ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

745話

 途中休憩を挟んで、街道沿いの簡易宿泊所にお泊り。
 最終的には商人や旅行者向けの旅館になる予定だけど、今の時点では工事従事者さんとうちの騎士さんたちが使っている。
 今日だけは、私たちの貸切だ。
 工事も多くの馬車や馬が通るので、工事はお休みにして、近くの村に移動してもらってるそう。

 まだ建設途中な建物を見るのも初めてだと王女さまたちは見学に行っちゃう。
 ユエさまの眉間がギュッとなってるけど大丈夫かな。

『好奇心が豊かなのは良いことだね』
 ダニエラさま的には子供は元気で動き回るのが健全で、何にでも興味がある事は、将来が楽しみで良いんだって。

 興味は向上心の表れで、成長のチャンスだから、危険じゃなければ止めるのは良く無い事だ。うん。

『あまり近づき過ぎないでくださいね』
 
 きちんと固定はされてるけど、木材が崩れたり、石材が尖ってたりするし、地面だって整地が終わってない場所もある。
 
『過保護だね。ある程度は避けられる保護魔法が施されているでは無いか』
 あら、そうなの?

『体内からとは別に付与魔法や保護魔法の魔力の動きくらいは見れるようにしておきなさい。身を守る術は大事だよ』
 ダニエラさまが言うには、誘拐や強盗などに遭遇した時に相手の状態をきっちり調べないと対抗できないから、怪しい人、もしくは守らなければいけない相手は、ちゃんと魔力の色や動き、装身具が魔道具かチェックするんだって。

 そんなことを思いつく、デンジャラスな生き方してこなかったもので。
『ダニエラさまには誘拐される可能性が?』
『高魔力保持者で、ネイマーシェでは最上位の錬金術師の家系の世にも美しい、美し過ぎる令嬢だよ。危険は常にあったさ』
 おっと。自分で美しすぎるとか言っちゃうんだ。似たような顔で真面目に言われるとムズムズしちゃうよ。

『今は子供が生める歳じゃ無いからね。昔ほど危険では無いよ。愚か者にはきっちりカタつけて来てるしね。私に挑戦しようという気はもう起きないだろうね』
 ニヤッと笑う顔はい悪い笑みを浮かべてる。
 どんなカタに嵌めたんでしょう?

 しかし、子供が産める年齢か。
 高魔力を持つ自分の子が欲しいってことかな。そんなのお前に似たらどうするんだよって話なんだけど。
 子供は魔力の高い方の血を受け継ぐ可能性の方が高いんだった。
 胸糞悪いね。外見も似ちゃうから無理矢理攫って子供を産ませるとかしても犯罪が露見しちゃうよね?

『ネイマーシェや周辺国では魔力が高いことが全てだからね。男でも女でも狙われる。だがね?高魔力保持者が自分の身を守れないほど弱いものか』
 誘拐を目論んでも撃退されるというわけだけど、ワンチャン狙いってこと?リスク高過ぎない?

『幼い頃はそれこそ装身具がいっぱいだよ。体内魔力を消化しきれず暴走しかねないからね。それを誘拐すれば自身の身も危ないというのに愚か者が多くて困るのよ』

 んー?だからリーシャはいろんな制御魔法や封印魔法をされてたのかな。

『だが誘拐の成功は稀にある。向こうも対策は年々変化しているからね。自分を鍛えるしか無いのよ』

 えっと、ネイマーシェに行くのはやめておこうかな。怖い。

『レイドラアースに居れば安全でも無いぞ。奴らは稀に生まれる血筋に頼らぬ渡人も探しているからね。うっかり魔法の高いリーシャを見つける可能性もあるよ』

 顔に出てた!?心読まれた!?

『全部顔に出ておるよ。百面相だね』

 ぬぅ。

『・・・渡り人って?』
 聞き慣れない言葉が出て来た。

『こちらでは教わらぬか?神の気まぐれで稀にこの世界では無い知識を持って生まれたり、生まれ変わる前の記憶を持っている者が生まれてくると言う伝承だ』
『この世界では無い?』

 ん?

『そう言った者はあり得ないほどの魔力を有していたり、この世界では見かけない物を作り出したり、教わってもいないのに産業を発展させる方法を知ってい・・・?』
 話している途中にハッとなったダニエラさまが私を凝視する。

『・・・まさか・・・な?』
 えっと、なんかよくわからないけれど、否定しておいた方が安全だよね。

『えーと、記憶とか無いので違いマスヨ・・・』

 メグミは前世の記憶じゃないし。どちらかと言えば憑依!?それだとホラーだな。私はお化けになっちゃう。

『そんな訳はなかろうね。そうであれば兄上が何か言って来たであろうね』
 大伯父さまの全てを見透かすような視線を思い出す。
 それこそ魔力の色とか全部見ちゃうなら、何かわかったはずだ。

 うん。

 お互い微妙な顔で見つめ合う沈黙の中、
『『建物は骨組みが必要だったのだな』』
と、楽しげな明るい声が飛んできてホッとした。



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