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ツキノワグマ並み
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「アドバイスというか、忠告はしたよ」
彼女はそういって引き上げていった。
「ということがあってな」
「なんでまた俺に言うんだよ」
「こういう話を言える人間が俺には少なくて」
「笑顔で言うが、後味悪いんだよな、それさ」
「俺の仕事はきれいに終ることの方が少ない」
また笑顔である。
「で?」
「ただの愚痴さ」
「そうか」
そういって、蘆根は友人の髪をブラッシングする。
「で?」
「お前もしつこいところがあるよな」
「あるよ、どっちも知っているからな、そりゃあ、向こうは…たぶんお前に気を使って、あんなことを言ったんだろうしな」
「さすが元カレ」
「いや、付き合ってねぇよ、昔から疑われたがな」
「片想いとか?」
「まっ、そこはご想像にお任せして、一緒にいると楽しいのは事実だったしな」
「そうか…本当な、知り合いと敵対というか、まあ、仕事だからな、ぶつかると大変なんだよ」
普段気分転換している人間関係が一回切れてしまうから。
「でも逆にお前らすごいと思うわ、終わると普通にみなでワイワイするんだもんな」
「そこはな、そういうメンタルじゃないと難しいんだよ、話し合いとか、縛りが多いことを解決しようとすると」
「大変なお仕事ですね(社交辞令風に)」
「それやめろ」
「え?そうか」
「そうだよ」
「しかし、ブラッシングもな、ちゃんとやれないぐらい忙しいなら、気を付けてほしいな、ストレスが溜まりやすくなるぞ」
「やっぱりか」
「えっ?何々、自覚あり?」
「忙しくなると、そういうところからサボりがちになるんだよ」
笑顔が消え、ため息をこぼす。
こういうのが友人の素の顔である。
「シャンプーするから、トリートメントもいいよな?」
「お願いする」
お湯で洗うと、確かに疲れているが、髪はしっかり手入れはできていると、これなら積極的なケアして、備えた方がいいだろう。
地肌がすっきりクレンジング、髪用の弱酸性シャンプー、そこに修復用のトリートメント。
「はい、お疲れさん」
「やっぱり人にやってもらうのはいいな」
「そりゃあさ、マッサージも兼ねているから気持ちいいさ」
「ヘッドスパもあるんだろう?」
「あるよ、でもあんまり出ないな、やっぱりうちはシェービングと耳掃除とマッサージがメインなんだなっては思う」
ほぼこのために来ているといっても過言ではないお客さんたちです。
「もう習慣になっているお客さんもいるからな」
土日が休みの仕事だから、休みの前の夜はシェービングしてもらってる。
平日に休みの仕事だから、浜薔薇の平日プランが使えるからお財布に優しく浜薔薇通いできてます!
にゃーにゃーん、にゃにゃん!
「なんか猫の鳴き声聞こえたが、イツモ?」
「いや、イツモじゃなかったな」
「やっぱり蘆根にシャンプーされるのはいいな」
蘆根の友人たちは当時は実験台にされていた。
「経験積まないとダメだろ?」
「まあ、ありがたかったが」
「もう働く店は、資格持ってても、店内で試験ないとお客さん任せてもらえないからさ」
「シャンプーとかヘッドスパだからやらせたんだぞ、カラーとかだと就職前では絶対触らせてもらえないぞ」
「そういうセンスは俺にはなかったな、カラーリングとかスタイリストとか、だから傑に任せているけどもな」
蘆根がやると、どんどんおかしい方向に行く。
「たまにやってくれって来てたが、そのうち言われなくなったな」
「おいおい」
「世の中、適材適所!」
「それは確かにな、蘆根は客商売は向いていると思うぞ、話しているだけでさっぱりするから」
「そうか?」
「そうだよ、ただ友人だからっていう理由で店に通ったりしないよ、疲れているわけだからさ、そういうときに付き合いを優先するか?」
「それはないな」
「まっ、向こうも俺とはしばらく顔を合わせたくないだろうから、そうなったら時間ずらしてくれ、終わったら、まっ、たぶん飲むだろうしな」
「本当にお前らの関係も謎だよ」
「だから協力関係だったら、信頼できる心強い味方なの!ええっとだな、お前でいうなら、後輩とか先生みたいな、自分の仕事のカットやシェーヒング任せられる相手ってやつだ」
「それならわかりやすいな、そっか自分で全部やるか、任せられるかだとやっぱり疲れが違うものな」
「そうそう、問い合わせの返事を待つ間も落ち着かないものだよ、もしかしたら?を考えなきゃいけないわけだしな、そういう意味では俺は組みたい相手なのさ、組むとな、こんな時間じゃなくて、もっと早い時間に浜薔薇に予約入れれるんだよ」
時間外のお客さんはほぼ忙しいと思ってください。
「生産性が上がる、仕事が早く終わる、休み増える、俺はな、そういう相手と組みたいの」
「それが願いだとしたら、お前の仕事さ」
「わかってる、わかっているさ!そして今回は自業自得だから、アドバイスは言われたらドキッとしたし、ああ、すまん」
「いやいや」
「はぁ、本当に悪い、こういうことをいうつもりはなかったんだが」
「ほい、ツキノワグマ並みに艶々にしてやったぜ」
「お前の例えは相変わらずセンス、どうなんだ」
「よく独創的だって言われているぜ」
それはたぶん誉められてはいないよ。
彼女はそういって引き上げていった。
「ということがあってな」
「なんでまた俺に言うんだよ」
「こういう話を言える人間が俺には少なくて」
「笑顔で言うが、後味悪いんだよな、それさ」
「俺の仕事はきれいに終ることの方が少ない」
また笑顔である。
「で?」
「ただの愚痴さ」
「そうか」
そういって、蘆根は友人の髪をブラッシングする。
「で?」
「お前もしつこいところがあるよな」
「あるよ、どっちも知っているからな、そりゃあ、向こうは…たぶんお前に気を使って、あんなことを言ったんだろうしな」
「さすが元カレ」
「いや、付き合ってねぇよ、昔から疑われたがな」
「片想いとか?」
「まっ、そこはご想像にお任せして、一緒にいると楽しいのは事実だったしな」
「そうか…本当な、知り合いと敵対というか、まあ、仕事だからな、ぶつかると大変なんだよ」
普段気分転換している人間関係が一回切れてしまうから。
「でも逆にお前らすごいと思うわ、終わると普通にみなでワイワイするんだもんな」
「そこはな、そういうメンタルじゃないと難しいんだよ、話し合いとか、縛りが多いことを解決しようとすると」
「大変なお仕事ですね(社交辞令風に)」
「それやめろ」
「え?そうか」
「そうだよ」
「しかし、ブラッシングもな、ちゃんとやれないぐらい忙しいなら、気を付けてほしいな、ストレスが溜まりやすくなるぞ」
「やっぱりか」
「えっ?何々、自覚あり?」
「忙しくなると、そういうところからサボりがちになるんだよ」
笑顔が消え、ため息をこぼす。
こういうのが友人の素の顔である。
「シャンプーするから、トリートメントもいいよな?」
「お願いする」
お湯で洗うと、確かに疲れているが、髪はしっかり手入れはできていると、これなら積極的なケアして、備えた方がいいだろう。
地肌がすっきりクレンジング、髪用の弱酸性シャンプー、そこに修復用のトリートメント。
「はい、お疲れさん」
「やっぱり人にやってもらうのはいいな」
「そりゃあさ、マッサージも兼ねているから気持ちいいさ」
「ヘッドスパもあるんだろう?」
「あるよ、でもあんまり出ないな、やっぱりうちはシェービングと耳掃除とマッサージがメインなんだなっては思う」
ほぼこのために来ているといっても過言ではないお客さんたちです。
「もう習慣になっているお客さんもいるからな」
土日が休みの仕事だから、休みの前の夜はシェービングしてもらってる。
平日に休みの仕事だから、浜薔薇の平日プランが使えるからお財布に優しく浜薔薇通いできてます!
にゃーにゃーん、にゃにゃん!
「なんか猫の鳴き声聞こえたが、イツモ?」
「いや、イツモじゃなかったな」
「やっぱり蘆根にシャンプーされるのはいいな」
蘆根の友人たちは当時は実験台にされていた。
「経験積まないとダメだろ?」
「まあ、ありがたかったが」
「もう働く店は、資格持ってても、店内で試験ないとお客さん任せてもらえないからさ」
「シャンプーとかヘッドスパだからやらせたんだぞ、カラーとかだと就職前では絶対触らせてもらえないぞ」
「そういうセンスは俺にはなかったな、カラーリングとかスタイリストとか、だから傑に任せているけどもな」
蘆根がやると、どんどんおかしい方向に行く。
「たまにやってくれって来てたが、そのうち言われなくなったな」
「おいおい」
「世の中、適材適所!」
「それは確かにな、蘆根は客商売は向いていると思うぞ、話しているだけでさっぱりするから」
「そうか?」
「そうだよ、ただ友人だからっていう理由で店に通ったりしないよ、疲れているわけだからさ、そういうときに付き合いを優先するか?」
「それはないな」
「まっ、向こうも俺とはしばらく顔を合わせたくないだろうから、そうなったら時間ずらしてくれ、終わったら、まっ、たぶん飲むだろうしな」
「本当にお前らの関係も謎だよ」
「だから協力関係だったら、信頼できる心強い味方なの!ええっとだな、お前でいうなら、後輩とか先生みたいな、自分の仕事のカットやシェーヒング任せられる相手ってやつだ」
「それならわかりやすいな、そっか自分で全部やるか、任せられるかだとやっぱり疲れが違うものな」
「そうそう、問い合わせの返事を待つ間も落ち着かないものだよ、もしかしたら?を考えなきゃいけないわけだしな、そういう意味では俺は組みたい相手なのさ、組むとな、こんな時間じゃなくて、もっと早い時間に浜薔薇に予約入れれるんだよ」
時間外のお客さんはほぼ忙しいと思ってください。
「生産性が上がる、仕事が早く終わる、休み増える、俺はな、そういう相手と組みたいの」
「それが願いだとしたら、お前の仕事さ」
「わかってる、わかっているさ!そして今回は自業自得だから、アドバイスは言われたらドキッとしたし、ああ、すまん」
「いやいや」
「はぁ、本当に悪い、こういうことをいうつもりはなかったんだが」
「ほい、ツキノワグマ並みに艶々にしてやったぜ」
「お前の例えは相変わらずセンス、どうなんだ」
「よく独創的だって言われているぜ」
それはたぶん誉められてはいないよ。
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