ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

323話

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「ゥァン・・・」

 グレーデンのマッチョたち小動物好きなのにこんなぞんざいに扱うの珍しいね?

 白い子犬?がプルプル鼻頭を両手の肉球当てて震えてるのが可哀想だよ。

「犬がどうした?」
「森にいたのか?」

 アークさまたちが覗く。
 魔力も弱そうだし害がありそうに見えないから気になるよね?

『これはホークの魔の森の守護獣であったフェンリルじゃ』

 アズライトがみんなに聞こえるように話し始めた。

「「フェ!?」」

『今回の原因はそれがサボって何十年か冬眠しているうちに寝ぐらが氷に覆われてさらに寝て処理すべき遺骸や駆除すべき魔獣どもが淘汰されず力をつけた結果じゃの』

 シーーーーーーン。

 どんだけ寝てたの。

「それは今まで氾濫が起きずに済んで幸運だったな・・・」

 アークさまが良かった探しの達人!!!

『出れなかったら寝るしかないだろ!!!』

 クアンキュアン言い出したワンコ。声はちょっと若い元気なアニメ主人公の脇の子って感じだ。
 必死に吠えてる可愛いだけだ。いやヤラカシワンコだけど。

「「出れなかったら仕方がない」」

 お義父さまとお祖父様ったらなぜ納得!!!二人で同じ腕組み仁王立ちポーズでそっくり!!!

『あんな薄氷砕けぬならただ弱いだけじゃの?』
『キャンキャンキャン!!!!』

 アズライトに吠えかかって爪を立てられて引っ叩かれてる。

『それでこれは精霊王たちから霊核を奪われただの魔獣フェンリルになったのじゃ』

 フェンリルはただの魔獣でもないような?

「ん?では魔の森の守護獣と言うのはいなくなったのか?」
『すでに新たに寄越されたのがおるので心配ないのじゃ。基本的には守護獣は人の前には出て来ぬでの』

 ほほう。会えないのかー。

 結局、フェンリルは罰として番犬扱いで人に仕えるように精霊王に言い渡されたそう。
 誰が飼うの?

「しかしアイスドラゴンではあの吹雪も納得だな」
『知性がないヤツは自分の力に負けて暴走するのじゃ』

 きっかけがなきゃ暴れないとかじゃないのかな。

 アイスドラゴンは通常の三倍サイズだったそうで討伐は大変だったけど素材がいっぱい採れてウハウハだそう。
 他にもホワイトビッグベアとかお肉が美味しいのもいっぱい。
 最後の方は山を吹っ飛ばしたので回収不可になっちゃったのだ。
 普通は討伐で得た魔獣は倒した人が権利を持つんだそうだけど、破壊の賠償とホーク領のが復興のためグレーデン側がほとんどを返上した。
 アークさまたちは恐縮しつつ借りとして受け取ってくれた。
 ただ私が用意した薬や魔石についての対価としてドラゴンの魔石と素材の半分を分けるって言うのは決められちゃった。
 王宮魔術師団、王国騎士団や他の騎士団も素材などは半分ほど返上して給与は国から出る補償だけでってなったそう。
 まぁ抑えられなかった時は国全体に被害が広がって下手したら近隣国に迷惑になってたんだから国の代表として戦ったんだから国から出るのも当然?
 グレーデン騎士団にも補償が出るんだって。

 まだ後始末や漏れ出てる魔獣がいるのでしばらくは大変そう。

 あちこちの街もすぐに住める状態にはならないそうで各地の騎士団がお手伝いして復興しなくちゃだそう。
 寒い中お疲れ様です。お酒もっと出さないとだ。

 話してるうちに侍従さんたちが席を整えてくれてお茶や軽食が用意された。

「さて少し寛ごうか」

 私はなぜかデリアさまに抱っこされている。

「アーク、ダンジョンから出て来たら孫が増えて孫嫁がいてなんかラッキーな気分だ!!ひ孫もいるらしいぞ!!!!」
「いや、その過程を見逃してるでなないか!!」
「「「はっ!!!!」」」

 なんだ。この会話。

「いやだってな、俺たちとしてはほんとに数ヶ月、迷いの森にいてなんとかボス部屋についてヤって出て来たらってヤツだぞ!息子がジジイになって天使のようだった孫がムッサくなっとるしな!!」

 ダンジョンから出て来て浦島太郎みたいに爺さんにならなくて良かったね。
 んで!ジュリアスさまはムサくないよ!!!
 地味に落ち込んじゃうからやめてあげて!!

「しかも毛がなかった孫がフサフサしとる!!!」
 デリアさまがセリウスさまを指差して爆笑してる。赤ちゃんの毛が薄いのは仕方ないよ!!

 スピネルさんもマルゴさんも出された軽食を食べながら頷いてる。他にも三人の仲間がいるそうだけど直行で実家に向かったらしい。二十年経ってるってしって離縁とかされてたりするかもって慌てて帰ったそうだ。

 しばらくしてアークさまの長男で現領主のエインさまが戻ってこられた。
 
「みんな協力ありがとう」

 エインさまは領地の民を避難所に誘導したり討伐の指示を出したりでずっと騎士団と共にあちこち移動してたらしい。
 随分とお疲れのよう。

「戦死者が最低限で済んだのも領内の被害も予想より大幅に軽く済んだのもグレーデン辺境伯家が惜しみなく手を貸してくれた結果だ。ホークを代表して礼を申し上げる」

 騎士の礼でビシッとカッコ良いおじさま。
 ミゲルさまのお父様だけあって美形だな。

「堅いのぅ」
「そうだぞ、エイン、我ら辺境に住まう者、いつだって魔獣の氾濫の可能性はある。互いが協力するのは当たり前のことだぞ」

 お義父さまとお祖父様がエインさまの背中をバンバン叩く。

「クラウドおじさん・・・またお会いできて嬉しいけれど変な感じです」
「はは!俺たちもチビだったお前たちがおっさんになっててやりにくいぞ」

 また外が騒がしくなって、今度はアンゼリカさまたちが戻って来た。

「!?」

 まだお祖父様のことは知らなかったみたいで入って来た瞬間に脳がバグった人みたいになった。

「おおおおおお伯父上が二人!!?!」

 まぁ似てるんだけどちょっと違うんだ。

「ええええ???えええ!?お祖母様!!!!???」

 あ、お祖母様はわかるんだ。


「あらま、アンゼリカかい?」

「えええ、ダルマのおじさん???」

 ん?マルゴさんは確かに筋肉ダルマだけど。

「おーい、俺もいるぞー」

 スピネルさんがアンゼリカさまに声をかけると脳がショートしたらしく。

「おおおお、じじじじ、ババババ」

 って口がずっとパクパクしてるのをお義父さまが担ぎ上げて椅子に案内した。



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