ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

752話

 縁もたけなわ、そうなってもぴっちり終われないのが酒の席。
 若い王女さまたちマデリーさまだけ、早めの就寝なので下がった。

 半分以上は庭に移動してドンちゃんやる気満々だ。
 飲みの場はこれでいい。

 思い思いの場所でそれぞれ楽器を吹いたりし踊ったり。

「「おおっ」」

 目立っちゃうのだめだと思うのに王様が、お義父さまと剣舞を披露した。

 細い王様とガチマッチョのお義父さまで成立するの!?

 そう思ったのに王様はきっちり綺麗に踊り、お義父さまは力強く踊った。

「子供の頃は良くああやって遊んでたらしーよー」
 お忍びで辺境三家を訪ねては全力で遊び倒していたらしい王様。遊びって言うより鍛えられてたのでは!?

『うちの王族では無理ですね。腹が邪魔をして動けまい』
 ふくよかさが大事な国なので仕方ない。多分。っていうか、辛辣なユエさま。

 高官たちはそこまで太ってないのは忙しさと外遊で痩せちゃうからかな。
 船旅で痩せちゃった可能性も?船酔いとかさ。

『体格差を見ても遜色ないのだから相当研鑽を積んでるだろうね』
『一朝一夕では無理があります』
 王様をベタ褒めである。
 どうやら着痩せしてただけでちゃんと筋肉を隠していたらしい。筋肉は隠さなくて良いのに。

 王都ではマッチョはむさ苦しい、粗野に見られてモテない。
 王国騎士団の訓練場で騒いでる子たちは筋肉じゃなくイケメン探してるんだ。なので細身で王子様タイプがモテてる。

 彼女たちとは分かり合える気がしないなぁ。

 辺境の騎士さんたちは、都会の女性は華奢で壊れそうだから手を出せないらしいので、モテなくても良いか。

 ちなみに辺境女性は、若い子は王様、三十代以上はお義父さまに釘付けだ。
 お二人はどっちも年齢は同じくらい、いや、王様が少し若いのでそんなものかもしれない。

 お義父さまと王様のやり合いが終わると、ナギからも剣舞を披露してもらえた。
 やはりお国が違うので、動きも剣も違う。
 動きが柔らかく、体全体が優美に動いて。
 
『ふむ、我が国の舞も悪くないでしょう』
『ええ、とても素敵でした。とてもなめらかに動かれますね』
 足腰の流れるような動きが軟体動物のようだった。
 人体があんなふうに動くなんて不思議。

『剣舞は、神に奉納する、共に戦場をかけた魂を讃える、魔を祓う、と地域によっていろいろな意味を持っておるからそれぞれの民族の歴史や想いがこもっているのだよ』
 お祖父様と伯父様が楽しそうに語り出した。

『でもグレーデンは自分の実力を見せるだけだよー』
 セリウスさまが胸元をはだけながら混ざってきた。
『そうなんですか?』
『そうそうー、どれくらい戦闘センスが良くて、闘気をまとえるか、相手を怯ませるかとかね~?』
 楽しそうに話すセリウスさまをレオルカさまがうしろから叩いた。

『嘘ばっか言わないで。ちゃんと仲間を想ったり、命のやり取りの間に感じる精霊と神に感謝したりを込めてるんだから~』
 あ、セリウスさまは照れくさいから誤魔化しちゃう感じだったのかな。

『精霊や神の存在を感じるのですか?』
『魔法を使う時なんかにね、身も守られてたり、力を貸して頂いてる気がするんだ』
 レオルカさまも開いた胸元をパカパカさせて風を送ってる。剣舞で暑くなったのかな。

『生意気言うー、そんな神の御力を借りるほど激戦に参加してないじゃん~』
『俺はいつも本気出してるから』
 多分、王国騎士団に聞かれたら嫌な顔される程度に危険な魔獣を倒してるのにケロッと言っちゃうの。レオルカさまの言い分に勝ちをあげたい。

『ふふふ、レオルカ殿はジュリアス殿より兄弟っぽいのだね』
 年の近さと弟同士だからかな?兄弟っていうか気のおける親友とか?
 ジュリアスさまには甘えはするけど、尊敬とか憧れが強くて一歩引いてるとこがあると感じる。


 話してるうちに、剣舞は終わって本格的に飲みの姿勢になった。

 これは半裸祭りが始まるのでは!?

『ジュリアスさまのいないところで深夜の祭り参加は禁止です。そろそろ下がりましょうね』

 アランとジェイクに諭された。

「グレーデン辺境伯騎士団だけならまだしもシード騎士団もナギの騎士隊までいる中で深酒の席にいるのはダメです」

 そんなぁ・・・。


「おや、リーシャが寝るなら私もそろそろ寝ようかな」
「そうですね、父上」
「そうしましょう、リーシャ、一緒に早に行こう」

 お祖父様、伯父様、叔父様にまで言われてしまっては折れるしかなく。

「リーシャちゃん、おやすみ~」
「お、ちゃんと寝るんじゃぞぅ」
 
 楽しげな声の中、マーベルハントの家族としょんぼりお部屋に戻るのだった。







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