ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

771話

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 屋敷に戻る途中、庭師さんが来てツァイトのお家ができたと教えてくれた。
 ほぼ一日で仕上げられたのは煉瓦作りの二階建てくらいの建物だ。

 説明を受けつつ内部を見せてもらうと、当然と言ってはなんだけど、シンプル。家具も何もない。ワイバーンたちは崖の上などで暮らすから快適な場ってなんだろう??

 伸び伸び過ごしたい時は厩舎か騎士団の方に行ってもらうか、ワイバーンたちの棲処にってもらうしかないね。

「ギャギャギャ!!」
 ツァイトは自分のお家が出来たことを喜んでくれて、ポムたちが遊べる場所を作って欲しいと言ってるそうだ。
 ポムたちの小屋は厩舎近くにあるんだけど。

「プッキュウウ」
「モキュ」
 日当たりの良い窓の一画を身振り手振りで陣取ってる。
 アズライトが、ポムたちは簡単なアスレチックが欲しいと言ってると教えてくれた。
 勝手に人工的なツリーハウスのようなイメージを考えてたんだけど、蔦で作ったブランコや雲梯のようなのがあればポムたちは休憩が出来るのだった。

 ツァイトにベッドはいらないかもだけどあんまりに殺風景なので多少飾り付けをしたい。
 
 と言っても動きが大雑把だろうから細かなものは置けないね。

 ポムたちとツァイトと話し合った結果大きな岩と蔦植物と簡易なお風呂型の水場が欲しいって。

 お風呂に入りとたいとかじゃなく、水飲んだり、顔を洗ったりするらしい。ポムたちは泳ぐんだそうだ。楽しそうでいいね。

 食事は毎日運ばれてくるんだけど、ポムたちは別にフルーツの籠盛りを置けと言う。ツァイトには果物よりお肉じゃないの???

 相談した結果、って言うか押され負けただけなんだけど、屋内から外に飛び出さないサイズの果実のなる木をいくつか植えることに。

「プッキュン」
「モッキュン」
「ギャ?」
 満足気なポムとティムに、よくわかってないらしいツァイト。
 体のサイズが全く違うのにツァイトは子分にされてしまったよ。

『まぁ、みんなの憩いの場所となっても良いのではないかの』

 みんなの寝床より一番近い場所のツァイトの寝床が置かれたことで、不公平感があるからだそう。

 ポムとティムには小屋があるし、アズライトの池にも遊び場があるのにまだ陣地が欲しいんだね。

 私とジュリアスさまの部屋に入り浸りのジャスパーはなぜズルくないのかって言えば、別に私たちに張り付いていたいわけじゃないから。
 ただ、美味しいご飯をくれる優しいコックさんたちと侍女さんたちに一番近い場所に寝床があるのはズルいんだって。
 普段好きにあちこち行ってるくせに!
 屋敷の中にツァイトは入れないのでポムたちもアズライトもズルいと思うんだけど?
 この子達の基準は私にはわからないよ。

文句があったならもっと早く言えばいいのにね。

「まぁいいや。作業は明日ね」
 もうそろそろみんな帰ってくるから屋敷に戻ろう。

 ツァイトは早速この寝床のお泊まりだ。何もないけど平気みたい。一応見守りとご飯担当の元騎士さんが交代でツァイトのお世話係をしてくれる。
 家族と離れてなれない場所で過ごすツァイトのことをしっかりお願いしておいた。
 アズライトがしばらくは夜も近くにいてくれるつもりらしい。兄貴風を吹かすならポムたちもちゃんと気にして欲しいものだ。


 そんなわけで、屋敷に戻ろうと思ったら、ジュリアスさまが入ってきた。
 思っていたより時間が経っちゃってたみたい。

「ただいま、リーシャ。ツァイトの魔道具は無事出来たようだな」

 ジュリアスさまが目線的には同じくらいになったツァイトの首をガシガシ撫でると、ツァイトは気持ちよさそうにジュリアスさまに首を押し付けてる。
「グギャー♪」
 あれくらいのパワーで掻いても全然平気なんだねぇ。

「今度夜の散歩にも一緒に行こうな」
「ギャ!」

 大きなラヴァたちを見慣れてるから、人間に近い背丈になってるツァイトとジュリアスさまの様子はちょっと不思議な感じだね。

 一通り撫で回して満足したジュリアスさまが手を離すと、ツァイトは私をベロンとした。

「グギャギャ!」
(また明日ね)
 アズライトに訳された言葉に、
「はい。また明日。良い子にしててね」
と返して外に出ると、ジュリアスさまに抱っこされて戻ることに。




_________


 間が空いて申し訳ありません。
 いつもなら騒がしかった彼らが今はとても静かです。
 徐々に元のペースに持っていけるよう頑張ります。

 暑さ厳しくなってまいりました。
 熱中症などお気をつけてお過ごしください。



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