ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

282話

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 瞬く間に宴会仕様になった浜辺。
 キャンプファイヤーセットも出来てるよ。

「たまには海も良いわよねぇ~」

 魔の森が主な主戦場だからねぇ。国境沿いは今はグレーデンの強さが浸透してるから国として攻めててくる愚者はいないようだ。
 野盗とか窃盗団の警戒はしてるけど、魔獣被害の方が多いんだって。
 一応色々耳に入るようにはなってきてるけど、私が行動する範囲に怖いことは起こらないようにしてくれてるし、実感はないよね。

 ルルゥが手際よく海の幸?を捌いてくれる。魔獣は海辺に住む住民たちには海の幸じゃないからなんて言うべきかな?

 百目も普通に捌いてくれたので目と身の一部をアイテムボックスに片付けた。お義母さまには化粧品関係は作ってから渡さないとね。平気かもしれないけど。

「ルルゥってなんで魚まで捌けるの?」
「えー?川の魚だって遠征先で食べたりしてるから捌けないとねー?サーペント種は海にもいるし、魔獣の体なんてまちまちだから色々対応せざるを得ないのよぉ~」

 ほへぇ!オールマイティな腕が必要なんだねぇ。

 ザリガニ擬きもばっさり縦割りして身を切り抜いて。
 他をポイされそうになったから慌てて止めた。

「これもアラに使うんだよー」
「あらぁ?生臭くなぁい?」

 スープの出汁にするんだってば。

 ルルゥとも話してたらワイバーンたちが内臓とかエビ殻を熱く見つめているのに気がついた。

「これ食べたいの?」
「「「グルギャオ~」」」

 なるほど。彼らはいっぱい働いてくれてるからケチケチしちゃダメだ。出汁はまたの機会にしよう。
 ルルゥも頷いたので寄生虫チェックだけしてみたけど大丈夫だった。ルルゥに聞いたら寄生虫って何?だったよ。そう言う概念がないのか寄生虫が存在していないのか。

 アニキサスとか心配ないらない安心だ。

 ワイバーンたち用に餌台作ってもらって、内臓やガラ、ついでにちょっと焼いたのや調理したものも載せていく。
 騎士さんたちがワイバーンたちを撫でながら給餌してるので愛情かけてるんだなってほっこり。

 ジュリアスさまがラヴァを世話してたのでラヴァの分をルルゥに盛ってもらって。百目の蒸したのも入れて(アランたちが)運んだよ。

「グルルルゥ!」

 美味しそうに食べてくれる。迫力~。
 牛一頭くらい軽く食べるよね。

「グルギャ?グギャ?」
 
 ラヴァがまた私にベロン。生魚や内臓食べたばかりでは勘弁していただきたく。

『美味い!嫁、美味いぞ!嫁、食べたか?嫁も早く食べろ』

 アズライトが翻訳してくれる。うむ!これはお義父さまに似たキャラだな!!

「ありがとう、いっぱい食べるよ。ラヴァもいっぱい食べてね」
「グルグルルルー」

 他の子達も喜びの声上げてるから、知らない人が見たら怪獣が浜にいっぱいで恐怖だよ。

 でも大宴会の様相になってるからご機嫌な騎士さんたちが恐る恐る遠巻きにしてた領民を宴会に巻き込んでる。
 プルプル震えてたオジサンとかがいつの間にやら一緒に魚焼いてるぞ。

 パッと見ただけだけど領民らしき人たちは痩せ気味だ。海の幸が美味しいって知って今後はいっぱい食べてほしいものだ。

 レオルカさまたちが浜辺にやってきてちょっと遠い目をしてから混ざった。
 まぁ慣れてるんだろうな。この景色。
 一緒にアルジェさまがいたので慌てて挨拶に。

「ご挨拶が遅れて申し訳けありません。お久しぶりです」

 多分アッガスに到着した時点で挨拶しなくちゃだったはず。
 セリウスさまたちが到着する前には逗留してたそうだ。

「久しいね。こちらこそ挨拶が遅れた」
「すまない。海が楽しすぎた」

 ジュリアスさまもアルジェさまに挨拶。

「相変わらず楽しそうだな」

 バーベキューを見てちょっと笑ってる。カマランの島でのことを思い出してるんだろう。

「いずれまた遊びに来てくれ」
「ああ、必ず。楽しみだ」

 和気藹々と好きなものを食べてると海からおっきなタコ?が飛んできた?
 いや、アンゼリカさまがワイバーンに持たせてるみたい。
 ちょっと離れたところに降り立って。

「リーシャ、私が一番の大物を捧げるぞ」

 アンゼリカさまがニコニコと駆け寄ってきた。
 一瞬でジュリアスさまたちが覇気?を出した。
「ほほう、夫の俺より良いものを贈るとはやるではないか」
 火花が散ってる。
 セリウスさま、クラウスさま、アルジェさままでギラリとしてるし、ラヴァたちも雄叫びを上げてる。

「その勝負ノってやろう」
「「「応!!!!」」」
「「「グルギャーーーー!!!」」」

 ええええ!?
 ってマデリーさま?なんで参加しちゃうの!?

 呆然と飛び去るワイバーンを見送った。

「これって、リーシャちゃんがいちばん嬉しい獲物よねー?」
 ルルゥが呆れたように空を見てからタコの下処理をはじめる。
 パォウンとはまた違うし、タコって言うには足が多すぎだし。でも鑑定さんはタコ焼きに向いてるって教えてくれたのでタコ扱いでいいか。

「これ以上の出てくると良いわねぇ?」

「リーシャ、私ももう一回出る」

 アンゼリカさまは焼きたてのザリガニを両手の持って片方を相棒のワイバーンに与えて行っちゃった。

「「「おおおおお!!!」」」
 浜辺に残ってる騎士さんと領民がボートレースを観戦してるみたいになってる。

 海獣が枯渇しちゃうんじゃ?

 開港式や王女殿下の出航より盛り上がっちゃう気がするよ。

 呆然としてるとポムたちがなぜかアフロになって走ってきた。
 持たせてるマジックバックを誇らしげに上に持ち上げながら「大漁!!」ってやってるようだ。

 いやなんでアフロ!?

 んん!?




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