ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

325話

 ラーメンに夢中になっていた間にアンゼリカさまが覚醒して、お祖父様とお祖母様のが抱きついて喜んでた。あとマルゴさんたちにも。
 ジュリアスさまとアンゼリカさまの年頃までがお祖父様たちを覚えてて、セリウスさまあたりが赤子で、その下は生まれていない時に冒険に出たと。

 若さの秘密にはびっくりしてたけどダンジョンなら摩訶不思議なことがあっても仕方ないなって納得してた。二十年はヤバいよ。
 でも多分、並の冒険者なら迷路で数ヶ月も持たないよね。

 途中でリックさまが入って来てズルいって言いつつラーメンを食べて、魔導騎士団と一部の王国騎士団、応援で参加してくれた各領の騎士団も多く帰還するからってホーンの方達はお見送りに出た。緊急事態が終わったので自力で帰ろうにも転移陣出来たから足がないので結局転移陣なんだけど、渋滞だよね。転移陣の塔の近くの待機場で食事や酒を振舞いつつ順番に戻っていくそうなので、私たちはまだ帰れなさそう。
 でもグレーデンもだけど各家とも自領の護りが薄くなってしまってるので早めに戦力を戻したいわけで。
 
 領主自ら参戦しているところばかりじゃないからお互いのご挨拶などは割愛してる。
 今回のことで王宮がまた落ち着いた頃に慰労のパーティを催すだろうからその時にってことなのだとか。
 パーティ多くなるのは面倒ね。

「そのワンコ、いっぱい扱いてくださいよ。ほんと寒さで鼻がもげるかと思いました」
 未だディディエにクッションにされてるワンコを嫌そうに見るリックさま。
 幼気な子犬な姿でも元寝坊助ワンコは可愛く見えないようだ。

 アズライトが任せておけってやってるし、ポムたちもサムズアップ(親指立てれてない)で答えてる。

「プッキュ!」
「モッキュ!」
「グギャ」

 ワンコは不服そうだけど逆らえないみたいで悲しげな目でディディエの下で伏せしてるよ。

「しっかし、モニパルの加護持ちなんているのだな」
「レアなのでちっこいのは珍しい」

 お祖父様たちはポムたちを見て言う。

「昔はもう少し大きなものでならたまに見かけたものだが小さいのはいなかったと思うぞ」
「ちょうど良いくらいの魔獣が減ったのか?」

 なんだろうね?他の加護持ちは知らないけどポムたちは尋常じゃない能力だよね。

「まぁ親父殿、領地に戻ればもっと腰を抜かすことが多くありますぞぅ」
「お前その話し方やめろ、変な気持ちになる」
 お祖父様はお義父さまの威厳ある演出にダメ出しして、
「ワシは順当に歳を取ったのじゃぞ。親父殿がもっと落ち着いた方がいいのじゃぞ」

「かーっっ!!なんかムカつくな」

 親子喧嘩?を始めた。

「父上、お祖父様、他所で暴れないでください」

「そういえばダレス伯父さまは?」
「ああ、嫁と娘にスノウフォックスの毛皮を渡したいと舐めしに行ったぞ」

 まさかのお土産ーーー!!
 グレーデン(領内のジェイデン)は寒くないよー。

「毛感触が最高だからね、しかも寒い中で処理した方がより良いんだよ」

 なんですとーーーー!!!
 ミンク的な素敵素材かしら?お祖母様がうっとりと言うとお祖父様とお義父さまがギラリとした。

「リーシャ?欲しいのか?」
「えっとそれでぬいぐるみ作ったら最高かなって思って?」
「「「ぬいぐるみ?」」」

 あ、この世界のお人形、布丸めただけくらい雑なんだった。ぬいぐるみなんてないよね!

「えっと、こう・・・動物を模して作った人形みたいなやつです」
 なんとなくなサイズ感を身振りで伝えてみた。

「ほほう、マントを作るよりは少なく済むな」
「まぁグレーデンじゃ毛皮のはマントはいらないさね」

 なぜかリックさまもルルゥもサーキスさままで目が怖いぞ。

「スノウフォックスなら山ほど獲れてるからちょっと処理してくる」

 男性陣となぜかアンゼリカさまがザッと出ていってしまった。

「びっくりしたかい?うちの男どもは嫁や恋人に尽くすタイプだからねー」

 あはは。ルルゥは誰にあげるんだ?

 って言うかアズライトもポムたちまで行っちゃった。ワンコが取り残されてる。

「しっかし可愛い嫁をもらったもんだねぇ。孫が変な嗜好でも持ったかと思ったよ。まぁリーシャちゃんのことはルドガーが色々教えてくれてたけど実際に会うと想像よりは大人に見えるね」
 お義父さま、どんな話を・・・。まぁかなり可愛がられてるからすごく大袈裟に言われてそう。

「スノウリリィーが喜んだだろう?あの子は女の子を欲しがってたからねぇ、ルドガー似の女の子じゃ嬉しくなさそうだけどねぇ」

 いやアンゼリカさまは一応お義父さまに似てるけど美人でかっこいいよ。

「お義母さまはとても可愛がってくれてます」
「だろうねぇ、ジュリアスのあと中々授からなくてセリウスを授かった時は娘よーーって騒いでたのよ、生まれたのは玉のような男の子でしょ、旦那さまに似てるからヨシって言ってたけどねぇ」

 性別はねぇ、産み分け法があるとかないとか?実際はどうなんだろうね?

「あの子は可愛いものが大好きだからねぇ、筋肉好きで可愛いものも好きでって辺境で可愛いものはなかなかないわよねぇ」

 筋肉と可愛いものってルルゥが頭の中で踊っちゃうよ。

「・・・全部任せて旅に出て二十年はやっちゃったわねぇ、年一回くらいは戻る予定だったのよ」

 まぁ冒険の旅にはリスクが付き物ですし責める人はいないと思うけど。

「お義母さまはあまり細かいことは気になさらないのでお帰りになったら一緒にタルトを食べたら喜ばれると思います」
「タルト?」
「甘い果物を乗せた焼き菓子です」
「砂糖菓子じゃなくて果物かい?」

 そう言えば、砂糖をコーティングしたカステラは主流なお菓子だった。

「こんな感じのおやつです」

 アイテムボックスに入ってたポムたちのご褒美にとってあったクッキーやタルトを出してみた。

「あらまぁ、オヤツまで進化してるのねぇ」
 一口食べたら止まらなくなって、

「!!・・・!!!??!」

 全部食べてから何かブツブツ言って、腰にあったマジックバッグから果物を数個取り出した。

「私たちね。迷宮の森で採れた微妙な実をオヤツにするしかなかったのよ・・・」

 スンッとした顔で実を並べてる。ちょっと怖い。

「これも焼いたり煮詰めたりしたら美味しくなるのかね」

 なんて言うか渋柿と梅みたいなのやパパイヤとか洋梨っぽいのが並んでるけど・・・

 柿と梅!!!!

「えっとこれはそのままだと確かに美味しくない感じですね・・・」

 なぜマジックバッグに入れてたの・・・。

「グレーデンに戻ったら何か試してみましょう?」

 私的にはアリアリのアリなんだけど、そのまま齧るしかなかったのはご愁傷さまです。

「そうかい、何か美味しいものになったらあの時の気持ちが救われるね」

 んー?私なら逆に凹みそうだけど救われるなら良かったかも??




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