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三章
327話
しおりを挟むお義母さまと屋敷の侍従さん、古参の騎士さんたちはお祖父様たちとの再会に感動・・・って言うよりはやっぱり驚愕って感じだった。
もう二度と出会えないと諦めていた彼らが見送った当時とさほど変わらぬ姿で戻って来たらそりゃお化けや妖の類に思ったとしても仕方ない。
「まっっっああああああぁ!!!お義母さまったら若さの秘訣は何かしらぁ!!!」
お義母さまのこの一言で固まっていた再会シーンは動きはじめた。
「あっははは!あんたは変わらないねぇ!リリィも随分と艶々じゃないか!二十年経ったとは思えないよ」
なんて言う女子?トークで、お義母さまを受け止めるポーズをしていたお義父さまがしょんぼりしていたのでポムたちに「行くべし!」って突撃させた。ほっぺが緩んだのでよかったね!
お仕事が溜まってるから休んでる場合ではないんだけどお疲れ様とお帰りなさいの晩餐会をして。
マイ酒蔵秘蔵のお酒を少し出したら、
「こんなうまい酒がぁあああ!!俺たちは二十年分は損をしたぁああ!!」
ってお祖父様とスピネルさんと泣いた。
「爺さまたちー、このお酒が飲めるようになったのはここ一カ月くらいだよー。今後も飲みたかったら領地の工場とかの管理運営の仕事手伝ってよねー」
クラウスさまがさらりとお仕事をお祖父様に流した。
「こんな良い酒が飲めるなら仕事くらいするぞ」
クラウスさまは実は遣り手だった。お祖父様はチョロかった。
ダレスさまもジェイデンで工場を作りたいって言うので「うまい酒が増えるのは良いことだ」って一気にあちこちに作る予定になっちゃった。それって私もいっぱいタンク作らなくちゃだね!
そしてお祖母様の方はお義母さまとお化粧品で盛り上がって、二人で私をロックオン。
あーー~、お仕事貰えて嬉しいなぁ。
お義父さまは実はお義母さま不足でホーク領から転移陣で帰って来ちゃったけど、お祖父様たちの帰還祝いもあったから一晩グレーデンで過ごして、よく朝ニッコニコで幸せそうな顔をして勢いよくお義母さまをハグしてから、ダレスさまとハロルドと騎士さん連れて、ホークへお見舞いの食糧や医療品を持って再び転移陣でホークに向かってワイバーンを迎えに行った。
そういえばワイバーンで出掛けたんだったね・・・。
ホーク領から預かっている領民たちは状態が良くなった人たちから順に送り出してるけど、臨月の人と体調が不安定な妊婦さんは引き続き預かっている。
ホーンが落ち着けばお見舞いに家族がこちらに来る余裕も出来るはず。
お兄様と伯父様はしばらくグレーデンでお手伝いしてくれるそうなので嬉しい。
お義父さまたちはワイバーンたちがちょっと拗ねてたのでたくさんのおやつをあげてお手入れをしてあげて、帰りに彼らの好きな獲物がいる場所で狩りをしたりでゆっくり戻って来たよ。
ダレスさまたちも途中まで一緒でグレーデン領に入ってから別れたそうだ。
お祖父様たちが帰還してしばらくは領内がお祝いムードになって、王様がこっそり会いに来たりして大変だった。
ちなみに例のわんこは毎日アズライトに荒地を走り回されたり、ポムたちに煽られ揶揄われしてるよ。
今日は何しようかな?と離れ周りの畑と花壇を見つつ、離れに向かい。
『主よ。精霊の日は何を贈るのじゃの』
「精霊王の日?」
んー、かすかに記憶に残ってるけどお母さまは亡くなってからはニーナと二人でちょっとだけ街に散歩に行ったくらいしかないなぁ。プレゼントがいるのか?
説明をアズライトとニーナにしてもらうと、この世界での主な祝祭は建国記念日とレイドラアース神に感謝を捧げる日、豊穣祭、精霊の日が主な祭りだそうで。
個人の誕生日は祝わなくてレイドラアース神の降臨祭の時に等しく歳を一つ取る。
精霊の日に精霊にお祈りをして窓に贈り物を置いておくと祝福を受けるそうで運がいいと贈り物も貰えるのだとか。
あとお友達や家族にも贈り合うのだそう。
よくわからないけど精霊樹からたくさんの精霊が生まれた瞬間とか見ちゃったし、甘いものが好きそうだしお酒も好きみたいだからいっぱいお供え・・・あれ?すでにちょいちょい贈り物してるね!
まぁポムたちにたくさん力を使ってもらってる時もきっとお手伝いしてもらってるから張り切って贈り物を用意しよう!
離れのキッチンでお菓子作りを始め~。
ポムたちもお手伝いする気満々なのでナッツの殻剥きとすり潰すのを手伝ってもらおう。
「プッキュ」
「モッキュ」
「グッグア」
精霊たちは可愛いお菓子がいいかな~。
ニーナもアランとジェイク戻った話を聞いてたので手伝ってくれる。
クッキーとマフィンとマドレーヌあたりでいいかなぁ。
お花のゼリーもいいねぇ。
可愛い布を使って包んでキラキラおリボンで飾ろうかな。
もちろん家族の分とニーナ、アラン、ジェイクの分、いつも快適に過ごせるようにしてくれてる侍従侍女さん、使用人さん、コックさん・・・わぁいっぱいいる。
ルージュたちにも持って行って貰おう!
ニーナしかいなかったリーシャの世界が幸せでいっぱいだねぇ!
お祖父様たちにも届けられるかな?
いっぱい焼いてたらルルゥが「誘ってちょうだいよぉ~」って混ざってた。
有難いけどルルゥが手伝っちゃうと私が用意したことにならないじゃん~!
でも山ほど必要だからお願いしちゃおう。
ちょっとだけインチキでアズライトたちに七虹草と蜂蜜を採って来てもらって。
ハーブクッキーが七虹草の花で可愛く仕上がった。
「あら~可愛いわねぇ、ニックスとベンが喜びそう~」
ルルゥが来てくれたのでサクサク進むので予想よりたくさん作れた。
途中で思い出した琥珀糖は七虹草のおかげでめっちゃ可愛くて綺麗~。精霊の喜んでくれるよね。
魔法のおかげで乾燥も出来るしたのし~。
味見したルルゥとニーナが崩れ落ちたよ。お砂糖のお菓子で七虹草のお花と蜂蜜使ってって言う物凄い高価なお菓子になってるそうで。
私はチョコレートボンボンの方がいいなぁ。
アランとジェイクは彼女と妹にもあげたいって言うので家族分渡した。
「あんたたち彼女いたんだねぇ☆」
二人ともルルゥに言われて「しまったぁ!!」って慌ててた。
「そのお菓子、あんたたちの給金一週間分は飛ぶわよ~」
って揶揄っていじってる。
「「ええええーーー」」
びっくりして戻そうとするからルルゥのお腹をど突いてから止める。
「二人とも、良く働いてくれてるんだからご褒美?なの。気にしないで~」
他の騎士さんに比べて休みは取りにくいし鍛錬の時間も取れないんだよ。
彼女さんとの時間だって合わせるの大変だろうからお菓子くらい貢いでご機嫌取って貰わないと。
「「ありがとうございます」」
夕刻まで必死にラッピングして。
まずは各部署分運んでもらうようにお願いして。
家族の分は侍女長さんとハロルドにお願いして当日お部屋に置いてもらうことに。
ジュリアスさまには当日手渡しで。
窓辺に置く分もバッチリ避けてあるよ。
一応アズライトには精霊樹の周りにもたくさん置いてもらえるように渡しておいた。
ジュリアスさまたちの帰宅を知らされたのでお出迎えに向かうとお義父さまやお祖父様も一緒だった。
「明日はワシとディゴーに行こう」
お義父さまにお誘いを受けました。
ジュリアスさまがむっつりしてる。
まだホーンの件で遅れてた仕事が溜まってるのだ。合掌。
精霊の日のために街でお祭りがあるんだそう。
おお!
楽しみ!
でもお祭りは旦那さまと行きたいなぁ。
「こらバカ息子!!孫たちに夫婦円満でいてもらうために進んで仕事を変わってやらないか!!」
ちょっとしょんぼりしてたらお祖母様とお義母さまがお義父さまを叱った。
「ええ~、ワシだってリーシャちゃんと祭りが見たいんじゃ」
「あら、旦那さま?私とは嫌なんですのぉ?」
うひゃー、奧さんズが笑顔でにじり寄ってるよ。
「そんなことはないぞぉ!!」
なんて言う可愛い?やり取りのあと、ジュリアスさまとデート出来ることになったよ。
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