9 / 43
第二試験(2)
しおりを挟む
sランクに勝利だと⁉ 不可能だ、在学中の生徒でさえそんな条件クリアできるわけが無い。俺が心中でそんなことを思っていると、周りも当然同じことを思っていたのか、会場内がざわついていた。試験官はその動揺が毎年恒例と言わんばかりの落ち着きようで、まるで俺たちを諭すかのように不足の説明を話した。
「今、そんなの無理に決まっている。できるわけが無いと、皆さんお考えでしょう。勝利条件の補足です、勝利条件はあくまでsランク冒険者に勝利、つまり、倒すこと。それと同時に各冒険者の方には一定の陣地を設けております。そこに立てているフラッグを倒すことも勝利条件と致します。今から三十分ほど時間を取ります。その間に各々作戦を立ててください」
なるほど、一見無理そうに見えて、中々に考えられた試験だな。力に加え起点の鋭さもこの試験であれば一目瞭然という訳だ。さて、俺たちのグループはどうする? 一人、この試験の打開策を考えていると不意に声をかけられた。
「クロム、この試験どうお考えですか?」
「シャルルか、いや、さっぱりだ。そもそも相手の冒険者が出てこないと対策のしようがない」
「それもそうですね、では作戦はいかがしますか?」
「いや、待て。何故俺に指示を仰ぐんだ? そんなのシャルルがやればいいだろ?」
「クロムの意見も聞きたいのです。あなたなら私にも見えていないものまで見通していそうなので」
「悪い。今回は役に立てそうにない。他をあたってくれ」
そう言うと、シャルルは不機嫌そうな顔を浮かべて、皆の元に駆け寄り作戦会議を始めた。今回は流石に目立つような行動は控えるべきだ。俺は今回後方支援に専念しよう。俺がそう決意を決めていると、何やら纏まりを見せつつある雰囲気が感じられた。やはり、シャルルは何かしらのスキルを使っているのか? その疑問を晴らすべく、スキル解析(スキャン)を使いシャルルを解析した。
自身のステータスに何の妨害もしていなかったため、容易に解析ができた。俺の読み通り、シャルルはスキル導く者というスキルを保有していた。更にそのスキルはシャルルのオリジンスキルに該当するものだった。流石王族、星五のオリジンスキルか、権能は状況判断、人心掌握、適正配置、というものだった。これは使い手に左右されると思ったが、シャルルが扱うに相応しいスキルなのだろう。
作戦が決まった。作戦はかなり拙いものだが、陣形はそれなりに悪くなかった。アタッカーが前衛。ディフェンダーが中盤。サポーターが後衛を務める形の陣形だ。俺はもちろん後方支援の後衛に配属された。いや、何故か前衛に名前が挙がっていたので、しれっと後衛に避難してきたのだ。
そして、与えられていた時間の猶予が終わり、第二試験が開始された。
「今、そんなの無理に決まっている。できるわけが無いと、皆さんお考えでしょう。勝利条件の補足です、勝利条件はあくまでsランク冒険者に勝利、つまり、倒すこと。それと同時に各冒険者の方には一定の陣地を設けております。そこに立てているフラッグを倒すことも勝利条件と致します。今から三十分ほど時間を取ります。その間に各々作戦を立ててください」
なるほど、一見無理そうに見えて、中々に考えられた試験だな。力に加え起点の鋭さもこの試験であれば一目瞭然という訳だ。さて、俺たちのグループはどうする? 一人、この試験の打開策を考えていると不意に声をかけられた。
「クロム、この試験どうお考えですか?」
「シャルルか、いや、さっぱりだ。そもそも相手の冒険者が出てこないと対策のしようがない」
「それもそうですね、では作戦はいかがしますか?」
「いや、待て。何故俺に指示を仰ぐんだ? そんなのシャルルがやればいいだろ?」
「クロムの意見も聞きたいのです。あなたなら私にも見えていないものまで見通していそうなので」
「悪い。今回は役に立てそうにない。他をあたってくれ」
そう言うと、シャルルは不機嫌そうな顔を浮かべて、皆の元に駆け寄り作戦会議を始めた。今回は流石に目立つような行動は控えるべきだ。俺は今回後方支援に専念しよう。俺がそう決意を決めていると、何やら纏まりを見せつつある雰囲気が感じられた。やはり、シャルルは何かしらのスキルを使っているのか? その疑問を晴らすべく、スキル解析(スキャン)を使いシャルルを解析した。
自身のステータスに何の妨害もしていなかったため、容易に解析ができた。俺の読み通り、シャルルはスキル導く者というスキルを保有していた。更にそのスキルはシャルルのオリジンスキルに該当するものだった。流石王族、星五のオリジンスキルか、権能は状況判断、人心掌握、適正配置、というものだった。これは使い手に左右されると思ったが、シャルルが扱うに相応しいスキルなのだろう。
作戦が決まった。作戦はかなり拙いものだが、陣形はそれなりに悪くなかった。アタッカーが前衛。ディフェンダーが中盤。サポーターが後衛を務める形の陣形だ。俺はもちろん後方支援の後衛に配属された。いや、何故か前衛に名前が挙がっていたので、しれっと後衛に避難してきたのだ。
そして、与えられていた時間の猶予が終わり、第二試験が開始された。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる