ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
333 / 787
三章

324話

 アンゼリカさまは思考停止のままなのでオヤツタイム続行になった。

「アンゼリカ嬢は相変わらず愉快だな」

 エインさまが苦笑してる。
 
 そういえばクラウスさまがいないなって思ったらグレーデンに先に戻って行ったそう。一応交代で三人が移動してたけどさっきの緊急事態でみんなこっちにいたからハロルドと一緒に戻ったそうだ。
 
「それでこのワンコはどうする?グレーデンで飼うか?」
『ああ、それは我の元で少し鍛えてからホーンに返してやろう。駄犬はホーンの民のために尽くさねばならぬでの』

 ほほう。もふもふワンコはうちの子にはなれずだけどしばらくはグレーデンにいるのか。

『駄犬じゃない!!我はフェンリルだ!』
『は!フェンリルとはもっと賢しこきものよの!!』

「ププー」
「モッキュ」

 お菓子を食べてたポムたちにまで鼻で笑われるフェンリル。

 ポムたちに吠えかかろうとしたワンコの上にディディエがボフッと乗るとベチャって潰れた。フェンリルって最弱?

「リーシャちゃん、ラーメン出してもい~い?」
「ン?温かいもの食べたいから出して」

 ルルゥがデデーンと広間にキッチン馬車出しちゃった。

「ルルゥ!!!ラーメン以前に室内で馬車出していいかエインさまに確認しないとだyい!!??」
「あらぁそうだったわねぇ、エインさま、いいかしら?」

 強引な事後承諾!!!

「ぉ・・・おぅ?」

 突然出て来たコンテナ型チックな馬車っぽくない馬車にホーン家の方たちがびっくり。

「うふ、炊き出しにはスープしか出せなかったけど時間に余裕ができたから色々出来るわぁ」

 遮断魔法を使ったとはいえ寒かったのでラーメンは嬉しいけど。

「なんだ、この箱の中で料理するんかい?」
「いい匂いがしてるぞ」

 ルルゥが馬車の中のマジックボックスに仕込み済みをいっぱい入れてたようで鍋に火を入れてサクサクと準備をしていく。
 馬車のことが気になってお祖父様もお祖母様も馬車を覗きに行ったので、ジュリアスさまが私を膝抱っこしてくれた。
 セリウスさまや壁際に待機してるサーキスさまとセバスチャンが呆れ顔だよ!

「クラウドさまたち、今は中に入って来ちゃダメよぉ!」

 あまりに馬車に張り付いて覗き込むお祖父様たちをあしらいながら、手際よくどんぶりを出して茹で上がった麺を乗せて。

 具がいっぱいなラーメンが出て来た。
 しばらくはグレーデンでも一人寂しい慌ただしい食事で食べた気がしない状況だったからかみんなで食べられるの嬉しい。

「ぬぉ!二十年も経つと料理が進化するのだな!!」
「へぇ!なんか手間がかかってるねぇ」

 手元に運ばれ食べたいラーメンを観察して匂いを嗅いでるお祖父様たち。
「いや、これは最近リーシャちゃんが作ってくれたラーメンと言うものじゃ」
「クラウド、こんな美味しいものはつい最近食べれるようになったんだぞ」

 お義父さまとアークさまがフォークで器用に食べ始める。
 ホーンからはコックさんが研修に来てたから一通りレシピが回ってるようだね。

「うーまーいーぞーーーー!!!」
「なんだこれは!!!塩味じゃないじゃと!?」
「この透き通るようなスープからこんなに色々な味が湧き出るなんて!!!」
 お料理アニメみたいな感動の仕方された。
 マルゴさんとはスピネルさんが泣いてる!!!

 しばらく感動しながら味わってたと思ったらお祖母様が麺を持ち上げて、
「フォンみたいだね。味は断然これのがうまいが」
 って言った。
 フォンとは?聞いてみたら木の実を潰して練ってうどんみたいに食べてるものらしい。どんな味だろう?

 トロトロ卵とチャーシューが美味しくてジュリアスさまとアーンをし合ってたら、めっちゃ見られてた。

「孫はいつもあんな感じなのか?」
「あの子ってばあんなだったのねぇ。甘酸っぱいわ」
「いやグレーデン家の男は妻を甘やかしがちだろう?」

 お祖父様たちの視線が!

「ジュリアスはベタ惚れかー」 
「お前、意外性がすぎるな。王都じゃ無表情で女っ気なしだったろう」

 アークさまとエインさまもかなりびっくりだったみたい。うっかりいつものようにしちゃってた。

「いいじゃない~、ジュリアスさまは遅い青春真っ盛りなのよぉ~☆」
「「「「青春?」」」」

 お祖父様たちが楽しそうにしてる。
「ジュリアスさまは女難すぎて学園では訓練ばっかでデートの一つもしたことなかったんだから~」
 ルルゥがジュリアスさまの灰色の青春を暴露しちゃった。
 モテモテそうなのになんか気の毒なんだよね。
「なんだ、モテなかったのか?アークやクラウドは百人斬りとか言われてたぞ!」

 ええ、貴族令息で百人斬りはヤバくない?

「そこまでしてないわ。未亡人から来てくれたら適度に頂くものだろう」
「・・・うむ、独身の間は相手からのっかかって来たら振り払うのは失礼と言う風潮ではあったな」

 アークさままで・・・。一昔前は奔放だったのかしら?
 あ、でも未婚じゃなくて未亡人か。ん・・・年上?

「爺さま、それって責任取らされないの?」
「責任?夜会で誘って来たのを毎回責任取っておったら高位貴族はみんなハーレムを持たねばなるまい?未亡人とて自由に出来る婚家から出るメリットは少なかろう」
「まぁ追い出されたような必死なのは避けないと身包み剥がれるから気をつけなさい」
 
 セリウスさまですら引いてる。

「あんたたち!若い子が勘違いっそうなことを言うんじゃないよ。身持ちが悪い女をうまくあしらって遊んでいた金持ちの悪い男たちの名残がまだ残ってたってだけだよ」

 なんか、お祖父様たち悪い男だったんだー。

「いや!俺たちは薬とか盛られるよりは適度に遊んでた方がマシだっただけで婚約したあとはやってないぞ!!!」
「そうだぞ」

 おおおお、カカア天下だ。

「リーシャちゃん、ルドガーもダレスも奥手だったんだからね。ジジィたちの代には悪い流行があっただけだからね」

 お祖母様もリーシャちゃんって。

「全く、男たちはすぐモテ自慢をするんだから」

 お祖父様たちがシューンなわんこみたいになった。
 





 
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい

歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、 裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会 ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った 全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。 辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin

誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』

富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い! 声が出せないくらいの激痛。 この痛み、覚えがある…! 「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」 やっぱり! 忘れてたけど、お産の痛みだ! だけどどうして…? 私はもう子供が産めないからだだったのに…。 そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと! 指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。 どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。 なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。 本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど! ※視点がちょくちょく変わります。 ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。 エールを送って下さりありがとうございました!

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?