長屋で暮らす俺の周りは面倒な奴らばかり(仮)

紫楼

文字の大きさ
1 / 15

しおりを挟む
 俺は竜、そう名乗ってるけどホントの名前はない。
 ガキの頃から「おい」「それ」「お前」って呼ばれるからそう言うもんだと受け入れたて。
 幼い頃から里のみんなと体術や剣術、毒慣らし。流れ者でも食っていけるだけの手に職をと色々な技術を仕込まれた。
 それこそ、男女どちらも色仕掛けできるようにと房事も。
 それが普通だと思っていたし、周りもそうだった。

 親はいない。いても共に暮らすことは無く、育ての親が師匠としてそれぞれ何組かに分かれて暮らすのが里の在り方。

 自分が闇の世界に居るなどと考えたこともなく役割をこなし、師匠に褒めてもらうのが幸せだと思い込んで生きていた。

 10の頃から本格的に仕事をして何度も死にかけた。依頼が入れば遠くにも行き、危なげなく熟せるようになった頃に師匠が、
「お前は腕はいいが容姿が目立ちすぎる。世に出て一般に馴染む訓練をしなさい」
と、里から出した。
 
 そのころの仕事が師匠のテストで一応《篝》と言う仕事名を貰った。あくまで仕事をする上でのコードネームだが、悪くないきもちだった。

 それからもあちらこちらと旅をしながら、細工などの技術を学び歩いた。
 行く先々で、兄弟子、その嫁や娘などに迫られ、襲われ。反撃するわけにもいかずに躱わしたり、受け入れてやり過ごしたり。
 時には怒った弟子入り先の師匠に叱られ殴られて、転々と場を移して過ごした。

 その間もたまに仕事を任されたりで帰ったりもしていたが15の時、里に打撃が入るほどの事件に当たり、同じ師匠に付いていた仲間が数人死んだ。
 
 俺も死にかけて、師匠も引退をすることになり、足を洗う事を許された。
 俺たちは師匠の持ち物だから師匠が手放すなら自由になれるらしい。

 仲間はほとんど里に残ることを希望した。今更他の生き方は出来ないと言って。

 正直どっちでも良かった。何処にいても何処に行っても心が安らがないし、もう褒めてくれる師匠も辞めてしまった。

 またあちらこちらと旅して、細工師としての修行をしようと門を叩いては、女将さんや姐さんに言い寄られ、追い出される。
 そんなことが続いて、ふらふらと根無草の様に移動して、この街に着いた時、銀時と再会した。


 銀時はまだ子供だった頃、銀時の師匠たちと共に里の外に住んで都会の仕事を中心に動き、16の頃に腕と人格を見込まれ養子に出る事で里を抜けたらしい。

 師匠が許可すればわりと簡単に里を出れたみたいだ。

 再会した時、荒んでボロボロだった俺を見て辛そうな顔をしながら、銀時の家に連れて行かれて。
 多少気力が戻った時に、出て行こうとしたらかなり引き留められて。せめてこの町で暮らせと銀時の管理する長屋に押し込まれた。

 それから7年、町に馴染み、知り合いも増えて、細々と細工師として暮らしている。

 金はそこそこ稼いでるが長屋暮らしが気楽で良いと引越しを勧められても長屋に居座っている。

 銀時のこの町での幼馴染の蘇芳やお蝶さんとはそれなりに気の置けない付き合いだ。

 毎日適当に暮らしているわけだが、また銀時が拾って来た浪人の様な男が隣に住むことになってちょっとうるさくなった。

 人を拾っては仕事を紹介して、長屋に住まわせる。それは別に良いんだが隣に来た助左って奴は一軒家にぶち込んだ方が良かったんじゃねぇかな!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日

プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。 春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

処理中です...