないならスキットルの酒飲めば良いじゃない。
残りの二本のうち一本を取り出す。
「・・・焼酎か」
残りはウィスキーだったかな。
今度詰め直さないとだな。
「ジェイルゥゥ~、まだ持ってたのかぁ」
あ、シガリロ咥えたランガに見つかっちゃった。
「ああーーー」
「ひどーい」
ランガの声を聞いたヤンとヴァロも出てきた。
自分の水分代わりの酒を飲んでるだけで何が酷いのか二十五文字以内で答えたまえ。
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〈新月の雷光〉
ドット
ドレイク
クレイバー
シャート
〈鋼鉄の拳〉
ランガ
ヤン
ヴァロ
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