14 / 15
13
しおりを挟む
気がついたら銀時と湯に浸かっていた。
あの後、肩を貸してもらって引きずる様に歩いて銀時の自宅まで連れて来られたらしい。
身体が冷えてて俺が気を失っていたからとはいえ、背中から抱えられてほぼ密着で風呂に入ってるのはちょっと嫌だ・・・。
長屋には無い個人の家の風呂だ。
たまに借りてるし、小さくても銭湯よりよっぽど良いんだが・・・。
「お前・・・ここまで世話焼かんくても良いだろ」
逞しい身体になんか八つ当たり気味な怒りが。俺は頑張ってもこの程度の筋肉なんだよなぁ。
「・・・落ち着いたか」
耳元で低い声が聞こえる。
「んーそうだな。落ち着いた」
銀時の肩に頭を預けてもたれる。
昔からこいつは俺に優しい。甘やかすだけ甘やかして。でも離れ離れになって。
再会したらお前は俺の親父かよ?ってくらい世話焼いて。
いつまで経っても昔のまま、俺はチビで守る対象なんだなぁ。
「お前はもうこの町で俺たちと気楽にいれば良いんだ」
濡れ鼠で風呂に入ったからか髪を湯船に広げられてて、手で掬ったお湯をつむじあたりから掛けられたりして。子供か。
「長屋じゃなくてここに住めば良いのに」
「何でだよ。囲いもんにでもしてぇのか?」
まぁ長屋も銀時が仕切ってるから同じかもしれんけど。
一緒に育った連中と同じで血は繋がってなくても兄弟で家族で仲間だ。でもコイツは俺に一番甘かったんだよな。
「そーいや、蘇芳のとこ戻らなくて良いのか?」
「こっちの方が近かった。蘇芳には連絡してあるし、明日戻れば良い」
まだ長屋には帰れないらしい。
代官のことは時期に・・・って言い切れるんだから、お上か闇かどこかが動き出したって確信があるんだろう。
俺がヤってやりたかった。
だが勝手に暴走したら銀時も俺も町を出るしか無いだろう。俺だけなら知ったことかと言えるけど、銀時にはこの町で足場を固めて新しい仲間がいる。
銀時まで巻き添えにしようもんなら、八曜姐が里からやって来て地獄まで追いかけてくるだろう。
後手で銀時の頭を掴んで水面につけてやる。銀時の腕が腹に回って絞められた。
「ぐっぅふ」
いつまで経ってもガキのままこうやって絡んで甘えて笑い合えて最高だ。
「蘇芳んとこの風呂で入ろーぜ。あっちはここの倍だし、2人で入ってもくつろげるぞ」
ここのも良い風呂だけどな。
「そーいや、トリはまだ帰れない?」
「代官が交代するまではな」
可愛いが足りない。早く帰って来て欲しい。
はぁ、早くいつもの騒がしい長屋に戻りてぇな。
「若ー!!飯置いてるんでお早めにどうぞー!!」
居間の方から若いのの声がする。
手下や何かは隣の屋敷に住まわして、自分用に離れの様な家を建てて過ごしてるから、銀時は普段向こうで飯食ってる。
俺や蘇芳がいる時だけこうしてこっちで取るから持って来てくれるからゆっくり食える。
髪がすぐには乾かねぇからギュッと絞って簡単に結い上げようとしたら、銀時が手拭いを何枚か重ねてザッと水分を取って髪を軽く巻きあげてくれた。
銀時も長髪だから同じ様にしてやる。身長差があるから、少し屈んできたのが悔しい。
寝巻きを着て、食卓についた。
____________
長屋や庶民のうちにはお風呂がないけど、小間使いみたいな薪焚き役が雇えるようなお金持ちならお風呂があるお家に住めるって感じです。
銀時は子分や手下がいるので屋敷には銭湯よりは小さめのお風呂、離れには一人でゆったりするお風呂。
蘇芳の自宅はお金持ちなので3人くらいは余裕なお風呂があります。
あの後、肩を貸してもらって引きずる様に歩いて銀時の自宅まで連れて来られたらしい。
身体が冷えてて俺が気を失っていたからとはいえ、背中から抱えられてほぼ密着で風呂に入ってるのはちょっと嫌だ・・・。
長屋には無い個人の家の風呂だ。
たまに借りてるし、小さくても銭湯よりよっぽど良いんだが・・・。
「お前・・・ここまで世話焼かんくても良いだろ」
逞しい身体になんか八つ当たり気味な怒りが。俺は頑張ってもこの程度の筋肉なんだよなぁ。
「・・・落ち着いたか」
耳元で低い声が聞こえる。
「んーそうだな。落ち着いた」
銀時の肩に頭を預けてもたれる。
昔からこいつは俺に優しい。甘やかすだけ甘やかして。でも離れ離れになって。
再会したらお前は俺の親父かよ?ってくらい世話焼いて。
いつまで経っても昔のまま、俺はチビで守る対象なんだなぁ。
「お前はもうこの町で俺たちと気楽にいれば良いんだ」
濡れ鼠で風呂に入ったからか髪を湯船に広げられてて、手で掬ったお湯をつむじあたりから掛けられたりして。子供か。
「長屋じゃなくてここに住めば良いのに」
「何でだよ。囲いもんにでもしてぇのか?」
まぁ長屋も銀時が仕切ってるから同じかもしれんけど。
一緒に育った連中と同じで血は繋がってなくても兄弟で家族で仲間だ。でもコイツは俺に一番甘かったんだよな。
「そーいや、蘇芳のとこ戻らなくて良いのか?」
「こっちの方が近かった。蘇芳には連絡してあるし、明日戻れば良い」
まだ長屋には帰れないらしい。
代官のことは時期に・・・って言い切れるんだから、お上か闇かどこかが動き出したって確信があるんだろう。
俺がヤってやりたかった。
だが勝手に暴走したら銀時も俺も町を出るしか無いだろう。俺だけなら知ったことかと言えるけど、銀時にはこの町で足場を固めて新しい仲間がいる。
銀時まで巻き添えにしようもんなら、八曜姐が里からやって来て地獄まで追いかけてくるだろう。
後手で銀時の頭を掴んで水面につけてやる。銀時の腕が腹に回って絞められた。
「ぐっぅふ」
いつまで経ってもガキのままこうやって絡んで甘えて笑い合えて最高だ。
「蘇芳んとこの風呂で入ろーぜ。あっちはここの倍だし、2人で入ってもくつろげるぞ」
ここのも良い風呂だけどな。
「そーいや、トリはまだ帰れない?」
「代官が交代するまではな」
可愛いが足りない。早く帰って来て欲しい。
はぁ、早くいつもの騒がしい長屋に戻りてぇな。
「若ー!!飯置いてるんでお早めにどうぞー!!」
居間の方から若いのの声がする。
手下や何かは隣の屋敷に住まわして、自分用に離れの様な家を建てて過ごしてるから、銀時は普段向こうで飯食ってる。
俺や蘇芳がいる時だけこうしてこっちで取るから持って来てくれるからゆっくり食える。
髪がすぐには乾かねぇからギュッと絞って簡単に結い上げようとしたら、銀時が手拭いを何枚か重ねてザッと水分を取って髪を軽く巻きあげてくれた。
銀時も長髪だから同じ様にしてやる。身長差があるから、少し屈んできたのが悔しい。
寝巻きを着て、食卓についた。
____________
長屋や庶民のうちにはお風呂がないけど、小間使いみたいな薪焚き役が雇えるようなお金持ちならお風呂があるお家に住めるって感じです。
銀時は子分や手下がいるので屋敷には銭湯よりは小さめのお風呂、離れには一人でゆったりするお風呂。
蘇芳の自宅はお金持ちなので3人くらいは余裕なお風呂があります。
0
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる