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ご使用になった耳かきは差し上げます。
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「この耳かきって、職人さんの手作りっていってますけど、どういう人が作っているんですか?」
傑が何気なく聞くと。
「今は嫁さんが、昔馴染みの竹材扱っているやつがいて、そいつの息子の嫁さんが作っている」
タモツの若いときの話。
「なかなか良いものがねえもんだな」
耳かきを探すも、既存のものではなかなかなく、じゃあ自分で作るかと想っていたら、木材扱う問屋の伜が。
「それなら俺にやらせてくれよ」
と言ってきた。
しかしだ…
代金は払っていくが、これとこれは貰っていくよと、自信作でも置いていくのである。
「次こそは全部持っていってもらいますよ」
「楽しみにしてらぁ」
「そん時国産の木材の値段が下がってきてたから、新しい道を奴もさがしていたんだろうな」
竹は焙って角度をつけるので、どの角度がいいのか大分研究していたらしい。
「そういえばあれですね」
蘆根が思い出した。
「耳かき欲しがる人いないですよね」
「そういえばそうだな」
「?」
「昔は耳掃除をしたら、耳かき必要かどうか聞いていたけども、聞かれないなって」
「えっ?」
「自分の耳かきあるからじゃないか?」
などとタモツと蘆根がしゃべるので。
「それお客さんに聞いてますか?」
「いや、聞いてないな」
「ですよね」
頭の中を整理して。
「それを聞いていたのがいつの頃かは知りませんが、今のお客さんはその話を聞かれていないのでわからないのでは」
「…」
「…」
二人とも驚いた顔した。
「今度から忘れずに聞いてください、ホームページとか新しくする際には必ず入れますからね」
「全然気づかなかった」
「そうだな」
浜薔薇で耳掃除をいたしますと、ご使用になられました職人手作りの耳かきをサービスしております。
お気軽におっしゃってください。
「そのままだと折れますから、入れる箱を探しますよ」
柄と匙の部分の細い部分が折れる。
「まあ、抜き身のまま渡すわけにもいかないしな」
そこで傑が調べてくれる。
「箱にも色々あるんけども」
細長いタイプの箱になるのだが、この辺もピンからキリまでというやつだ。
「こういうのってわからないな」
蘆根はどれでもいいんじゃないか?と言うタイプだが。
「だめです、これだけで売り上げとかそういうのが変わるので」
傑は妥協しないのである。
「じゃあ、傑が選んでくれ、俺が選ぶと不満出そうだし」
「わかりました」
そういって予算はだいたいこの辺でを聞いて、カタログなとをチェックし始める。
「適材適所だな」
「そう思います」
そしてその結果がこれ!
「高いチョコレートが入ってそうなんだな」
深い赤と青の二種類の箱で、結ばなくてもいいようにゴムで止めるタイプ。
「予算よりかかったんじゃないのか?」
「僕がそんなことするはずはないでしょ」
そういうと蘆根に刺さった。
つい先日
「じゃあ、よろしく」
店内と庭用の掃除機を作ってくれた発明家さんが、お客さんとしてやってきました。
あまりにも熱中して、寝食を忘れそうになったので、家族から。
「髪も伸びたみたいだし、浜薔薇でも行きなよって言われたんだ」
髪の伸び方も知っているので、この伸び方は前に散髪してから時期が結構あいてあるだろう。
「耳はどうします?」
「耳も痒い感じになっているよ」
そういって蘆根は耳の中を覗くと、堆積した耳垢は表面は乾いているように見えた。
ポロ
そこを試しに耳かきでかき出してみると、湿り気が多少あり、毛が巻き込まれている。
乾いた部分は木屑のように角がピン!と立っている。
そしてそこからガッツリと耳掃除を始めた。
「やっぱり浜薔薇の耳掃除はいいよね」
「そうですかね?」
「そうだよ、幸せな気持ちになるよ」
なんて言われたもので、通常よりいいローションを使うことにした。
蘆根は褒められなれてないから、褒められるのには大変弱かった。
「とりあえず箱の色はどちらにしますか?って聞いてください」
「わかった」
そういって傑に蘆根は耳かきを渡す際の手順を教えた。
そして店内にご使用になられました耳かきを差し上げますと張り、その時を待った。
「耳かきってもらえるの?」
貼り紙をした当日にそう聞いてくるお客さんがいたので。
「はい、差し上げてますよ」
「本当に?じゃあ、もらって帰るよ」
耳かきが終わった後に。
「赤と青、どちらの箱にしましょうか?」
「…青かな」
「それではお包みいたします」
お客さんが上着を羽織り、お会計となった際に耳かきの入った青い箱を渡した。
お客さんは耳掃除のために浜薔薇にやってきていた人なので、その日はそのまままっすぐ家に帰って、箱を開けてみると。
「本日は浜薔薇にお越しくださいましてありがとうございます、こちらの耳かきは…」
この店を立ち上げた際、タモツと作ってくれた職人さんのエピソードが書かれていた。
「浜薔薇にこんなことがあったのか、知らなかったな」
長いこと通ったが、それでも少し驚いた。
「ちゃんと言わなきゃ、伝えなきゃ、いいサービスでも知らなきゃ、頼まないですよ」
傑がこの店に来なければ、おそらく耳かきを差し上げてますということは忘れ去られたままであろう。
傑が何気なく聞くと。
「今は嫁さんが、昔馴染みの竹材扱っているやつがいて、そいつの息子の嫁さんが作っている」
タモツの若いときの話。
「なかなか良いものがねえもんだな」
耳かきを探すも、既存のものではなかなかなく、じゃあ自分で作るかと想っていたら、木材扱う問屋の伜が。
「それなら俺にやらせてくれよ」
と言ってきた。
しかしだ…
代金は払っていくが、これとこれは貰っていくよと、自信作でも置いていくのである。
「次こそは全部持っていってもらいますよ」
「楽しみにしてらぁ」
「そん時国産の木材の値段が下がってきてたから、新しい道を奴もさがしていたんだろうな」
竹は焙って角度をつけるので、どの角度がいいのか大分研究していたらしい。
「そういえばあれですね」
蘆根が思い出した。
「耳かき欲しがる人いないですよね」
「そういえばそうだな」
「?」
「昔は耳掃除をしたら、耳かき必要かどうか聞いていたけども、聞かれないなって」
「えっ?」
「自分の耳かきあるからじゃないか?」
などとタモツと蘆根がしゃべるので。
「それお客さんに聞いてますか?」
「いや、聞いてないな」
「ですよね」
頭の中を整理して。
「それを聞いていたのがいつの頃かは知りませんが、今のお客さんはその話を聞かれていないのでわからないのでは」
「…」
「…」
二人とも驚いた顔した。
「今度から忘れずに聞いてください、ホームページとか新しくする際には必ず入れますからね」
「全然気づかなかった」
「そうだな」
浜薔薇で耳掃除をいたしますと、ご使用になられました職人手作りの耳かきをサービスしております。
お気軽におっしゃってください。
「そのままだと折れますから、入れる箱を探しますよ」
柄と匙の部分の細い部分が折れる。
「まあ、抜き身のまま渡すわけにもいかないしな」
そこで傑が調べてくれる。
「箱にも色々あるんけども」
細長いタイプの箱になるのだが、この辺もピンからキリまでというやつだ。
「こういうのってわからないな」
蘆根はどれでもいいんじゃないか?と言うタイプだが。
「だめです、これだけで売り上げとかそういうのが変わるので」
傑は妥協しないのである。
「じゃあ、傑が選んでくれ、俺が選ぶと不満出そうだし」
「わかりました」
そういって予算はだいたいこの辺でを聞いて、カタログなとをチェックし始める。
「適材適所だな」
「そう思います」
そしてその結果がこれ!
「高いチョコレートが入ってそうなんだな」
深い赤と青の二種類の箱で、結ばなくてもいいようにゴムで止めるタイプ。
「予算よりかかったんじゃないのか?」
「僕がそんなことするはずはないでしょ」
そういうと蘆根に刺さった。
つい先日
「じゃあ、よろしく」
店内と庭用の掃除機を作ってくれた発明家さんが、お客さんとしてやってきました。
あまりにも熱中して、寝食を忘れそうになったので、家族から。
「髪も伸びたみたいだし、浜薔薇でも行きなよって言われたんだ」
髪の伸び方も知っているので、この伸び方は前に散髪してから時期が結構あいてあるだろう。
「耳はどうします?」
「耳も痒い感じになっているよ」
そういって蘆根は耳の中を覗くと、堆積した耳垢は表面は乾いているように見えた。
ポロ
そこを試しに耳かきでかき出してみると、湿り気が多少あり、毛が巻き込まれている。
乾いた部分は木屑のように角がピン!と立っている。
そしてそこからガッツリと耳掃除を始めた。
「やっぱり浜薔薇の耳掃除はいいよね」
「そうですかね?」
「そうだよ、幸せな気持ちになるよ」
なんて言われたもので、通常よりいいローションを使うことにした。
蘆根は褒められなれてないから、褒められるのには大変弱かった。
「とりあえず箱の色はどちらにしますか?って聞いてください」
「わかった」
そういって傑に蘆根は耳かきを渡す際の手順を教えた。
そして店内にご使用になられました耳かきを差し上げますと張り、その時を待った。
「耳かきってもらえるの?」
貼り紙をした当日にそう聞いてくるお客さんがいたので。
「はい、差し上げてますよ」
「本当に?じゃあ、もらって帰るよ」
耳かきが終わった後に。
「赤と青、どちらの箱にしましょうか?」
「…青かな」
「それではお包みいたします」
お客さんが上着を羽織り、お会計となった際に耳かきの入った青い箱を渡した。
お客さんは耳掃除のために浜薔薇にやってきていた人なので、その日はそのまままっすぐ家に帰って、箱を開けてみると。
「本日は浜薔薇にお越しくださいましてありがとうございます、こちらの耳かきは…」
この店を立ち上げた際、タモツと作ってくれた職人さんのエピソードが書かれていた。
「浜薔薇にこんなことがあったのか、知らなかったな」
長いこと通ったが、それでも少し驚いた。
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