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二試合目、出番が回ってきた。
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お互いにある程度の手札を見せた事で試合が硬直したのか、ロナちゃんと相手の暗器使いがにらみ合う形となった。ロナちゃんは相手の暗器の恐ろしさを知り、相手はロナちゃんのパワーとスピードを知ったという所か。ここからが肝心なのだが、さてどう動くか。そう考えていたら暗器使いがアイテムを左手に持った直後、それを地面にたたきつけた。直後、大量の煙が立ち上った。
(煙玉か。攻めに使うのか? それとも──)
答えは、交代するために使ったようだ。後ろに暗器使いが後ろに引いてチームメンバーの所へと向かうのが分かる。それを理解したロナちゃんの選択は──交代のようだ。こちらに走り寄ってきて手を伸ばしてくる。
「アース君、お願い!」「任させた」
ロナちゃんの手を取って交代。自分が武舞台の上に上る。まだ煙玉が発生させた大量の煙は晴れてはいないが、向こうの動きは大体わかる。あっちも交代が済んだようだが動く気配がない。煙玉の煙が晴れるまで動かないつもりなのか? それならそれで構わない、むしろ好都合という奴だ。八岐の月に矢を番え、煙の向こうに見える影を狙って矢を同時に三本放つ。狙いは頭。
(どうだ?)
音で矢が放たれた事を察したのか、向こうも回避行動をとっていたようだ。が、間に合わなかったようだ。矢が突き刺さる音が聞こえたのと手ごたえを感じたのはほぼ同時。一撃必殺とはいかなかったようだが、明確なダメージを与えたのは間違いない。このタイミングで煙玉の効果時間が終わったのか、煙が一気に晴れていく。
「ぐ、なぜ……」
交代して武舞台の上に上がっていたのは大剣使いだったようだ。頭部に矢が二本刺さっているのが見える。だが倒れていないという事は当たり所がイマイチだったか、それともあの頭部を守るガッチリとした防具が装着者を必死で守ったという事だろうか。だが、明確に血を流し、ダメージを隠しきれていない。
「そちらが煙に紛れても、こちらは完全に見通せなくなるわけじゃないんだ」
スキル《百里眼》と《危険察知》の組み合わせである程度の看破は可能だ。もちろん相手が隠蔽系列の隠れる技術を持っていればまた話は変わってくるけど、その手の技術を持っていない人相手ならば今の自分にはあまり煙玉などの視覚妨害系の行動をとっても視覚妨害の効果は薄い。向こうにとっては安全に交代できる手札だと思っていたんだろうけど、残念だったな。
わざわざ近寄る必要もないので、自分は射撃攻撃を継続して大剣使いに圧を掛けていく。相手は大剣を盾として運用しガードしているが自分に近寄れない。こちらの矢の威力が高い事もあって、時々ノックバックが発生しているからな──ノックバックとは相手を後方につき飛ばす効果の事だ。
更にガードしていても、ダメージは完全にゼロにはならない。中盾や大盾使いが攻撃を受け流せば無力化も出来るんだが、今の大剣使いは単純に大剣を自分の前に出して体を守っているだけに過ぎない。故に矢が直接刺ささらなくてもその衝撃は突き抜ける。それに加えて自分が使っている八岐の月は並の弓じゃない。向こうは相当苦しいはずだ。
交代しようというそぶりを見せた瞬間、自分は先手を打って移動先を読んで射撃を行う。気が付いて咄嗟に足を止める相手だが、動揺がこちらにまで伝わってくる。そうして止まった所に再び矢によるダメージを与えていく。ここでこの大剣使いは削り切って落としてしまいたい。一人目を早く減らせれば、大きく有利になるのだから。
当然向こうもこちらの考えは理解しているだろう。だからこそ何とか交代しようとするのだが──自分に行動を潰されまくる為それは叶わない。そして焦れた相手は乱入を選択したようだ。入ってきたのは暗器使い。こちらに駆け寄りつつ、テンポをずらしながら細い針を自分に向かって何本も投げつけてくる。
が、自分はこの針を魔王様から頂いたマントで受け流した。もちろんただ突っ立っているのではなく受け流しやすいように動いたけれど……そしてこれはただ格好をつけるためにやった事ではない。マントの効果の一つである『二〇%の確率で完全反射する』の効果を発動させる事を狙ったのだ。効果が発動して、相手に針が返って命中すれば……出てきた暗器使いを落とせるのではないかと。
こういうチーム戦の形を取る格闘ゲームでは、乱入者の攻撃を回避した後に攻撃を当ててコンボに繋げ、乱入者の方をKOしてしまうという戦略がある。もちろん早々狙えるものではないが、成功すれば相手に与える心理的な優位性は圧倒的な物がある。今回ロナちゃんが暗器使いの針の毒は麻痺系統であると教えてくれた。だから狙う価値はあると思ったのだ。
外套によって弾かれた針は地面に落ちていくが、一本だけ暗器使いに向かって針が飛ぶ。完全に想定外な反撃をされた暗器使いはその針を左肩あたりに受けた。すると足から崩れ落ち、走っていた勢いがあるので地面を転がりながら速度を落としていく。その姿に自分は矢を番え、頭部を狙って矢を放ちすぐさま大剣使いの方へと向き直る。
大剣使いが目を見開いたのが見えた。自分も手ごたえを感じていた。どうやら放った矢はしっかりと当たったらしい──暗器使いをKOする事に成功したのだ。まあ、八岐の月の射撃を頭部に三発もまともに受ければ、よっぽどの重装甲でない限り防具が護り切れる物じゃないからな。
「──狙ったのか?」「もちろん」
大剣使いの独り言に近い問いかけに、自分は短く答えた。いやまあ、成功するかどうかは分からなかったけど狙ったという事は事実だからね。自分の言葉を聞いた大剣使いから、動揺を感じる。もちろん、その動揺が収まるまで待つ理由はない。再び射撃による削りを再開する。大剣使いは動揺もあってか、防御の精度が甘くなっている。
一本の矢が大剣使いの左膝あたりを捉えて──そこからは一気に崩しきった。痛みで硬直した所を狙い撃って行く。右腕、左腕、そして右足の順番で射抜いて動きを封じ、大剣で身を守れなくなったところで頭部を貫いた。やり方が残酷かもしれないが、大剣使いはかなり良い鎧を着ていたので、こういう手段を取ったのだ。
「容赦、ねえな……えげつねえぜ……」
そう言い残して大剣使いは退場した。なんというか、周囲の空気が引いている感じがする。四肢を打ち抜いてから脳天を貫くというのは流石に残虐過ぎたかも──が、確実に勝つための手段の一つだしなぁ。さて、そろそろ交代するかなと思ってロナちゃんとミリーの方を見ると、二人ともジェスチャーでそのままいっちゃえ! と伝えてきた。まあ、いいか。二人の実力を隠して温存できるならそれに越したことはないし。
向こうは最後の双剣使いが上がってきたが、顔色がかなり悪い。大丈夫だろうか?(全力ですっとぼけ)。そして、すぐさま双剣使いは自分に向かってある程度左右に動きながら距離を詰めてくる。遠距離戦で火だるまにされるのは勘弁願うという感情がひしひしと見て取れる。
(ならば、近距離戦で対応しましょうか。レガリオンも準備して、と)
双剣使いが近距離の間合いに入る前にレガリオンにしてから八岐の月とレガリオンの近距離戦の構えを取る。双剣使いの表情が驚きに代わるが、それでも脚は止まらない。距離が詰まり、双剣使いの初太刀を自分はレガリオンで受け流す。このまま倒して、初戦勝利と行こうじゃないか。
(煙玉か。攻めに使うのか? それとも──)
答えは、交代するために使ったようだ。後ろに暗器使いが後ろに引いてチームメンバーの所へと向かうのが分かる。それを理解したロナちゃんの選択は──交代のようだ。こちらに走り寄ってきて手を伸ばしてくる。
「アース君、お願い!」「任させた」
ロナちゃんの手を取って交代。自分が武舞台の上に上る。まだ煙玉が発生させた大量の煙は晴れてはいないが、向こうの動きは大体わかる。あっちも交代が済んだようだが動く気配がない。煙玉の煙が晴れるまで動かないつもりなのか? それならそれで構わない、むしろ好都合という奴だ。八岐の月に矢を番え、煙の向こうに見える影を狙って矢を同時に三本放つ。狙いは頭。
(どうだ?)
音で矢が放たれた事を察したのか、向こうも回避行動をとっていたようだ。が、間に合わなかったようだ。矢が突き刺さる音が聞こえたのと手ごたえを感じたのはほぼ同時。一撃必殺とはいかなかったようだが、明確なダメージを与えたのは間違いない。このタイミングで煙玉の効果時間が終わったのか、煙が一気に晴れていく。
「ぐ、なぜ……」
交代して武舞台の上に上がっていたのは大剣使いだったようだ。頭部に矢が二本刺さっているのが見える。だが倒れていないという事は当たり所がイマイチだったか、それともあの頭部を守るガッチリとした防具が装着者を必死で守ったという事だろうか。だが、明確に血を流し、ダメージを隠しきれていない。
「そちらが煙に紛れても、こちらは完全に見通せなくなるわけじゃないんだ」
スキル《百里眼》と《危険察知》の組み合わせである程度の看破は可能だ。もちろん相手が隠蔽系列の隠れる技術を持っていればまた話は変わってくるけど、その手の技術を持っていない人相手ならば今の自分にはあまり煙玉などの視覚妨害系の行動をとっても視覚妨害の効果は薄い。向こうにとっては安全に交代できる手札だと思っていたんだろうけど、残念だったな。
わざわざ近寄る必要もないので、自分は射撃攻撃を継続して大剣使いに圧を掛けていく。相手は大剣を盾として運用しガードしているが自分に近寄れない。こちらの矢の威力が高い事もあって、時々ノックバックが発生しているからな──ノックバックとは相手を後方につき飛ばす効果の事だ。
更にガードしていても、ダメージは完全にゼロにはならない。中盾や大盾使いが攻撃を受け流せば無力化も出来るんだが、今の大剣使いは単純に大剣を自分の前に出して体を守っているだけに過ぎない。故に矢が直接刺ささらなくてもその衝撃は突き抜ける。それに加えて自分が使っている八岐の月は並の弓じゃない。向こうは相当苦しいはずだ。
交代しようというそぶりを見せた瞬間、自分は先手を打って移動先を読んで射撃を行う。気が付いて咄嗟に足を止める相手だが、動揺がこちらにまで伝わってくる。そうして止まった所に再び矢によるダメージを与えていく。ここでこの大剣使いは削り切って落としてしまいたい。一人目を早く減らせれば、大きく有利になるのだから。
当然向こうもこちらの考えは理解しているだろう。だからこそ何とか交代しようとするのだが──自分に行動を潰されまくる為それは叶わない。そして焦れた相手は乱入を選択したようだ。入ってきたのは暗器使い。こちらに駆け寄りつつ、テンポをずらしながら細い針を自分に向かって何本も投げつけてくる。
が、自分はこの針を魔王様から頂いたマントで受け流した。もちろんただ突っ立っているのではなく受け流しやすいように動いたけれど……そしてこれはただ格好をつけるためにやった事ではない。マントの効果の一つである『二〇%の確率で完全反射する』の効果を発動させる事を狙ったのだ。効果が発動して、相手に針が返って命中すれば……出てきた暗器使いを落とせるのではないかと。
こういうチーム戦の形を取る格闘ゲームでは、乱入者の攻撃を回避した後に攻撃を当ててコンボに繋げ、乱入者の方をKOしてしまうという戦略がある。もちろん早々狙えるものではないが、成功すれば相手に与える心理的な優位性は圧倒的な物がある。今回ロナちゃんが暗器使いの針の毒は麻痺系統であると教えてくれた。だから狙う価値はあると思ったのだ。
外套によって弾かれた針は地面に落ちていくが、一本だけ暗器使いに向かって針が飛ぶ。完全に想定外な反撃をされた暗器使いはその針を左肩あたりに受けた。すると足から崩れ落ち、走っていた勢いがあるので地面を転がりながら速度を落としていく。その姿に自分は矢を番え、頭部を狙って矢を放ちすぐさま大剣使いの方へと向き直る。
大剣使いが目を見開いたのが見えた。自分も手ごたえを感じていた。どうやら放った矢はしっかりと当たったらしい──暗器使いをKOする事に成功したのだ。まあ、八岐の月の射撃を頭部に三発もまともに受ければ、よっぽどの重装甲でない限り防具が護り切れる物じゃないからな。
「──狙ったのか?」「もちろん」
大剣使いの独り言に近い問いかけに、自分は短く答えた。いやまあ、成功するかどうかは分からなかったけど狙ったという事は事実だからね。自分の言葉を聞いた大剣使いから、動揺を感じる。もちろん、その動揺が収まるまで待つ理由はない。再び射撃による削りを再開する。大剣使いは動揺もあってか、防御の精度が甘くなっている。
一本の矢が大剣使いの左膝あたりを捉えて──そこからは一気に崩しきった。痛みで硬直した所を狙い撃って行く。右腕、左腕、そして右足の順番で射抜いて動きを封じ、大剣で身を守れなくなったところで頭部を貫いた。やり方が残酷かもしれないが、大剣使いはかなり良い鎧を着ていたので、こういう手段を取ったのだ。
「容赦、ねえな……えげつねえぜ……」
そう言い残して大剣使いは退場した。なんというか、周囲の空気が引いている感じがする。四肢を打ち抜いてから脳天を貫くというのは流石に残虐過ぎたかも──が、確実に勝つための手段の一つだしなぁ。さて、そろそろ交代するかなと思ってロナちゃんとミリーの方を見ると、二人ともジェスチャーでそのままいっちゃえ! と伝えてきた。まあ、いいか。二人の実力を隠して温存できるならそれに越したことはないし。
向こうは最後の双剣使いが上がってきたが、顔色がかなり悪い。大丈夫だろうか?(全力ですっとぼけ)。そして、すぐさま双剣使いは自分に向かってある程度左右に動きながら距離を詰めてくる。遠距離戦で火だるまにされるのは勘弁願うという感情がひしひしと見て取れる。
(ならば、近距離戦で対応しましょうか。レガリオンも準備して、と)
双剣使いが近距離の間合いに入る前にレガリオンにしてから八岐の月とレガリオンの近距離戦の構えを取る。双剣使いの表情が驚きに代わるが、それでも脚は止まらない。距離が詰まり、双剣使いの初太刀を自分はレガリオンで受け流す。このまま倒して、初戦勝利と行こうじゃないか。
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