あやかしがくえん

カルマ

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 ここで、少し、時系列を遡ろう。

 あれは、去年のクリスマスに起こった、全く嬉しくない、聖夜の贈り物をもらった話である。

 僕は、お化けに襲われたのだ。

 街を歩く人々は、家族、恋人、あるいは友人と楽しく、輝かしい街を歩いている中、僕は襲われた。街を照らし出すイルミネーションの光が届かない、裏路地で。

 光の届かない裏路地で、その姿はよく見えなかった。ただ、それでも、その何かを見た僕はあまりの恐怖に身動きが取れなかった。

 髪が長かったのは覚えている。

 もしかしたら、女性なのかもしれない。

 どうして、僕がお化けかと思ったのかと言うと。

 その女性と思わしき何かには──脚が生えていなかった。

 それなのに、宙に浮いている。

 その女性と思わしき何かに、僕の心臓は抉り取られた。

 そう。

 僕はあの、聖夜の日に、一度──死んでいる。

 そんなことがあったのにも関わらず、だ。なぜ僕が生きているのかと言うと、手術が上手くいったわけじゃない。むしろ、あの時の僕を見つけたのは、救急隊員や、警察の人ではない。

 僕を見つけたのは、一人の通りすがりの、綺麗なお姉さんに命を与えられた。

 その人のお陰で、どうにか生き返った。それでも、今でも僕の心臓がある部分には──禍々しい傷跡が残っている。

 僕の心臓には──悪魔の心臓が埋め込まれている。

 その心臓の力で、僕は人間の身体能力等、逸脱してしまったのだ。もちろん加減をすれば、人並みの振りをすることができる。これが、僕の誰にも知られたくのない、秘密だ。

 もしも、あのペティナイフがかなり深いところまで突き刺さっていれば果たしてどうだったか、わからないが、あの、浅さならば、完治するのに三十秒もかからない。だって、悪魔の治癒能力は凄まじいんだとか。
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