ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

448話

 ついにお祭りの日。

 グレーデン領の一番大きい神殿はディゴーなので、義伯父のダレスさまが神殿担当をしてくれてる。

 お祖父様たちは騎士団とワイバーンで全域の警戒に参加してくれて。

 セリウスさまとクラウスさまは近場のお祭りを少しずつ顔出してくるそう。

 我が家の周辺、騎士団棟と使用人居住区は、お義父さまとお義母さまが中心で盛り上げて。
 夕方には我が家にみんな集合して宴会の予定。

 私は、朝一番で、ジュリアスさまと、アズライトとジャスパー、ポム、ティムと精霊樹にお供物をしに池の島に向かう。

 もちろん、ルークとニーナ、ルルゥと出してディディエ、アランとジェイク、チェイスさんとアモンさん、シエルがついてきてる。

 ゴンドラにそれぞれ定員まで乗って島に向かう。

 すでに浮かれた精霊たちが水面をふわふわして、景色がキラキラ眩しい。

「朝の清々しい空気の中、水面は賑やかだな」

 魚たちも精霊の浮かれっぷりがわかるのか楽しげに見えて不思議。

 池に点在する島々も木々や草木がいつもより多めに感じるよ。

 蜜ミツバチやモラが水上から視認出来ちゃうほど活発に動いてる。

 お祭りの開始前にお供えを置いて感謝を伝えて去るだけなんだけど、空気中の気配が濃厚でもうここでお供えしても持っていってくれそう。

 通常なら神殿で神職が正式な御饌を供えるのと家周りに精霊たちへのオヤツを飾るだけなはずが、精霊樹と言う御神体が有っちゃうものだから、アズライトに直で供えろって言われちゃった。
 そりゃそうだってなるよね。

 アズライトの寝床な島につけば、すでにウェルカムな精霊たちがわさわさしてる。

 この島はアズライトの居心地が良いようになってるので、景色がとっても良い。くるたびに良くなってる。

 ジュリアスさまに抱っこされて道を進めば、大きな精霊樹に着く。

『主、ここにドーンと供えるんじゃの』
『精霊王にデデンと捧げるんだぞ』
 アズライトとジャスパーがフンスとやってる。
 ポムとティム、ディディエも周りでふわふわしてる子達に戯れ付くかのように飛んだり跳ねたり。

 私のアイテムボックスから酒樽や雑貨、ルルゥがマジックバックから食べ物やお菓子をどんどん出すのをアランたちが綺麗に並べてくれる。
 ジュリアスさまは、最近手に入れた中で一番綺麗な魔石を献上した。

 うーん、これでも周りにいる子たちに足りるのかなって思う。
 まぁ国中でお供えがされるからきっと大丈夫ね。

「我らが最高神レイドラ、この世界を守りし精霊王たちに日々の感謝を込めて捧げる」
 このメンバーで一番上の立場のジュリアスさまが感謝の祈りを述べ、私たちはその後に祈りを捧げる。

 そうすると精霊樹の枝葉がサワサワと動いてるような音がしてお供物がスーッと消えた。

 おおおお!!あれだけのものが消えると圧巻だ。

 ポムとティムとジャスパーは大喜びをして、今までとちょっと違う感じで踊り始めた。

 今までのが食って踊れやな楽しい舞だとすると、今回のは神聖な感じ??

 ポムたちを中心にふわふわな気配が踊ってるんだなとはなんとなくわかる。

 アズライトとディディエはそれを楽しそうに応援してる。

「相変わらずあの子たちは不思議ねぇ~」
 アズライトとディディエは属性持ちと言うだけで加護持ちではないから、ポムとティムとジャスパーとは、立場がちょっと違うんだと思う。
 アズライトとディディエも希少な存在でとんでもない能力持ってるけどね。

 人間組が「不思議だね」って見守ってたら、精霊樹からブワッとエネルギーが出てきた。

 うん!そうなるよね!

 そしてポムたちの周りにいたふわふわと混ざって、四方八方にそのエネルギーが飛んでいったよ。

「あー、なるほど。神と精霊の力が増すと各地に恩恵が広がるんだな」
 ジュリアスさまが真面目に目の前出て起きた現象をそうまとめた。
「素晴らしいです!!昔見た古文書に載ってた神々の恩恵何見られて嬉しいです」
 シエルが興奮気味にぴょんぴょん飛んで喜んでる。その古文書見たいな!?

『うむ!あっちに戻ってご馳走を食べようかの』
 お供えを受け取ってもらって用事は済んだとアズライトがお祭り会場に行こうと騒ぐ。

 ありがたい現象に余韻を持とうよ。

「プッキュン」
「モッキュン」
 すでにポムとティムもご馳走に意識が向かってるみたい。
 
 なんて言うかいつものバーベキューと同じノリだよ。

 ゴンドラで再び進めばいい綺麗なお魚たちが跳ねてその姿を楽しませてくれた。
 ヒレの綺麗なお魚も結構増えてきたみたい。

 ボート置き場のそばには桜の木が満開になってる。行きは咲いてなかったから、精霊たちが咲かせてくれたのかな。

 屋敷までにある畑もいつにも増して元気に茂ってる。普段でも十分なのにサービス過剰だ。

 離れ付近からはもうお祭り会場だ。

 屋敷に勤めてる使用人さんたちとその家族たち、騎士団棟へと続く道も賑やかになってる。

「いやー、用意していたオヤツが一気に消えましたわー」

 あらま、ブワッと飛んでいく間におやつを持っていったのね。

 早々にお菓子書きえっちゃったら大変だから増産しないとだね。
 ルルゥを見たら「まかせろ」って笑ってた。頼もしい。

 屋敷に戻ればお庭でお義父さまとお義母さまがお出迎えしてくれた。






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