230 / 786
三章
223話
しおりを挟む
食後にお部屋に戻って窓を開けた。
桜っぽい木はどうやら開花まで数日ってことらしい。そりゃきっちり開花直前とは行かないかも?
蕾が膨らんでるのを窓から眺めて悦に入る。
「もう一つを植えに行くか?」
夜の池デート再び!
「二人きりで行こう」
そう言って私を抱き上げると窓から飛び降りて。
普通に部屋から出るとアランやセバスチャンがすぐ見つけちゃうもんね。でも護衛はいいのかなぁ?ジュリアスさまは強いから良いのかも?
窓から飛ぶなんてもちろん始めてなのでびっくりしたけど、音も無く静かに着地して軽やかに走った。
侍従さんや護衛さんにバレたら大変だから声出さないようにジュリアスさまの首に掴まって。
庭を突き抜けて門塀を飛び越して外にでた。
「誰にも見つからなかったですねぇ」
ホッとしたもののこれでいいのか?とも思う。
「裏側はあまり侵入の不安がないから人を最低限しか置いてない。魔獣対策は結界でしてるしな」
まぁ空き地となぜか突然の池(巨大)、奥には危険度MAXな魔の森だしね。
「少し歩くか?」
ジュリアスさまが降ろしてくれて手を繋いでの夜のお散歩だ。
私の歩調に合わせてゆっくりと歩く。
一応池までの道を整えてあるので石に蹴躓くとかのイベントもない。
灯は月と星の光って言うロマンティックさ。左右見渡すと荒れがちな原っぱだけどね。流石に昼ほど見渡せないから気にならないよ。
「こうしたゆっくりとした時間は若い頃は持とうとも思わなかったな」
私が転けないようふらつかないように気を使って背をかがめがちに歩いてるジュリアスさまの表情は影になっててあまりよく見えないけど声がひどく優しい。
「若い頃って今も若いですよ?」
「リーシャから見たらオジサンだろう?」
うーん?中身22歳、日本人、マッチョ好きな私にとってはドストライクなんだけどな。彫りの深いワイルドイケメン、ガチマッチョは高嶺の花ですよ!
「私の好みは包容力があって身体が逞しくて、私にだけ優しくてたまに可愛いジュリアスさまなのでオジサンとか思わないです」
なんかはっきり言わないと勘違いして落ち込まれる気がしたので恥ずかしながら告白みたいなセリフになっちゃった。
もしかしたらずっと歳の差気にしてるのかな?
十歳前後なんて普通だよねぇ。タメとかより年上が好きだし。
「可愛い・・・?」
不思議そうに首を傾げてる。
「そこは私だけ知ってれば良いので気にしなくて良いです」
直されちゃったりしたら嫌だもん。
「俺も可愛くて面白くて一生懸命でたまに不思議なほど大人びているリーシャが好みだ」
恥じらいを混ぜた声音が耳元で吐息を洩らす。
ジュリアスさまの本音はあまり聞く機会がないので嬉しい。握られた手が少し熱い。
ちょっと照れくさい空気が漂う中、池に到着。
今日も星空が水面に映って綺麗。
ボートを停めてるところから少し離れたところに桜っぽい木の種を植える。
ポムがいないからすぐに成長させれないけど今度お願いしよう。
「この星空と水面と花が咲いてる景色、きっと最高ですよ!」
「そうか、楽しみだな」
アズライトの寝床で見た精霊の光もすごかったけど、夜空に桜(もどき)の花びらが舞う様はきっと素敵。
「そうですか。それは私もとても楽しみです」
「?」
二人きりしかいないはずなのに全く違う声が後ろからする。
振り返ってみたらセバスチャンが立ってた。サーキスさまが際立ってて気が付かなかったけど、セバスチャンもジュリアスさまをお仕事に引っ張っていける人なんだった。
めっちゃ笑顔で冷気を漂わせてるよ。
「たまには散歩に出るくらい良いだろう」
ジュリアスさまはちょっと不機嫌になっちゃった。
「あなた一人なら別に気にしませんが若奥様を連れて報告無しで、しかも護衛無しでお出かけされるのはいけません」
ジュリアスさまだけなら良いんだ。
「俺がいて護衛は付かなくても問題はないだろう」
基本的にお義父さまもセリウスさまもクラウスさまも護衛はいないよね。身軽に行動してる気がする。
「報告を入れてくだされば問題はないですね」
普段は静かに控えてるセバスチャンがめっちゃ怒ってる。
「報告なんか入れたら誰か着いてくるだろう」
多分二人きりは無理だね。
「・・・女っ気無しだった貴方からそんな言葉が聞ける日が来るとは」
何気に失礼をぶっ込んできたー!
「もう戻る。お前は先に歩け」
「・・・良いですけど、大奥様が待ってらっしゃいますからね」
おおう。いきなりいなくて探されちゃったんだね。もう寝るだけだからバレないと思ってたよう。
ゆっくり歩いてる場合じゃないので再び抱っこで戻ることになった。
せっかくのラブな時間をばっさり終わらされちゃった。
でもすごく良い時間だった。
常にニーナやアラン、ジェイク、もしくはルルゥやサーキスさまが付いてるから、部屋以外で二人きりって中々無いもん。
セバスチャンが言うことはもっともなんだけど、今日って言う日は一生大事な思い出になると思う。
屋敷に戻れば、お義母さまがお茶を飲みつつ待ってた。
「デートは別に良いと思うのよ。二人きりでいたいのも良いことよ。でも報告はしなくちゃダメよぅ」
ニコニコしながらケーキを食べるお義母さまに注意を受ける。
食後の食後・・・。
「今後は報告だけはしなさい。行き先も知らずにいなくなられたら心配するのだから」
門限破って怒られたような気持ち。
「申し訳なかった」
「ごめんなさい」
心配かけちゃったのは悪いから、反省はします。
部屋に戻って一緒にお風呂に入ったら、
「悪かったな」
って謝られちゃった。
「止めなかったので共犯です」
誘ってもらって連れて行ってもらって嬉しかったから。
「二人きりの思い出です」
次から行く時は誰かついてるだろうしね。
桜っぽい木はどうやら開花まで数日ってことらしい。そりゃきっちり開花直前とは行かないかも?
蕾が膨らんでるのを窓から眺めて悦に入る。
「もう一つを植えに行くか?」
夜の池デート再び!
「二人きりで行こう」
そう言って私を抱き上げると窓から飛び降りて。
普通に部屋から出るとアランやセバスチャンがすぐ見つけちゃうもんね。でも護衛はいいのかなぁ?ジュリアスさまは強いから良いのかも?
窓から飛ぶなんてもちろん始めてなのでびっくりしたけど、音も無く静かに着地して軽やかに走った。
侍従さんや護衛さんにバレたら大変だから声出さないようにジュリアスさまの首に掴まって。
庭を突き抜けて門塀を飛び越して外にでた。
「誰にも見つからなかったですねぇ」
ホッとしたもののこれでいいのか?とも思う。
「裏側はあまり侵入の不安がないから人を最低限しか置いてない。魔獣対策は結界でしてるしな」
まぁ空き地となぜか突然の池(巨大)、奥には危険度MAXな魔の森だしね。
「少し歩くか?」
ジュリアスさまが降ろしてくれて手を繋いでの夜のお散歩だ。
私の歩調に合わせてゆっくりと歩く。
一応池までの道を整えてあるので石に蹴躓くとかのイベントもない。
灯は月と星の光って言うロマンティックさ。左右見渡すと荒れがちな原っぱだけどね。流石に昼ほど見渡せないから気にならないよ。
「こうしたゆっくりとした時間は若い頃は持とうとも思わなかったな」
私が転けないようふらつかないように気を使って背をかがめがちに歩いてるジュリアスさまの表情は影になっててあまりよく見えないけど声がひどく優しい。
「若い頃って今も若いですよ?」
「リーシャから見たらオジサンだろう?」
うーん?中身22歳、日本人、マッチョ好きな私にとってはドストライクなんだけどな。彫りの深いワイルドイケメン、ガチマッチョは高嶺の花ですよ!
「私の好みは包容力があって身体が逞しくて、私にだけ優しくてたまに可愛いジュリアスさまなのでオジサンとか思わないです」
なんかはっきり言わないと勘違いして落ち込まれる気がしたので恥ずかしながら告白みたいなセリフになっちゃった。
もしかしたらずっと歳の差気にしてるのかな?
十歳前後なんて普通だよねぇ。タメとかより年上が好きだし。
「可愛い・・・?」
不思議そうに首を傾げてる。
「そこは私だけ知ってれば良いので気にしなくて良いです」
直されちゃったりしたら嫌だもん。
「俺も可愛くて面白くて一生懸命でたまに不思議なほど大人びているリーシャが好みだ」
恥じらいを混ぜた声音が耳元で吐息を洩らす。
ジュリアスさまの本音はあまり聞く機会がないので嬉しい。握られた手が少し熱い。
ちょっと照れくさい空気が漂う中、池に到着。
今日も星空が水面に映って綺麗。
ボートを停めてるところから少し離れたところに桜っぽい木の種を植える。
ポムがいないからすぐに成長させれないけど今度お願いしよう。
「この星空と水面と花が咲いてる景色、きっと最高ですよ!」
「そうか、楽しみだな」
アズライトの寝床で見た精霊の光もすごかったけど、夜空に桜(もどき)の花びらが舞う様はきっと素敵。
「そうですか。それは私もとても楽しみです」
「?」
二人きりしかいないはずなのに全く違う声が後ろからする。
振り返ってみたらセバスチャンが立ってた。サーキスさまが際立ってて気が付かなかったけど、セバスチャンもジュリアスさまをお仕事に引っ張っていける人なんだった。
めっちゃ笑顔で冷気を漂わせてるよ。
「たまには散歩に出るくらい良いだろう」
ジュリアスさまはちょっと不機嫌になっちゃった。
「あなた一人なら別に気にしませんが若奥様を連れて報告無しで、しかも護衛無しでお出かけされるのはいけません」
ジュリアスさまだけなら良いんだ。
「俺がいて護衛は付かなくても問題はないだろう」
基本的にお義父さまもセリウスさまもクラウスさまも護衛はいないよね。身軽に行動してる気がする。
「報告を入れてくだされば問題はないですね」
普段は静かに控えてるセバスチャンがめっちゃ怒ってる。
「報告なんか入れたら誰か着いてくるだろう」
多分二人きりは無理だね。
「・・・女っ気無しだった貴方からそんな言葉が聞ける日が来るとは」
何気に失礼をぶっ込んできたー!
「もう戻る。お前は先に歩け」
「・・・良いですけど、大奥様が待ってらっしゃいますからね」
おおう。いきなりいなくて探されちゃったんだね。もう寝るだけだからバレないと思ってたよう。
ゆっくり歩いてる場合じゃないので再び抱っこで戻ることになった。
せっかくのラブな時間をばっさり終わらされちゃった。
でもすごく良い時間だった。
常にニーナやアラン、ジェイク、もしくはルルゥやサーキスさまが付いてるから、部屋以外で二人きりって中々無いもん。
セバスチャンが言うことはもっともなんだけど、今日って言う日は一生大事な思い出になると思う。
屋敷に戻れば、お義母さまがお茶を飲みつつ待ってた。
「デートは別に良いと思うのよ。二人きりでいたいのも良いことよ。でも報告はしなくちゃダメよぅ」
ニコニコしながらケーキを食べるお義母さまに注意を受ける。
食後の食後・・・。
「今後は報告だけはしなさい。行き先も知らずにいなくなられたら心配するのだから」
門限破って怒られたような気持ち。
「申し訳なかった」
「ごめんなさい」
心配かけちゃったのは悪いから、反省はします。
部屋に戻って一緒にお風呂に入ったら、
「悪かったな」
って謝られちゃった。
「止めなかったので共犯です」
誘ってもらって連れて行ってもらって嬉しかったから。
「二人きりの思い出です」
次から行く時は誰かついてるだろうしね。
590
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる