ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

290話

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 お昼ご飯にはコーナのソースで煮込んだ牛タンや、コーナのフルーツのマッシュサラダ、コーナをたっぷり練り込んだコーナマフィンが出た。

 ハーブとコーナとワインで濃厚なソースはちょっぴりビターで。
 南国フルーツを芋とマッシュは不思議な味だけどわりとイケた。
 メグミはクミちゃんと違って食で冒険しないタイプだったので食べたことない感じだけど多分アリなんだと思う。

「変わった味だが香りは好きだな」
「そうだね~クセになるかもー」

 薄い塩味で慣らされてた人にとっては新しい食べ物は純粋に好きか嫌いかだよね。

 女性陣はやっぱりデザート系が良いみたい。

 海苔についてはプレゼンが下手だったからか反応はイマイチ。
 でも私が食べたいし、ルルゥも料理に使えるって言ったので小さめな工場を作ってくれることになった。海苔の佃煮と共にレシピと道具の設計図を渡した。
 後日見通しが経ったら私が作り方の手本を見せることになったよ。

 時間差で帰って行くお客様にはマデリーさまと手土産を渡しつつお見送り。

 最後のお客様が帰ったのはお昼過ぎだった。

 シグルドさまも騎士団のお仕事があるのでアンゼリカさまたちを連れて帰っていかれた。マデリーさまはちょっと切なそうだった。騎士を引退したわけじゃないので今後レオルカさまと一緒にアッガス騎士団をまとめて行くんだと思う。

 今回のお客様たちの多くは、多くのアッガスの今後に期待していると言ってくれた。
 海産物も穀物や名産品など今後増えて行く予定の産業に熱視線。
 レオルカさまとマデリーさまは大変だ。
 出来るだけ領地経営の補佐に長けた人材を回さないとってジュリアスさまが頭を抱えている。
 家令や代官の家系の人はすでに雇っているそうだけど人手が足りてないよう。
 脳筋が多いグレーデンでは頭脳派タイプの人が少ないらしい。

「もし可能だったらマーベルハント家の親族に頼んでみるのはどうですか?」
「「「!!!?!?」」」

 レオルカさまとセリウスさまがクワっと目を見開いて「その手があったか!!」って。

 私は詳しくは知らないけどレイドラアースの叡智と言われるマーベルハント家の人なら秘書や執務官向きの人多いんじゃないかな?

「あまり外部に出てくれない方達だと聞いているが可能だろうか?」
 レオルカさまがかなり真剣に聞いてくる。

「断言は出来ませんがどなたか紹介はしてくださると思います」
「ダメ元でも良いから頼んで欲しい」
「はい。早急に連絡してみますね」

 お祖父様は近いうちに会える予定だし。

 セリウスさまとクラウスさまはあと数日アッガスに残ることになった。

 私とジュリアスさまはそろそろ帰らなくちゃなので先にニーナたちに馬車で出てもらう。

 ワイバーンで数時間の距離なので何かしらあればすぐ飛んで来れる。
 レオルカさまとマデリーさまに精一杯の激励をして別れのご挨拶をした。

 私はアッガスの穀倉地帯に寄ることになってるのでアズライト、ポムとティムを私のフードマントに乗せて。
 ジュリアスさまがラヴァを呼んで、ワイバーン隊と共に出発。
 ディディエを肩に乗せたルルゥとサーキスさまも一緒。

 まだ開墾中や雑草地が多い場所に降り立って。
 ラヴァたちワイバーンにはしばらく休憩してもらう。

「ポム、ティム、この辺りにグレーデンみたいに穀物いっぱい育てたいんだけど土地の改良お願いしても良い?」

 お酒の素やクッキーの材料をたくさん育ててもらう畑を作ってもらう予定の場所だよーって説明したら、「ガッテン」って感じですタターッと畑予定地の真ん中に行って踊り始めた。

「プキュキュンプキュキュン」
「モーキュウン!モキュキュキュ!」

 グルグル練り歩いてステップしたりピョンピョンしたりしてるポムとティムの周りをディディエが飛んで。

 カチコチ固そうな大地がボコボコと蠢いて大きなワームがブワーッと出現。
 ポムが何か指示を出すと一面の荒地をトラクターが掘り返してるみたいにボコボコッと土を捲り上げていって。

 一気に開墾が済んで、ポムがえーいと魔力を放出するとキラキラした光が大地に降り注いでティムとディディエがその光を風で広げた。

 いつ見てもすごい光景。
 って言うか開墾は人力でも良くて土に栄養を貰えれば上々だったんだけど、ポムたちが大盤振る舞いしてくれた。

「これは有り難いですね」

 うん。予算に余裕が出るよ。

『ポムたちばかりに良いところを持って行かれてはかなわんの』

 アズライトが私の肩から飛んでいって、上空から小雨状に水を降らせてくれた。
 霊水じゃないよね?

『長いこと放置されていた土地にただの水ではあまり意味がないからの。霊水じゃの?』

 おほぅ!またも人にバレたらあかんことになっとるやないかーい!

 でも育たない状態じゃ意味がないからありがたい。

 (ありがとうだけどほどほどにね)

「うむ、アズライト、ポム、ティム、ディディエ。よくやってくれた。ありがとう」

 ジュリアスさまがポムたちを自分の腕に乗せてお礼を言うとポムたちがえっへんとやってる。

 そしてジュリアスさまの頬にポムが何かの種を押し付ける。

 ・・・UN◯KOーーーーーー!!!!

『恵みの木じゃの。根を張って栄養を大地に広げてくれる地の精霊たちのの棲家になる木じゃの』

 おー、詳細お知らせしたらあかんやつ~。

「ジュリアスさま、それを中心になる場所に植えると土に栄養を与えてくれるそうです」

 精霊云々は黙っておこう。
 普通は根っこから栄養吸っっちゃうのに逆に与えてくれるスタイル。

「それは有り難いな」

 ジュリアスさまがポムたちの指定した場所にタネを植えるとポムがまたもえーいと魔力を投げる。
 恵みの木はニョキニョキッとジュリアスさまの腰まで伸びた。

 ポムたちにはルルゥがパウンドケーキを渡してくれた。
「帰ったらクッキーいっぱい作るわねぇ」
 ポムたちがわーいと騒いでるのをラヴァたちが眺めるとラヴァたちが一斉に飛んで開墾されたばかりの畑にキラキラと黄色い水を・・・。

 いきなりマーキング!?

『匂いをつければあやつらより弱い魔物が入り込まないからの。ポムらに張り合って手伝いのつもりじゃろう』

 ああー。
 ジュリアスさまたちもポカーンとしてたけど、アズライトの教えてくれたことを伝えると相棒たちを撫でてお礼を伝える。

「可愛いことするわねぇ」
 ルルゥがマジックボックスの中に入れてた海獣の内臓をワイバーンたちにあげてる。

 お菓子じゃないから微妙にほっこりシーンじゃないけど、あんなちっこいモニパルに張り合うの可愛い。

 ポムは微妙にイラッとしたのかマジックバックから種をポイポーイと投げてフンス!!って鼻息荒げてた。投げただけで成長はさせなかったので意味はないのかも?

 ワイバーンたちのオヤツを済ませてから、アッガスの領地を少し旋回してもらって、グレーデンに向かって飛んだ。





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