ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

326話

 しばらくお祖母様とお話ししてたら、ポムたちが戻って来て私をグイグイっと外に連れて行こうとする。
 まだ雪降ってるんでしょ?やだよーって思ったらアズライトが付き合ってやれって言うので渋々動く。

 アランがマントを掛けてくれて、お祖母様も付いてきてくれることに。

 銀世界なのでお庭がどこまでとかも全くわかんないのだけど雪解けをしてある道をアランに運ばれて行く。

「聞いてはいたけど過保護だねぇ」

 お祖母様さまが呆れた顔で言う。デスヨネ!!

「・・・デリアさま、リーシャさまの速度では目的地につけません」

 え?そっちなの?かよわいとか倒れそうとかじゃなく!?

「まぁグレーデンに戻ったら鍛えてやろうかね」

 げげげ!!!今までになかった発言が!!
 筋力アップとかしたいけどシゴかれるのは嫌だなぁ。

 お屋敷から少し離れた場所で止まってポムとティム、ディディエが豊穣の舞?を踊り出した。
 ん?作物が何もないよ?

「プキュンキュンキュキューーーーン」
「モキュモキュモキューーーーー」
「ギャオォォォーーーーーー」

 お尻と尻尾をフリフリ、手足をジタバタ、ジャーンプ!腰をクネクネ。

 うん!いつもとはちょっと違うのかな?

 ディディエは飛び回ったり下に降りて羽をパタパタしたりしてる。

 ポムたちが踊って通った場所から冴えるような光を纏った風が起きてそれが徐々に暖かく柔らかな光に変わっていく。

 キラキラとした光から真っ白な雪の妖精みたいな雰囲気のふわふわが現れてそのふわふわが春の息吹みたいな小さな薄い緑のふわふわを抱っこして四方に飛び去っていく。

「わぁ」

『風の癒しと芽吹きの吐息じゃの』

 空が白くて空気が冴え冴えとしている雪原って言う真っ白な景色に幻想的な光が広がっている意味ををアズライトが教えてくれる。

 ポムとティム、ディディエの合体技で精霊王の恩恵を使ったそうだ。

 今すぐ変化は無いけど凍てついてしまった大地を癒して雪解け後の作物が育ちやすくなったそうだ。

 あと、寒さが少しだけ和らぐって。ポムたち優しいね。

「はぁ~、こりゃいいもの見たね!グレーデンの土地もお前たちに豊かにしてもらってるって聞いたよ。有難いねぇ」

 お祖母様がポムたちを抱き上げて撫でまくる。

「プッキュン!」
「モッキュン!!」
「グルギャー!」

 一応遮断魔法してても視界が寒いので早く中身戻ろうとアランに合図を出したらお屋敷の方から雪埃りを撒き散らしてお義父さまとジュリアスさまが走って来た。

「なぜ外に出ているんじゃ!!」
「リーシャ、大丈夫か?」

 アランに持ち上げられてた私をガシッと抱き上げて自分のマントでグルグルに巻いてくれた。

「母上は良いがリーシャちゃんは死んでしまうぞ!」
「あんたたち!成長を阻害するんじゃ無いよ!!何もかもから守ってれば安心かい!?違うだろ!」

 お祖母様がお義父さまに拳骨をお見舞いしちゃった。身長差から飛び上がってからの一撃になって結構ヤバい音がしたよ。
 グレーデン最強のお義父さまに一撃入れちゃうお祖母様カッコいい!!

 とりあえず屋内に戻って温かいお茶を一服。
 お祖父様たちもアンゼリカさまもダレスさまも戻ってた。

 ポムたちのことを説明したら、それなら仕方ないって落ち着いた。

「ポムたちは相変わらずすごいのぅ」
「来季の作物に影響が少ないのは良かったな」

 麦や野菜、魔物肉はグレーデンからも援助出来るけど、ホーン全領となると大変な量になるからね。

 ルルゥがデンとオヤツてんこ盛りをポムたちの前に出すとポムたちが「キューーン♡」っと飛びついた。

 スピネルさんとマルゴさんもお祖父様もなんだこれ?って物凄く見てる。甘いもの出してなかったのね。

「これはクッキーやケーキ、タルトで甘いお菓子です」
「なんだ?砂糖が安くなったのか?」
「安くは無いんですけどグレーデン領でも作れるようになってるんですよ」

 お祖父様たちにはおつまみの方がいいかなっていかくんや柔らかジャーキーとチーズを出してあげたら、マルゴさんが恨めしそうになった。

「出来れば甘いものが食べたい」

 オヨヨ。見た目で判断しちゃダメだったか。

 ルルゥがちゃんとお皿に盛り付けてみんなに出してくれた。

「ウマ!!!なんだこれは!!くそう、二十年損したぞ!!!」
「いやこんな美味しいオヤツが食べれるようになったのはここ一年くらいのことじゃぞ」
「一年!!!」

 正確には弱がつくけど。細かいことはいいや。

「うまいな!!ポム、それをこれと交換してくれ」
「モッ!!???キュキュ!!!」
 
 スピネルさんがおねだりして却下されてる。おかわり出ますよ?

 マルゴさんがなぜか号泣しはじめた。感情の起伏がやばいな。

「父上~、兄上~、ジジィ、転移陣もう時期使えるぞー」

「誰がジジィか!!」

 お祖父様がセリウスさまの頭に手刀を入れた。痛そう。

「そうか。ルーク、しばらくホーン領での差配を頼めるか?」

 まだしばらくお手伝いに残る騎士団を預けるのにサーキスさまをご指名になった。

「大丈夫ですけど交代入れてくださいよ」

 セリウスさまとクラウスさまが交代要員。
 もう慌ただしいことはないだろうから一安心。

 アンゼリカさまはアッガスに一旦戻ってお祖父様たちに会いにグレーデンに来るそう。

 部屋の隅で放置プレイされていたワンコをアズライトが回収して。

 ルルゥがキッチン馬車とお皿を仕舞って準備完了。

 転移陣の塔にみんなで向かえば、ホーン家の皆さまがめっちゃくちゃ頭を下げて来たのでお祖父様とお義父さまが宥めるのが大変だった。

 ジュリアスさまに言って転移陣の魔道具に魔力を充填させてもらった。
 これでしばらく大きな魔力を使うことがないだろうからスッキリしておくのだ。

「落ち着いたらまたご挨拶に伺います。この度は本当にありがとう。助かりました」

 マッチョなホーン家の皆様に見送られながら転移陣が作動した。

 少しのグラつきのあと目を開けば、いつもの温かい空気が迎えてくれた。

 






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