あなたが私を好きなだけ

世羅

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休日の昼間

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 あれから、黒崎の制止を振り払って絢音はブランチの準備をし、黒崎を起こしに寝室へと向かった。声をかけたが起きる気配がない。黒崎が寝ている方へと向かえば、思いっきりベッドに引きずりこまれた。絢音は突然の出来事に驚いてしまい、目をパチクリとさせた。





「絢音、そんな様子で初夜は大丈夫か?」





 からかい気味で、黒崎がそう言って絢音の腰に手を回した。





「ま、まだ日中ですよ!!!!ご飯作ったので起きてください」





「あまり今からいじめてもかわいそうだからな」




 そう言って、黒崎はすんなり起きてくれ、無事に食事を共にした。食事をしおえて、食器を洗っていると後ろから抱きしめられた。彼の手は、ゆっくりと綾音の胸下を撫でた。


「や、やめてください」


「少しぐらいいいだろ?  新婚なんだから?」

   食器を洗い終えたらにしてほしいと言って、なんとか説き伏せた。家事を終えれば、ソファに来るようにと促され、ソファのほうにいくとぐいっと手首を掴まれた。 


   ソファに寝転ぶ黒崎の上に、綾音が雪崩れ込むかたちになった。おろしてください!と言えば、いやだと言われる。


「綾音の胸のサイズだとちょうど谷間が見えていやらしいね。悪くない」


「ちょっ……」


「もしかして、わざと胸元が見えるような服にした?」


「違います!」


  顔を真っ赤にするほど綾音はそういうことに関しては無知だ。あははと黒崎は笑って、綾音をおろした。そして、少し寝かせてくれと言って、彼女の膝に頭をのせた。


  胸下まである彼女の髪をくるくると指に絡めとって遊び始めた。




(契約結婚と言っても、妻としての義務は果たせってことなんでしょう……)


   いくら契約だとはいえ、養ってもらっているのだから体を差し出すくらいは当然だと綾音は思った。けれども、なぜかもやもやしてしまうのはなんでだろうか。

  見下ろした黒崎が目を閉じたまま、どうした?と言ってきて、なんでもありませんと返した。




   黒崎が勝手に自分を見込んだだけ。
   綾音には元から無縁な人間で、たまたま機会があったから側にいるにすぎない。




    そして、契約が終わったならば




    黒崎のもとから消えればいいだけだ。






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