ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

118話 タコはやばいらしい ★

 窓からチカチカとした光が入ってくる。
 海の反射かしら。
「リーシャ、起こしてしまったか?」
 ジュリアスさまがすでに起きていて私の頭を膝に置いて海を眺めているよ。

「んん~、大丈夫です。おはようございます」
「おはよう」
 どうやらジュリアスさまはカーテンを開けて朝焼けを堪能してたみたい。
 すでに日は登っていて晴天を映した海は見事なエメラルドグリーンです。
「綺麗ですね」
「ああ」
 もうすぐ漁師さんが漁から戻って来て屋台にお魚が並ぶそうで、ニーナに手伝ってもらって準備して部屋を出た。

「おう、おはよう。じゃぁ出るか」
 ヴィアナさまは朝は起きないと決めているそうでアルジェさまの案内で海辺の朝市?に向かいます。
 クラウスさまとルルゥとチェイスさんは普通についてくる気満々。
 ニーナとサラ、メルはお留守番で、騎士さんたちは護衛なのでご一緒に行きますよ。

 アルジェさまの馬車にジュリアスさまと乗って。他の人たちの騎馬です。
「そういえば、お前の馬車、何か凄そうだったな」
 おっきさのこと?
「車軸とかゴツくないか?」
 あ、速度に対応した部分のことかな。
「ああ、馬たちが早駆けし過ぎて車体が安定しなくてな」
「馬が!?すごいな⁉」
 魔道具のことはあまり広めないんだっけ。
 まぁレイドラアース国内でも広めてないから仕方ないか。
 アルジェさまの馬車は紺色を基調に銀で飾り付けされていてかっこいい。
 うちの馬車はゴツい魔馬が引くのに造りがメルヘン☆

「ああ、着いたな」
 海辺から少し離れたところに簡易な作りの屋台のような建物が数件並んでいる。
 お買い物中の人たちが結構いる。
「うちには直接持って来てもらっているが住民たちや食堂の者がよく買い付けに来ている。昼前には店仕舞いだからな」

 アルジェさまは人気者のようで、すれ違うたびに笑顔で挨拶されてる。私たちも貴族なのが丸わかりだからか深々と頭を下げている。
 私たち、お買い物の邪魔になっちゃうなぁ。
 ついでにジュリアスさまに抱っこされてる私を「優しいパパね」みたいな温かい目で見られてて恥ずかしいよ・・・

「俺たちも魚を買いに来ただけだから気楽に過ごしてくれ」
 お店の人たちが「寄っていってください」って声をかけてくれる。
「気になるものが見つかったら言ってくれ。どの店でも良いぞ」
 軽く【鑑定】しながら見てるんだけど、タコとエビっぽいものがない。

「リーシャちゃん、あのパケー夕はどう?」
 ルルゥが鮭っぽいものを指指す。
 使い勝手が良さそうなので買ってもらおう。
「うん、あれも良いね」
 50cmから1mくらいのお魚を数種類、貝類も買ってもらった。
 貝もとてもデカい。
 ちっこいのを採ったらダメなのか生まれてすぐデカいのか?
「タコいない・・・」
「嬢ちゃん!そりゃむちゃだよ!タコなんて普通の漁師には無理だって!」
 ええ!やっぱり魔獣なの?
「リーシャ、タコは島に行ってからな」
 あれ?やっぱ自分たちで狩るのね?

「島に行くのかい?そりゃありがたいね。アイツら減らしてもらったら漁がしやすくなる」
「お、そんなにいるのか?」
「確認できてるのは三匹だ、だがあの辺りは特にでっけぇのが出るからな」
 私たちが借りる島、物騒!そこに船で行けるの⁉

「やったな!リーシャさま!いっぱい食えるぞ」
 うっさい!全然やってない!チェイスさんもヤベェ人だった!!
「いやぁ、これは楽しみです」
「陸と違って海の上でどうやろうか?」
 海で何をする気か⁉サーキスさまとアモンさんも何かおかしいよ。

「ハハハ!頼もしいな。そろそろ俺が出ようと思っていたがジュリアスのおかげで楽をさせてもらおう」
 アルジェさま、別荘貸してくれる前に一掃しようよ?
 いや?でもデカくてもタコなら良いのか?

「嬢ちゃん、船がもう一艘戻ってくるから船着場に行ってみな!タコみたいな大物はいねぜが、売れないから海に還すモンの中に気にいるのがあるかもしれねぇ」
「おお、それは良いな、ダン!早速見に行ってくる」
「へぇ。領主さま。また釣りに来てくださいよ~」
「わかった!」

 ダンさんの情報で早速船着場に向かった。
 ちょうど船から魚を降ろしているところに間に合った。
「よぉ。エイガー、ちょっと成果を見せてくれ」
 アルジェさまが声を掛けると作業をしていたおじさんが手を止めてこちらに来た。
「領主さま!」
「うちの客人が変わったモノが好きでな!何か無いか?」
「変わったモノ?さて・・・」

 おじさんは網を手繰って探してくれる。
 色とりどりの1m前後の魚の中に甲殻類っぽいのがいた。
「今日はハズレはいないっすわ。変わってるっていうならこれとこれくらいですかね」
 そう言って出してくれたのは半透明な水色のタコ。
 タコいるじゃん!!
「ペオウンは死ぬと水になるから食えないんですわ」
 何ですって⁉何てこった!!
 次に出されたのが極彩色のフナムシ⁉50cmくらい!!
「これは海の掃除屋だから逃すんですわ」
 ・・・イェンゲ(フナムシ)はシャコの味らしいけど掃除屋なら食べちゃダメだね。
「あー、コイツは島でたまに大発生するからちょっと嫌なんだよ」 
 アルジェさまが渋い顔でため息をつく。 

 んー?ダイオウグソクムシとか五色エビって思えば食べれなくもない?
「・・・これ蒸しても焼いても茹でても美味しいですよ?」

「「「「は!!!??!!」」」」
 いや、この世界ってクモ食べるくせになぜグレーデンの君たちも「信じられない」って顔してるんですかね?

「昨日のヅモヴィ(ヤシガニ)より脂の乗ったクリーミィな味(らしい)です」
 【鑑定】が
「ふぁっ!?」
 エイガーさんがかなりショックを受けたよう。私はタコが溶けちゃうのがショックだよ。
「・・・ヅモヴィは俺の好物なんだがヅモヴィよりうまいと⁉」
「いや、好みによるかと・・・」
 ひぃ!おじさん、イェンゲを握り潰しそうな勢いでプルプルしてる。
「俺はいつもヅモヴィよりうまいものを手放していたのか・・・」
 そんなに絶望しなくても。
「エイガー、明日はイェンゲをたくさん漁って来てくれ。味見会をしようではないか」
「領主だばっ!!」
 おじさん、泣き始めちゃった。でも掃除屋を食べ尽くしちゃダメじゃん?

 エイガーさんからも正規品のお魚と貝を売ってもらってお屋敷に戻った。
「島にもイェンゲはいるから試してくると良い」
 私は別に・・・エビかカニの方が好きなんだけどな。

 お昼ご飯を頂いてから、島に向かうことになった。
 再び船着場に行くと貴族仕様の豪華なキャラベル?で島まで送迎してくれるらしい。
「はぁー、船って久しぶりだよ」
 クラウスさまは乗った事があるんだ。
「この船には魔物避けがしてあるから心配ないぞ」
「はぁ・・・」
 ジュリアスさまが教えてくれる。海の魔物って。やっぱクラーケンとかそういうやばいやついるんだ⁉

 なぜか騎士さんたち含めみんなウキウキしてるんだよ。
 筋肉を鍛えるのに余念がないだけかと思っていたけど、ただの戦闘狂っぽい。

 到着した島は結構大きい。
 船を付けたところは砂地で。ちょっと見ただけでも貝とカニが見つけられる。
 普通に小さいのいた~。

 
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