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フィギュアスケート サメシングル
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私はその日運命とであった。
どこからか流れてくるトランペット、音はまだ幼い。ふと見れば川沿いで少年がトランペットを吹き、その観客と言うのは水面から顔をだしているサメ。
サメにも音楽と言うのがわかるものなんだと思っていると、揺れだした、きちんとリズムにも乗っている、そのうちだんだん乗ってきたのか、水面から飛び上がってジャンプしたり、水切り石のように水面を跳ねてまわっていた。
彼にはスターの才能がある。
「お前は冬になると、氷の上でも遊んでるからな」
その時私の頭に浮かんだのは、スケートリンク、拍手喝采で応援されるサメの姿、そうだ、『フィギュアスケート サメシングル』なんだ。
しかし、その道のりは想像以上に長いものだった。
住んでいる川からの引っ越し、そして…
「俺、お前を見たらな、頑張ってみたくなった、吹奏楽強い学校に行ってみたくてさ、そしたらしばらく会えないな、頑張れよ、俺も辛くても頑張るからさ」
サメの心に火はついたが。
「はぁ?サメにスケートさせる?本当にいってるの?寝ぼけてんじゃなくて、あんたマトモじゃないね」
「この大会にはサメは参加できません、規則ですから」
だから、それでも、それでも頑張った。
『representing riparian life』
そしてサメは大舞台へ!
【フィギュアスケート サメ シングル】
「あっ、これその映画のチケットなんだけども」
蘆根は傑に映画のチケットをくれた。
「えっ?」
「あっ、これ劇中の少年のトランペットとハーモニカをカルボンの奴が作曲しててさ、それでもらったんだが」
「カルボン?あっ、ありがとうございます」
ただ傑にはサメ映画はあまり見たことはない。
でもまあ、カルボンの楽曲は聞きたいと思って見に行った。
(この映画館がお客さんたくさんいるの久しぶりに見たかとしれない)
ここはいわゆるドキュメンタリーなどこ単館上映のシアターであり、傑は前にデザイナーの生涯を綴った映画を見たとき以来であった。
その時のお客さんはファッション関係者、みんなきらびやかな格好をしているのですぐわかるし。
(あそこの美容師さんだ)
とまあ、知っている顔も見かけたが、それでも何人かである。
世界は空前のサメブームとかはちょっと前に宣伝していたが、そんなことないでしょ?と思ったが、うん、これにはちょっとびっくりで。
「このチケットですと、こちらのパンフレット、ドリンク、フードなどがつくんですが…」
関係者チケットだったので至れり尽くせりでございました。
「サメの迫力を感じるなら、この席がおすすめですよ」
「えっ?今のは」
「常連さんです」
浜薔薇の常連と似たような雰囲気を、いや、待て、あの壁のベンチのお客さんは…
「サメ映画ファンのみさなんです」
直接サメのぬいぐるみをお持ちの方もいますが、普通の人でもよく見ると、シャツやネクタイ、いずれかにサメ柄である。
「始めてみた」
「あなたも一緒にサメ映画を見ませんか!」
チラシを渡された。
「あっ、すいません、ゆっくり映画を見たいんで」
そう断ってシアタールームに行く。
見易い、音の迫力がいい席に座ることになった。
(ファンの方ごめんなさい、なんか悪いな)
『ここは浜薔薇の耳掃除です、RT&フォローお待ちしてます』
「で、どうだった」
「サメ映画だからコメディなのかなって思ったら、アスリートのドキュメンタリーでした」
やっと出場出来た大会、お遊びかと思いきや、サメにもフィギュアスケートは可能であることを見せつけた。
そして上の大会、確かにサメシングルには他のサメはいない、でも前よりもいいものを見せなければ、フィギュアスケートサメシングルという競技の未来はない。
さあ、今季最後の戦いだ!
評点は高いが、彼にメダルが与えられることはない。
それでも素晴らしかったとエキシビション、そしてサプライズのトランペットの音色。
「中学の時思い出すわ」
「すごいね、まさかあの時競いあってたのが同じ部活で、そしてさ、なんでかここに呼ばれてるの」
サメのフリーの曲は、少年が練習していたコンクールの課題曲であり、それを今回は少年と吹奏楽部が生演奏で披露すると。
「エキシビションはね、決まっていたからね、何しろ彼は一匹で挑みに来たわけだし、これぐらいはしてもいいんじゃないかって」
あの日を思い出して、勢い余って転んでしまったけども、ああ楽しかった、そして最後にお客さんにありがとうを伝えると。
拍手喝采、エンドロールが始まる。
「そのまま映画のメイキングの方もダウンロードしちゃいましたよ」
「サメトラか…」
シャーク&タイガーという意味ではなく、スケートのキス&クライにかえて、サメ&トライというメイキングが作られた。
「舞台挨拶こっちじゃなやらないんですもん、見に行きたかった」
スケジュールとしては
映画フィギュアスケート サメシングル
↓
日替わりで監督やキャストのフリートーク
↓
メイキング「サメ&トライ」
となっている。
「サメ映画のファン以外も見に来てるから、ヒットしているようだしな」
それから特集が組まれるということで、情報番組を流していたが、監督が「笑いに走ると思ってたでしょ?でもちゃんと作りました」とコメント。
そのコメントに。
「あの人、真面目にやれって言われてもやらない人なのに、やれることに驚いています」
コメンテーターにはそう言われていた。
どこからか流れてくるトランペット、音はまだ幼い。ふと見れば川沿いで少年がトランペットを吹き、その観客と言うのは水面から顔をだしているサメ。
サメにも音楽と言うのがわかるものなんだと思っていると、揺れだした、きちんとリズムにも乗っている、そのうちだんだん乗ってきたのか、水面から飛び上がってジャンプしたり、水切り石のように水面を跳ねてまわっていた。
彼にはスターの才能がある。
「お前は冬になると、氷の上でも遊んでるからな」
その時私の頭に浮かんだのは、スケートリンク、拍手喝采で応援されるサメの姿、そうだ、『フィギュアスケート サメシングル』なんだ。
しかし、その道のりは想像以上に長いものだった。
住んでいる川からの引っ越し、そして…
「俺、お前を見たらな、頑張ってみたくなった、吹奏楽強い学校に行ってみたくてさ、そしたらしばらく会えないな、頑張れよ、俺も辛くても頑張るからさ」
サメの心に火はついたが。
「はぁ?サメにスケートさせる?本当にいってるの?寝ぼけてんじゃなくて、あんたマトモじゃないね」
「この大会にはサメは参加できません、規則ですから」
だから、それでも、それでも頑張った。
『representing riparian life』
そしてサメは大舞台へ!
【フィギュアスケート サメ シングル】
「あっ、これその映画のチケットなんだけども」
蘆根は傑に映画のチケットをくれた。
「えっ?」
「あっ、これ劇中の少年のトランペットとハーモニカをカルボンの奴が作曲しててさ、それでもらったんだが」
「カルボン?あっ、ありがとうございます」
ただ傑にはサメ映画はあまり見たことはない。
でもまあ、カルボンの楽曲は聞きたいと思って見に行った。
(この映画館がお客さんたくさんいるの久しぶりに見たかとしれない)
ここはいわゆるドキュメンタリーなどこ単館上映のシアターであり、傑は前にデザイナーの生涯を綴った映画を見たとき以来であった。
その時のお客さんはファッション関係者、みんなきらびやかな格好をしているのですぐわかるし。
(あそこの美容師さんだ)
とまあ、知っている顔も見かけたが、それでも何人かである。
世界は空前のサメブームとかはちょっと前に宣伝していたが、そんなことないでしょ?と思ったが、うん、これにはちょっとびっくりで。
「このチケットですと、こちらのパンフレット、ドリンク、フードなどがつくんですが…」
関係者チケットだったので至れり尽くせりでございました。
「サメの迫力を感じるなら、この席がおすすめですよ」
「えっ?今のは」
「常連さんです」
浜薔薇の常連と似たような雰囲気を、いや、待て、あの壁のベンチのお客さんは…
「サメ映画ファンのみさなんです」
直接サメのぬいぐるみをお持ちの方もいますが、普通の人でもよく見ると、シャツやネクタイ、いずれかにサメ柄である。
「始めてみた」
「あなたも一緒にサメ映画を見ませんか!」
チラシを渡された。
「あっ、すいません、ゆっくり映画を見たいんで」
そう断ってシアタールームに行く。
見易い、音の迫力がいい席に座ることになった。
(ファンの方ごめんなさい、なんか悪いな)
『ここは浜薔薇の耳掃除です、RT&フォローお待ちしてます』
「で、どうだった」
「サメ映画だからコメディなのかなって思ったら、アスリートのドキュメンタリーでした」
やっと出場出来た大会、お遊びかと思いきや、サメにもフィギュアスケートは可能であることを見せつけた。
そして上の大会、確かにサメシングルには他のサメはいない、でも前よりもいいものを見せなければ、フィギュアスケートサメシングルという競技の未来はない。
さあ、今季最後の戦いだ!
評点は高いが、彼にメダルが与えられることはない。
それでも素晴らしかったとエキシビション、そしてサプライズのトランペットの音色。
「中学の時思い出すわ」
「すごいね、まさかあの時競いあってたのが同じ部活で、そしてさ、なんでかここに呼ばれてるの」
サメのフリーの曲は、少年が練習していたコンクールの課題曲であり、それを今回は少年と吹奏楽部が生演奏で披露すると。
「エキシビションはね、決まっていたからね、何しろ彼は一匹で挑みに来たわけだし、これぐらいはしてもいいんじゃないかって」
あの日を思い出して、勢い余って転んでしまったけども、ああ楽しかった、そして最後にお客さんにありがとうを伝えると。
拍手喝采、エンドロールが始まる。
「そのまま映画のメイキングの方もダウンロードしちゃいましたよ」
「サメトラか…」
シャーク&タイガーという意味ではなく、スケートのキス&クライにかえて、サメ&トライというメイキングが作られた。
「舞台挨拶こっちじゃなやらないんですもん、見に行きたかった」
スケジュールとしては
映画フィギュアスケート サメシングル
↓
日替わりで監督やキャストのフリートーク
↓
メイキング「サメ&トライ」
となっている。
「サメ映画のファン以外も見に来てるから、ヒットしているようだしな」
それから特集が組まれるということで、情報番組を流していたが、監督が「笑いに走ると思ってたでしょ?でもちゃんと作りました」とコメント。
そのコメントに。
「あの人、真面目にやれって言われてもやらない人なのに、やれることに驚いています」
コメンテーターにはそう言われていた。
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