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アリスとジュード 01

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「「…………………………」」

翌日。レオンハルトとライムは2人で冒険者ギルドへと向かった。

宿の部屋にはアリスと、なぜかジュードが残った。

「ジュードは行かないの?」

「あぁ」

「なんで?」

アリスは大抵、2日依頼を受けて1日休んで、というサイクルで冒険者をしている。
休みは5日に1回程度でいいとアリス自身は思っているのが、それをレオンハルトたちは許してくれないのだ。
一度それを言ったのだが、一考することもなく却下された。
低ランクの依頼はさほど難しくないため、1日に最低5つ、多ければ10近い量の依頼を受けているのだが、それも要因の一つだろう。

アリスが依頼を受ける時はレオンハルトたち3人のうち1人がお目付け役としてアリスに同行して、他の2人は他の依頼を受ける。
アリスが休みの日は レオンハルトたちは依頼を受けたり休んだり、それぞれ思い思いに過ごしている。


ここにいるのが、レオンハルトかライムならば アリスも不思議には思わない。
ジュードだから違和感を覚えたのだ。

―少なくとも、アリスはジュードが全員まとめて休みと決めた日以外で休んでいるところをまだ見たことがなかった。

ましてや、休みだからと一緒の部屋にいる理由など、わかるわけがなかった。


「お前に話があんだよ」

「話?」

「とりあえず、俺を鑑定してみろ」

「は? 何? 急に」

「いいから、しろ」

「わかった……


…………って、ちょっと待って?

なんで私が鑑定スキル持ってるって知ってるの? 言ってないのに!」

ジュードがあまりにも有無を言わせない態度をとり、
普段からは想像もつかないほどの真剣な眼差しをしていたために、アリスは大人しく従うことを決めた。

そしてジュードを鑑定した。

……のだが、ブォンというアリスにしか聞こえない・見えないステータス画面の登場とほとんど同時に、アリスは気づいたのだ。そして叫んだ。

「なんで、ってそりゃあ……」

「み」

「み?」

「みみみ、見た? ていうかどこまで見えてる!?」

ここでアリスは、ジュードに鑑定スキルがあることをようやく確認したのだった。


「あー……ほぼ全部、だな。でも称号だけが見えない。見えないっつか、読めない、が正しいな」

「…………レオとライムは?」

「鑑定スキルは持ってない。

お前に 剣術と体術、あと料理と魔力制御と鑑定があることは聞かれたから答えた。その他の魔法適性はこの前調べたやつしか知らないから大丈夫だ。

……ユニークスキルのことも、言っていない」

「………………」

アリスは頭を抱えた。頭を抱えるしか、なかった。

「と」

「と?」

「とりあえずちょっと待って?

いろいろ、無理。頭 整理追いつかない」

あからさまにこれまでとまるで異なる、年相応(この場合は見た目の)に落ち着きなく狼狽えるアリスに対して ジュードは普段とは反対に、酷く落ち着いてるように見えた。それが余計にアリスの混乱を招くのだった。
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