ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

754話

 街までは私たち女性陣は馬車で。
 私だけならお義父さまかセリウスさまに乗せてもらって騎馬だったんだけど。

 途中、魚介がいっぱい干されてるのや、海苔を干してるのが見える。
 立派な産業になっているようで嬉しい。

 しかし海苔、赤いから変な景色だ。そのうち見慣れるかな。

 干物も地球にはいない魚とかサイズがおかしいから、本当に唖然なのよ。

 でもお義父さまや王様たちは「ほほぅ」と感心したりしてるので違和感はないんだろうな。
 海苔は私が欲しくて作り始めた初見のものだったし、干物は魚(イカもどき以外)は元からあったらしいから。

 屋台が並ぶ場所近くで馬車を降りる。
 
 海の香りと魚介の焼ける香りが混ざって、ワクワクしちゃう。
 店主たちは突然の貴族に驚いたけど、レオルカさまやお義父さま、騎士団員を見て笑顔になった。
 お義父さま、アッガスにめっちゃ顔出してるんだね。
 みなさん、王様にも慣れてる気がするのは何故かしら??

『『あれは良い香りだな?食べよう』』
 王女さまたちが指を差したのは、普通に魚の塩焼き。あの状態で食事に出されることはまず無いから興味を持ったみたい。

『うむ、ここからあそこまで全種類制覇するぞぃ』
『望むところ!!』
 お義父さまたちが屋台の列を指さして、謎の競争を始めた。
 サイズが大きいから全種類は・・・厳しく無いんだろうね。うん。

『ふふ、私らはさすがに食べられないだろうからお気に入りを探そうかね』
『『マジックバッグに入れておけば良かろう』』
 ダニエラさまが珍しく常人のようなことを言ったと思えば、王女さまたちはお金持ちの感覚で。

『これから海路で帰るのに魚料理をたくさん買うのかい?』
 それね。海で好きなだけ釣れるからね。

『『アッガス、いやグレーデンの味付けは今後ナギでは貴重に思うことになるからな』』
 あらま、嬉しいことを言ってくれる!!思わずルルゥのように「あらん♡」ってシナを作って喜んじゃうところだよ。

『確かに食に関しては近隣国の追随を許さないように思うね』
 他の国はいまだに塩味オンリーなのかなぁ?キノコの旨味とかわかってるのになぜって思うんだけど。海近くなら魚介の旨味もあるから、野菜系はエグいのが当たり前とか思ってたなら切ないね。

 でも、ダニエラさまは、携帯栄養食みたいなので暮らしてる状況だから、何食べても美味しい気がする??

 私はイカもどきの一夜干しを炙った串とホタテもどきのフリュア焼きを選んだ。
 当然一人で食べきれないのでみんなでシェアだ。
 残ってたら、お義父さまとセリウスさまがササッと食べてくれる。

『これは妻たちにもお土産に持ち帰りたいな』
『孫たちも喜ぶだろうね』
 伯父様とお祖父様が家族思いで素敵だ。
『しかしこんな美味しいものや海の話をしたら連れていけって言われるかもしれないな』

 マーベルハント家には私より年上の従兄弟と従姉妹、彼らの子である従甥姪がワラワラしてる。
 ほとんどが学者や文官なので血筋ってすごいね。私とお母さまだけ変わり種?

『でしたら、今度旅館に皆様をご招待しますよ?』
 あまりお付き合いはしてないけど、お祖父様たちを頻繁に駆り出してるんだから、おもてなしをせねば。
 海が見たいってなるとアッガス領、シード家の管理なので、予定を立てて、貸切とかやらないとダメなんだけどね。
 グレーデン領でも稼働してる旅館は予約とかあるから無理は言わないよ。
 一応、賓客や身内の来訪には備えてて、予備の空室は作られてるので人数によってはそこを使える。

『予約の手配はお願いしたいね』
『はい』
 私(孫、姪)の招待は貴族の矜持で受けられないかな?あまり押し付けがましくは出来ないので、接待内容とかで色をつけるべき?

『ふむ!ではグレーデン家としてマーベルハント家をもてなそうぞ』
 お義父さまが聞きつけてしまった。辺境伯家が前伯爵(お祖父様)と現侯爵(伯父様)一家をご招待なら格好はついてるかな。

 私もグレーデン家としてお誘いすれば良かったのか。でも家として言うなら誰かに相談してからになるかな。
 お義父さまはさりげなく私をフォローしてくれたんだ。

 お祖父様たちは恐縮しちゃう。
 お祖父様たちも予算は気にしないお金持ちだけど、グレーデン領、アッガス領に来るってなると、世間的には護衛とかいろいろ大変で行きにくい場所なんだよね。
 今はエステや甘味でグレーデンは行ってみたいけどまだ怖いって社交界では言われてるそう。

 マーベルハント家とグレーデン家は転移陣繋いであるので最低限だけど、転移陣も普通は気軽に動かせないものだし恐縮しちゃうのは仕方ない。

『ははは、マーベルハント家と縁が持ててグレーデン家は嬉しいのだから気軽に来て欲しいものだぞぅ』
『リーシャちゃんも喜ぶしねー』
 
 お義父さまとセリウスさまがニコニコと笑顔の圧でお祖父様たちを頷かせた。
 大男な二人とお祖父様たちのやりとりは少し面白い。

『『私たちも気軽にこれると良いのだがな』』
『そうだね、そうなると楽しいね』

 私たちのお話し中に、屋台の食べ物を買い足ししていた王女さまたちとダニエラさまが会話に参加。

『私一人なら転移できるけどね』
『『転移は魔力が足りぬな』』
 ナギからグレーデンまではさすがに厳しそうだし、王女さまたちが自由に他国に転移しちゃったら、ユエさまたちがハゲちゃうよ?
 高官たちも後ろで絶対やめて欲しいと首を振ってるから・・・。

 買い出しの後、塩田を見たり、塩害対策の方法なんかを話しながらの海産物の工場見学をした。

 船着場にはナギの小舟とアッガスの海軍船などが並び、ナギの客船と護衛艦は沖に並んでいる。

 出航の準備は整ってるみたい。

 

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