女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

文字の大きさ
88 / 120
一章

海ダンジョン 11

しおりを挟む
 凸凹した岩場に藻やフジツボ、海藻の残骸まで、何となく荒れてる感じの場所だ。

 浜もあるので潮干狩りが出来そうな場所だけど、ここはダンジョンの中。
 飛び出るマテ貝やビチビチっと尻尾で叩いてくるムツゴロウもどきやナマコ、パカパカっと貝を開けて俺を捕食しようとするホタテまで出てくる。
 倒しても消えちゃう、全く美味しくない魚介類なので、逃げるが勝ちだ。
 あれだな。魔石でもポーションでも何が何でも金にしたいって言うガッツがないとつまらないんだ。ダンジョンって。

 レア、さらに上のウルトラレア狙いなので、札束ならぬチートを使ってハズレは拒否な状態。
 やっぱ食えるか食えないかはやる気が変わるんだ。

 遠目にリュウグウノツカイのような優美な姿の魚を見つけたんだけど、トドが凶暴になったようなヤツに食われてた。切ない。
 綺麗な方も魔物なんだろうけど。

 岩場がちょっと足に優しい平な岩場になってきたら、水風船みたいなのが大量に飛んできた。

 半透明のフグみたいな魚らしい。内臓なさげなのでスライムのようだけど、必殺・膨張でパンパンに膨らんで破裂する自滅系魔物。毒持ち。迷惑だな。

 水を被ると毒を貰っちゃうので考えた結果、酒を冷やすのに創造した〈急冷〉〈氷結〉魔法をドッキングさせて〈急氷結〉魔法を生み出した。命名がダサいのは気にしてはいけない。魔法は全てイメージなのさ。

 風船フグを一気に凍らせたら簡単に割れた。
 ドロップ品は、ローション??日焼けした肌に優しいらしい。
 少しだけ魔石と毒消しが落ちた。

 その次はシーサーペント(中)。
 コイツは肉と皮を落としてくれると嬉しいので張り切った。
 天河が張り切って?切ってくれたので簡単に輪切りになって消えた。
 肉一塊と糞がドロップ。
 糞て。鑑定によると錬金術素材で高価な品だったので回収した。

 再びゴツゴツした岩場に。
 ちょっと奥まった場所で大きなエビを発見。
 でも消えちゃうんだよなぁ。

 とりあえずハサミの攻撃とケツアタックに気をつけて、手足を切り分けると大きいハサミだけは残った。エビのハサミだけ、あるだけマシ?
 ドロップ品に外殻とオマール海老っぽいのが五匹っていうのが出た。

 よし、もっと出てこい!!!

 念入りにネチネチ歩いていたら、合計百匹分ゲットした。ハサミは二十弱。
 
 合間に羽のある魚に襲われたけれど、エビ優先だ。

 そこそこ満足したので、セーフゾーンに進んでから〈ルーム〉に入って、ゲットしたエビと収納から出したカニ脚を焼いて食べた。

 うんまーい。日本酒を出したよね。
 俺はエビもカニも生はあまり好きじゃない。
 ボイル・・・茹でたのが一番かなぁ。
 今は面倒なので焼いたけど、ダンジョンでたら色々作りたいね。時間があると良いな。

 さて、ボス部屋にチャレンジ。

 カニが出るかエビが出るか、どっちかなー?

「ゲェ・・・」

 水族館でさ、タカアシガニの展示って見たことある?脚なげーって見上げる感じ。

 扉開けたら、毛の生えた電信柱のような脚がズラーッと見えたわけよ。

「マジか」

 上を見上げたら、控えめボディの口からアワアワの涎が降ってきた。

 この中のどれがボスなのか?

 ぱっと見、三十匹くらいはいると思う。

 脚長すぎるのが集まってるからか動くと他の個体の脚に引っかかって、身動き取れない状態。

 アホなのか?

 カニ脚のアーチを遠慮なくぶった斬って頂いていたら、脚の狭間から、小さいサイズのカニが出てきた。

 どうやら脚は子分であっちがボスだ。

 ハサミから風魔法を放ってきた。
 子分のボディにもヒットした。
「脚が消えちゃうでしょうが!!」
 思わず天河をブンッと振っちゃうぞ。

 ボスをやっちゃったら子分ごと消えた。

「マジかー」

 デカいカニ脚二十匹分くらい確保したから良いかな。
 ドロップ品はレイピアだった。真珠も色合いバラバラで、楕円とか歪なのがたくさん入っていた。

 レイピアでカニ身をほぐせと言うのか?
 
 うーん。もう一回ボス行っとくか考えた結果、やめた。

 結構な量ゲットしたので、消費したらまた転移で来ればいいしな。

 エビに時間を取ったので、今日はもうやめておこうとセーフゾーンに出てから〈ルーム〉に入った。
 
 磯の匂いは〈洗浄〉で消したけど、ゆっくり風呂に浸かることにした。
 湯を出して、タイマー入れてから、キッチンでちょっと準備。

 鍋用の準備と米を炊飯器にセット。早炊きだ。
 棚からカセットコンロと、無限収納から魔道コンロを出した。

 鍋を食べながらたこ焼き作ろうかと。

 材料を準備してから風呂に入った。

 湯船はわりと広めだ。ジャグジーも付いてる。
 結婚を諦めていたから、マンション買った時は、家の中を充実させる方向だったのだ。
 
 ダンジョン内は俺の匂いんぞ気にする奴はいないので、香料気にせずシャンプーも使う。
 あ、魔法は解いて、髪はサラサラ状態だ。
 また〈メイクアップ〉で戻すけど。

 髪色とか、髪型に使う魔法の呪文が恥ずかしいのでどうにかしてほしい。

 ちょび髭のカットもして、眉も整えた。
 髭伸びるってことは髪も伸びるので、床屋はやっぱり探さないとだ。
 貴族はメイドさんとかがやってくれるのか?庶民はママカットだろうか?まさかの自分か。

 最悪〈メイクアップ〉で誤魔化せるけど、それなりにはしておきたい。

 
 さて、一人鍋を始めるぞー。







しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...