ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
275 / 786
三章

266話

しおりを挟む
 王様は、要するに私とジュリアスさまにまだ残って欲しいって。
 いや、もう帰りたい。
 ポムとティムの変なダンス見ながら食べ物のこととか考えたい。


 社交って言っても宣伝するとかより、どうにか私の持つ権利のおこぼれを掠め取りたい欲が見えすぎて相手するに疲れちゃったし。
 良い方達はお義母さまが仲良くしている方達で新たなお付き合いって言うのは今の私には開拓できそうに無い。撃沈だよ。

 ジュリアスさまだって長く領地離れてられないじゃん。しかも今回三兄弟みんな来てるからお義父さまだけだし。
 まぁお義父さま規格外に強いから大丈夫だろうけど。

 こうしてる間に面会希望のお手紙?が数回届けられた。
 辺境までは行きたいくないからって王都にいる間にコンタクト取ろうとすることは良くあるらしい。
 大体すぐ領地に戻るから会えないんだって。

 セリウスさまとクラウスさまにはお見合いの申し込み?なんて言うか未婚(出戻り?)の令嬢って多いの?
 男性が少ないの!?

 グレーデンの騎士さんの未婚率高いから狙い目なのかな?

 あとジュリアスさまの第二夫人希望っていうのもチラッと見たので王様の前だけど暖炉にポイしてやったよ。

「陛下、ジュリアスさまは置いといてもセリウスさまもクラウスさまにも結婚を急かすことはしないって義母が申しておりましたし、本人が望まない限り婿にも出さないそうなので辺境に住むことと自分の才覚で私程度に稼げる人って言う希望をちょっぴり広めて頂けませんか?」

 稼ぎは別に要らないけどハードル上げておかないとね。稼ぎじゃなくて貢献って言うと自分が着飾って宣伝するのが良いとか言い出す人がいるって聞いたから。

「ちょっとそれは二人とも完全に結婚できないと思うぞ」

 王様が二人を憐れむような目で見てる。

「陛下、辺境の役割を出来てないで押しかけて騎士の仕事を増やさない節度のある人って言うのも条件に入れてください」

 セリウスさまが追加した。前回の押しかけのこと結構怒ってるんだ。

 ジュリアスさまはずっと苦笑してる。

「あー、辺境三家への婚約の打診は王家を窓口にするようにと申し渡そう」

 あはは。ホーン家とリュフェリー家も巻き添え。

 王様はお迎えに来た側近さんがプリプリしながら連れて行った。もう撒かれないようにね。

「もう俺たち今夜でなくてもよく無い?」
「母上に顔を覚えてこいって言われただろう?」

 ジュリアスさまが一緒に帰りたい弟たちをばっさり。

 ブーブー言いつつ兄には逆らわない二人は残ることに。
 ルルゥ、チェイスさん、アモンさんたち護衛も残る。一応婚活を装い、辺境を利用したい家をあぶり出したりもするんだって。世知辛いなぁ。

 アンゼリカさまはこのまま残ってレオルカさまとマデリーさまとでアッガスに向かうそう。

 そう言うわけで、お祖父様たちにご挨拶して「またすぐ会える」って言われてお別れ。

 私とジュリアスさま、サーキスさま、アラン、ジェイク、ニーナはタウンハウスに戻った。
 流石にすぐ帰るって言うわけにもいかず夕食までいることに。
 ジュリアスさまは少し執務室に。
 私は侍女さんたちにエステとマッサージをされる。

「お疲れ様でございます」

 侍女長さんが自らお世話してくれるもんだからちょっと居た堪れない。
 旦那さまがお仕事中にマッサージなんだよ。めっちゃうまいし。

 屋敷中の侍従侍女さんたちにすごく歓待されつつ、晩餐って感じの食卓。
 流石に膝抱っこじゃないよ。
 
「うむ、うまいぞ。また腕を上げたな」

 タウンハウスのコックさんたちがガッツポーズだ。ルルゥが作る料理に比べるとちょっと薄味。接待向きな料理に特化してるんだろうな。
 辺境から来るレシピをおしゃれアレンジしてるんだよ。向こうでは大皿料理でこっちではフルコースみたいに少しずつ食べるみたいな。
 ちなみに王宮にはいかず、タウンハウスの庭で寛いでいたアズライトはパバブサラダをがっついている。

『久々にこっちに来たが魔素が薄いの』

 どうやら居心地がイマイチらしい。


「リーシャさま、お味はいかがですか?」
 
 コックさんズが緊張の面持ち。

「とても美味しいです。このソースは良い香りがします」

 ワイン煮みたいなのでルルゥとはまた違ったハーブ使いと言うのかな?

「ありがとうございます!!」

 食事が済んで一服後、ついにお別れの時間。みんな総出でお見送りしてくれる。

「「「「いってらっっしゃいませ」」」」

 うーん、もっと王都に顔を出すべきなのかも?
 辺境を離れられないのはわかってるだろうけど、なんか切ないよね。

 夜会で厳重警備な王宮の角の転移陣のある塔に向かう。
 こんな時に使うには滅多にないだろう。

「すまないな」

 すぐに魔法陣が展開されて、視界がグラッと変わる。

 本邸に帰れば、お義母さまが弾丸になってお出迎え。
 相変わらず「ぅうっ!」ってジュリアスさまが踏ん張る。
 お義父さまはハグしてくれた。
「「おかえり」」
 ポムとティムもお出迎えしてくれて、ダーッと私に登ってきて、頭をクチャクチャってされた。
「プッキューン」
「モッキュッン」
 可愛いけどやめなさい。
 今日はもう遅いから明日ねってお義父さまたちはお部屋に。

 ジュリアスさまは私を抱っこで部屋まで連れて行ってくれて、上着を脱ぐと、
「少し仕事を片付けるから先に寝てくれ」
 向こうでも仕事してたのに帰ってからも。

 サーキスさまも残って一緒に執務室に行っちゃった。

 王都行きはあんまり役に立てなかったな。









 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。  天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。  学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした

おいどん
恋愛
子爵家の令嬢エリーネと伯爵家の次男のノルトが婚約を結んだのは、半年前だった。 真面目で優秀なノルトに相応しい婚約者であろうとするものの、エリーネには自信がなかった。 ある日、遊び人と噂の令嬢べルティーナとノルトが共にいるところを見てしまう。 「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」 「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」 「…今度は、ちゃんと言葉にするから」

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

処理中です...