712 / 787
三章
700話
「ふごっ!!」
ジュリアスさまの呻きで目が覚めた。
私の体勢を見れば何が起こったか一目瞭然なのだ。
「「キュキュキュ!!」」
『嫁はなぜ寝ているのにベッドででんぐり返しをするのかなんだぞ』
ポムとティムがプギャーって笑って、ジャスパーは呆れ声だ。
『見事な蹴りであったの』
アズライトはダメ押ししてきた。
「ジュリアスさま、ごめんなさい」
私の踵がミラクルヒットしてて私はジュリアスさまの上で大の字状態だったのだ。
今回はガッチリされたなかったのか。
慌てて上から退いて謝る。
「いや・・・大丈夫だ」
顎をちょっと抑えてるので痛かったはず。
「ふむ、顎は鍛えていなかったな」
顎は鍛えられるもの?
もし筋トレとかして表情筋とか鍛えたら顔もゴツくなるのかな。
ゴリッゴリの顔になったジュリアスさまはちょっとヤバいかも。
普通の旦那さまなら怒って共寝出来なくなってるよね。
「気にしなくて良いぞ」
訓練で顔に当たることもあるからそれに比べたらどうとでもないらしい。
「さぁ着替えようか」
サラとメルを呼んだらニーナも来ちゃってて、ルークも付いてきたようだ。
が、寝起きの私がいるわけで、ニーナが扉の向こうで「入るな」って怒ってるよ。
ルークが諦めるまでニーナも入ってこれないよ。
「ルークさま、ニーナさんがお仕事しようとすると着いて回るんですよ」
うわぁ。
胎教に良くないよ。
「前はちょっと怖かったけど、今は可愛い人だって思います」
可愛いって・・・。メルはあのルークが可愛く見えちゃうんだね。
「ははは、仕事モードになれば大人しくなるだろう」
親友の様子に一番驚いてるジュリアスさまは、希望的観測で答えた。
「ジュリアスさま、甘いですよ~。十時のおやつ、昼食、三時のおやつ、って一緒に食べようって戻ってきますよ」
ノンノンってサラが首を振った。
嘘だろ。マジか。
「仕事の鬼が変わるものだねぇ」
ジュリアスさまがサボりたがると引きずっていった人だよ。
「子供が出来ると豹変する男の人が多いですよ。うちの父も爺様もいつも亭主関白ってやつですけど、弟ができた時は母に動くな、飯は自分が作る、とにかく無事に産めって言って何もさせなくなったりして」
「そうですよー。うちの従兄なんか結婚は失敗だーとかお酒飲んで愚痴ってたのに妊娠した途端、嫁が一番とか言い出して」
グレーデンの男性、実は優良物件ってやつなんでは。
いや、妊娠前まではクズ寄り?
「命の重みを知っているから、命を宿した伴侶は大事だな」
ジュリアスさまが言う。
妊娠する前から大事にしてくれたらパーフェクトなんだけど、それはそれなのか。
「暴力はもってのほかだが、家の主人としての立場は多少主張したいものだろう」
んー、程度によるかな?
「子煩悩ですけど、ちょっとうざいですよねー」
「でもある程度育つとわりとあっさりになりますね」
どうも子供は宝だから、小さくて弱い間は守る意識が高いけど、大丈夫ってなるとスイッチが切り替わるようだ。
野生の生き物みたいに思うのは私だけ?
お話ししてる間に着替えは済んで髪も緩く結ってもらった。
「マダム・シフォンがいらっしゃるので脱ぎやすい衣装にしました」
はい。ちゃんと覚えてますよ。
「さて、ルークはまだごねてるのか?」
扉を開くとクドクドと起こっているニーナとシュンとしてるルークがいた。
いつか私のやらかしを叱っていたルークがニーナに叱られている。
「ルーク、怒らせるのも胎教に悪いんだよ」
妊婦大事にってわかるけど、あまりに行動を制限しちゃうとストレスになっちゃう。
「タイキョウ?」
あ、そう言う考え方はないのね。
「お腹の赤ちゃんはお母さんが嫌な思いとかしてるとわかっちゃって赤ちゃんの教育や成長に良くないんです」
まさにガーーーンと言った顔になった。
「お母さんが穏やかな気持ちで過ごすことが一番大事だからニーナもそんなに怒らないでね?」
「はい」
ニーナの胸元にポムとティムを乗せたよ。
「ルーク、子供が嬉しいのはわかるけど、妊婦さんも少しは運動しないとお産が大変になるらしいから行動制限は程々にね?」
多分マギー先生が安静とか言ってないから大丈夫なはず。
「ルークも、嫁に構いすぎると嫌われるぞ」
「そんなことはありません!」
うーん?ニーナを見上げると無表情だった。
どの感情なの!?
「ルークさま、ご主人様が戻られたのですから夕方までしっかり補佐をしてくださいね?」
ニーナが口角を上げて言う。
笑ってないよ。ひんやり攻撃はルークに似ちゃったの?
「そんな・・・」
まだ折り返しまで来てないのにこのテンションであと半年とか大変だよ。
「まぁ食堂に行こうか」
ジュリアスさまがルークの方をポンッと叩いて促した。
______________
あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとって良い一年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
ジュリアスさまの呻きで目が覚めた。
私の体勢を見れば何が起こったか一目瞭然なのだ。
「「キュキュキュ!!」」
『嫁はなぜ寝ているのにベッドででんぐり返しをするのかなんだぞ』
ポムとティムがプギャーって笑って、ジャスパーは呆れ声だ。
『見事な蹴りであったの』
アズライトはダメ押ししてきた。
「ジュリアスさま、ごめんなさい」
私の踵がミラクルヒットしてて私はジュリアスさまの上で大の字状態だったのだ。
今回はガッチリされたなかったのか。
慌てて上から退いて謝る。
「いや・・・大丈夫だ」
顎をちょっと抑えてるので痛かったはず。
「ふむ、顎は鍛えていなかったな」
顎は鍛えられるもの?
もし筋トレとかして表情筋とか鍛えたら顔もゴツくなるのかな。
ゴリッゴリの顔になったジュリアスさまはちょっとヤバいかも。
普通の旦那さまなら怒って共寝出来なくなってるよね。
「気にしなくて良いぞ」
訓練で顔に当たることもあるからそれに比べたらどうとでもないらしい。
「さぁ着替えようか」
サラとメルを呼んだらニーナも来ちゃってて、ルークも付いてきたようだ。
が、寝起きの私がいるわけで、ニーナが扉の向こうで「入るな」って怒ってるよ。
ルークが諦めるまでニーナも入ってこれないよ。
「ルークさま、ニーナさんがお仕事しようとすると着いて回るんですよ」
うわぁ。
胎教に良くないよ。
「前はちょっと怖かったけど、今は可愛い人だって思います」
可愛いって・・・。メルはあのルークが可愛く見えちゃうんだね。
「ははは、仕事モードになれば大人しくなるだろう」
親友の様子に一番驚いてるジュリアスさまは、希望的観測で答えた。
「ジュリアスさま、甘いですよ~。十時のおやつ、昼食、三時のおやつ、って一緒に食べようって戻ってきますよ」
ノンノンってサラが首を振った。
嘘だろ。マジか。
「仕事の鬼が変わるものだねぇ」
ジュリアスさまがサボりたがると引きずっていった人だよ。
「子供が出来ると豹変する男の人が多いですよ。うちの父も爺様もいつも亭主関白ってやつですけど、弟ができた時は母に動くな、飯は自分が作る、とにかく無事に産めって言って何もさせなくなったりして」
「そうですよー。うちの従兄なんか結婚は失敗だーとかお酒飲んで愚痴ってたのに妊娠した途端、嫁が一番とか言い出して」
グレーデンの男性、実は優良物件ってやつなんでは。
いや、妊娠前まではクズ寄り?
「命の重みを知っているから、命を宿した伴侶は大事だな」
ジュリアスさまが言う。
妊娠する前から大事にしてくれたらパーフェクトなんだけど、それはそれなのか。
「暴力はもってのほかだが、家の主人としての立場は多少主張したいものだろう」
んー、程度によるかな?
「子煩悩ですけど、ちょっとうざいですよねー」
「でもある程度育つとわりとあっさりになりますね」
どうも子供は宝だから、小さくて弱い間は守る意識が高いけど、大丈夫ってなるとスイッチが切り替わるようだ。
野生の生き物みたいに思うのは私だけ?
お話ししてる間に着替えは済んで髪も緩く結ってもらった。
「マダム・シフォンがいらっしゃるので脱ぎやすい衣装にしました」
はい。ちゃんと覚えてますよ。
「さて、ルークはまだごねてるのか?」
扉を開くとクドクドと起こっているニーナとシュンとしてるルークがいた。
いつか私のやらかしを叱っていたルークがニーナに叱られている。
「ルーク、怒らせるのも胎教に悪いんだよ」
妊婦大事にってわかるけど、あまりに行動を制限しちゃうとストレスになっちゃう。
「タイキョウ?」
あ、そう言う考え方はないのね。
「お腹の赤ちゃんはお母さんが嫌な思いとかしてるとわかっちゃって赤ちゃんの教育や成長に良くないんです」
まさにガーーーンと言った顔になった。
「お母さんが穏やかな気持ちで過ごすことが一番大事だからニーナもそんなに怒らないでね?」
「はい」
ニーナの胸元にポムとティムを乗せたよ。
「ルーク、子供が嬉しいのはわかるけど、妊婦さんも少しは運動しないとお産が大変になるらしいから行動制限は程々にね?」
多分マギー先生が安静とか言ってないから大丈夫なはず。
「ルークも、嫁に構いすぎると嫌われるぞ」
「そんなことはありません!」
うーん?ニーナを見上げると無表情だった。
どの感情なの!?
「ルークさま、ご主人様が戻られたのですから夕方までしっかり補佐をしてくださいね?」
ニーナが口角を上げて言う。
笑ってないよ。ひんやり攻撃はルークに似ちゃったの?
「そんな・・・」
まだ折り返しまで来てないのにこのテンションであと半年とか大変だよ。
「まぁ食堂に行こうか」
ジュリアスさまがルークの方をポンッと叩いて促した。
______________
あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとって良い一年でありますように。
今年もよろしくお願いいたします。
あなたにおすすめの小説
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】モブなのに最強?
らんか
恋愛
「ミーシャ・ラバンティ辺境伯令嬢! お前との婚約は破棄とする! お前のようなオトコ女とは結婚出来ない!」
婚約者のダラオがか弱そうな令嬢を左腕で抱き寄せ、「リセラ、怯えなくていい。私が君を守るからね」と慈しむように見つめたあと、ミーシャを睨みながら学園の大勢の生徒が休憩している広い中央テラスの中で叫んだ。
政略結婚として学園卒業と同時に結婚する予定であった婚約者の暴挙に思わず「はぁ‥」と令嬢らしからぬ返事をしてしまったが、同時に〈あ、これオープニングだ〉と頭にその言葉が浮かんだ。そして流れるように前世の自分は日本という国で、30代の会社勤め、ワーカーホリックで過労死した事を思い出した。そしてここは、私を心配した妹に気分転換に勧められて始めた唯一の乙女ゲームの世界であり、自分はオープニングにだけ登場するモブ令嬢であったとなぜか理解した。
(急に思い出したのに、こんな落ち着いてる自分にびっくりだわ。しかもこの状況でも、あんまりショックじゃない。私、この人の事をあまり好きじゃなかったのね。まぁ、いっか。前世でも結婚願望なかったし。領地に戻ったらお父様に泣きついて、領地の隅にでも住まわせてもらおう。魔物討伐に人手がいるから、手伝いながらひっそりと暮らしていけるよね)
もともと辺境伯領にて家族と共に魔物討伐に明け暮れてたミーシャ。男勝りでか弱さとは無縁だ。前世の記憶が戻った今、ダラオの宣言はありがたい。前世ではなかった魔法を使い、好きに生きてみたいミーシャに、乙女ゲームの登場人物たちがなぜかその後も絡んでくるようになり‥。
(私、オープニングで婚約破棄されるだけのモブなのに!)
初めての投稿です。
よろしくお願いします。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。