ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
766 / 786
三章

754話

しおりを挟む
 街までは私たち女性陣は馬車で。
 私だけならお義父さまかセリウスさまに乗せてもらって騎馬だったんだけど。

 途中、魚介がいっぱい干されてるのや、海苔を干してるのが見える。
 立派な産業になっているようで嬉しい。

 しかし海苔、赤いから変な景色だ。そのうち見慣れるかな。

 干物も地球にはいない魚とかサイズがおかしいから、本当に唖然なのよ。

 でもお義父さまや王様たちは「ほほぅ」と感心したりしてるので違和感はないんだろうな。
 海苔は私が欲しくて作り始めた初見のものだったし、干物は魚(イカもどき以外)は元からあったらしいから。

 屋台が並ぶ場所近くで馬車を降りる。
 
 海の香りと魚介の焼ける香りが混ざって、ワクワクしちゃう。
 店主たちは突然の貴族に驚いたけど、レオルカさまやお義父さま、騎士団員を見て笑顔になった。
 お義父さま、アッガスにめっちゃ顔出してるんだね。
 みなさん、王様にも慣れてる気がするのは何故かしら??

『『あれは良い香りだな?食べよう』』
 王女さまたちが指を差したのは、普通に魚の塩焼き。あの状態で食事に出されることはまず無いから興味を持ったみたい。

『うむ、ここからあそこまで全種類制覇するぞぃ』
『望むところ!!』
 お義父さまたちが屋台の列を指さして、謎の競争を始めた。
 サイズが大きいから全種類は・・・厳しく無いんだろうね。うん。

『ふふ、私らはさすがに食べられないだろうからお気に入りを探そうかね』
『『マジックバッグに入れておけば良かろう』』
 ダニエラさまが珍しく常人のようなことを言ったと思えば、王女さまたちはお金持ちの感覚で。

『これから海路で帰るのに魚料理をたくさん買うのかい?』
 それね。海で好きなだけ釣れるからね。

『『アッガス、いやグレーデンの味付けは今後ナギでは貴重に思うことになるからな』』
 あらま、嬉しいことを言ってくれる!!思わずルルゥのように「あらん♡」ってシナを作って喜んじゃうところだよ。

『確かに食に関しては近隣国の追随を許さないように思うね』
 他の国はいまだに塩味オンリーなのかなぁ?キノコの旨味とかわかってるのになぜって思うんだけど。海近くなら魚介の旨味もあるから、野菜系はエグいのが当たり前とか思ってたなら切ないね。

 でも、ダニエラさまは、携帯栄養食みたいなので暮らしてる状況だから、何食べても美味しい気がする??

 私はイカもどきの一夜干しを炙った串とホタテもどきのフリュア焼きを選んだ。
 当然一人で食べきれないのでみんなでシェアだ。
 残ってたら、お義父さまとセリウスさまがササッと食べてくれる。

『これは妻たちにもお土産に持ち帰りたいな』
『孫たちも喜ぶだろうね』
 伯父様とお祖父様が家族思いで素敵だ。
『しかしこんな美味しいものや海の話をしたら連れていけって言われるかもしれないな』

 マーベルハント家には私より年上の従兄弟と従姉妹、彼らの子である従甥姪がワラワラしてる。
 ほとんどが学者や文官なので血筋ってすごいね。私とお母さまだけ変わり種?

『でしたら、今度旅館に皆様をご招待しますよ?』
 あまりお付き合いはしてないけど、お祖父様たちを頻繁に駆り出してるんだから、おもてなしをせねば。
 海が見たいってなるとアッガス領、シード家の管理なので、予定を立てて、貸切とかやらないとダメなんだけどね。
 グレーデン領でも稼働してる旅館は予約とかあるから無理は言わないよ。
 一応、賓客や身内の来訪には備えてて、予備の空室は作られてるので人数によってはそこを使える。

『予約の手配はお願いしたいね』
『はい』
 私(孫、姪)の招待は貴族の矜持で受けられないかな?あまり押し付けがましくは出来ないので、接待内容とかで色をつけるべき?

『ふむ!ではグレーデン家としてマーベルハント家をもてなそうぞ』
 お義父さまが聞きつけてしまった。辺境伯家が前伯爵(お祖父様)と現侯爵(伯父様)一家をご招待なら格好はついてるかな。

 私もグレーデン家としてお誘いすれば良かったのか。でも家として言うなら誰かに相談してからになるかな。
 お義父さまはさりげなく私をフォローしてくれたんだ。

 お祖父様たちは恐縮しちゃう。
 お祖父様たちも予算は気にしないお金持ちだけど、グレーデン領、アッガス領に来るってなると、世間的には護衛とかいろいろ大変で行きにくい場所なんだよね。
 今はエステや甘味でグレーデンは行ってみたいけどまだ怖いって社交界では言われてるそう。

 マーベルハント家とグレーデン家は転移陣繋いであるので最低限だけど、転移陣も普通は気軽に動かせないものだし恐縮しちゃうのは仕方ない。

『ははは、マーベルハント家と縁が持ててグレーデン家は嬉しいのだから気軽に来て欲しいものだぞぅ』
『リーシャちゃんも喜ぶしねー』
 
 お義父さまとセリウスさまがニコニコと笑顔の圧でお祖父様たちを頷かせた。
 大男な二人とお祖父様たちのやりとりは少し面白い。

『『私たちも気軽にこれると良いのだがな』』
『そうだね、そうなると楽しいね』

 私たちのお話し中に、屋台の食べ物を買い足ししていた王女さまたちとダニエラさまが会話に参加。

『私一人なら転移できるけどね』
『『転移は魔力が足りぬな』』
 ナギからグレーデンまではさすがに厳しそうだし、王女さまたちが自由に他国に転移しちゃったら、ユエさまたちがハゲちゃうよ?
 高官たちも後ろで絶対やめて欲しいと首を振ってるから・・・。

 買い出しの後、塩田を見たり、塩害対策の方法なんかを話しながらの海産物の工場見学をした。

 船着場にはナギの小舟とアッガスの海軍船などが並び、ナギの客船と護衛艦は沖に並んでいる。

 出航の準備は整ってるみたい。

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない

櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。  手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。 大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。 成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで? 歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった! 出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。 騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる? 5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。 ハッピーエンドです。 完結しています。 小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。

役立たずと捨てられた薬草聖女、隣国の冷酷王太子に拾われて離してもらえません!〜元婚約者が「戻ってこい」と泣きついてきても、もう遅いです〜

きみつね
恋愛
「リリアーナ・ベルモンド。地味で陰気な貴様との婚約を破棄する!」 薬草研究以外に取り柄がないと罵られ、妹に婚約者を奪われた公爵令嬢リリアーナ。 彼女は冬の雪山に捨てられ、凍死寸前のところを隣国の氷の王太子アレクシスに拾われる。 「見つけたぞ。俺の聖女」 彼に連れ帰られたリリアーナが、その手でポーションを作ると――なんとそれは、枯れた聖樹を一瞬で蘇らせる伝説級の代物だった!? 「君の才能は素晴らしい。……どうか、俺の国で存分に力を発揮してほしい」 冷酷無比と恐れられていたはずのアレクシスは、実はリリアーナに対して過保護で甘々な溺愛モード全開! エルフの執事、魔導師団長、獣人将軍……次々と彼女の才能に惚れ込む変わり者たちに囲まれ、地味だったはずのリリアーナは、いつの間にか隣国で一番の至宝として崇められていく。 一方、リリアーナを追放した祖国では、奇病が蔓延し、ポーション不足で国家存亡の危機に陥っていた。 元婚約者たちは必死にリリアーナを探すが――。 これは役立たずと蔑まれた薬草オタクの聖女が、最高の理解者(と変人たち)に囲まれて幸せになるストーリー。 書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡

裏で国を支えていた令嬢「不純物だ」と追放されるも、強面辺境伯と共に辺境を改革する ~戻ってきてと嘆願されましたが、それに対する答えは……~、

水上
恋愛
「君のような地味な不純物は不要だ」と婚約破棄され追放されたルチア。失意の彼女を拾ったのは、皆から恐れられる辺境伯レオンハルトだった。だが彼には意外な一面があって!? ルチアはレオンハルトと共に、自らの知識や技術で領地を改革し始める。 一方、ルチアを追放した王国は、彼女の不在によって崩壊の危機に陥る。 今更戻ってきてほしいと嘆願されましたが、それに対する答えは……。

プロローグでケリをつけた乙女ゲームに、悪役令嬢は必要ない(と思いたい)

犬野きらり
恋愛
私、ミルフィーナ・ダルンは侯爵令嬢で二年前にこの世界が乙女ゲームと気づき本当にヒロインがいるか確認して、私は覚悟を決めた。 『ヒロインをゲーム本編に出さない。プロローグでケリをつける』 ヒロインは、お父様の再婚相手の連れ子な義妹、特に何もされていないが、今後が大変そうだからひとまず、ごめんなさい。プロローグは肩慣らし程度の攻略対象者の義兄。わかっていれば対応はできます。 まず乙女ゲームって一人の女の子が何人も男性を攻略出来ること自体、あり得ないのよ。ヒロインは天然だから気づかない、嘘、嘘。わかってて敢えてやってるからね、男落とし、それで成り上がってますから。 みんなに現実見せて、納得してもらう。揚げ足、ご都合に変換発言なんて上等!ヒロインと一緒の生活は、少しの発言でも悪役令嬢発言多々ありらしく、私も危ない。ごめんね、ヒロインさん、そんな理由で強制退去です。 でもこのゲーム退屈で途中でやめたから、その続き知りません。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

処理中です...