浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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夏を潜っているみたい

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朝起きると…
「やっぱり汗かいているな」
この汗が髪にはまずいらしい、濡れた状態で髪が傷むと教えてもらった。
なもんで、朝から浜薔薇に行くことにする。
最近の浜薔薇は朝から賑やかであった。
「いらっしゃいませ」
シャカシャカと髪を洗われている先客がもういた。
自分の番が来るまで、ソファーで待つことにする。
こんなに朝早くに来るきっかけは、さっきも言った通り、髪が濡れた状態で傷んで、結構短く切ることになったためである。
そしてその時朝からシャンプーに来ている人たちがいることを知った。
しかも、駐車場のテントで朝御飯も食べている。
ちょうどお腹も減っていた、さっきパンをかじったぐらいだったから、そんなに高くないといいなと思ったら。
(やっすー)
びっくりするぐらい安かった。
「朝食は品切の時もありますから」
なんでもこの人は、隣のアパートと浜薔薇の蘆根さんたちの朝食担当しているらしい、そしてちょっと量があるときは一般販売、確実に買うなら予約が望ましいといわれる。
浜薔薇に朝から通う理由をいくつか作られてしまったら。
「すいません、共同購入の手続きと、朝食も頼みたいです」
本当、この時思いました、浜薔薇の近所に住んでいて良かったなと。
「朝食頼むようになったから、朝から怒濤のシャンプーラッシュにもこたえられるんだよな」
今は本当、朝から忙しいのである。
「真夏のルンルンルンタッタをお願いしたいんだけども、オオクワガタ三番勝負も気になるんだよな」
真夏のルンルンルンタッタタ(シャンプー)と同日発売になったのがオオクワガタ三番勝負、こちらもシャンプーシリーズである。
「ああ、オオクワガタ三番勝負ですか?かなりいいんですけどもね」
蘆根は現在自分用に使っている。
「でもお客さんだと、真夏のルンルンルンタッタタでしょうね」
「えっ?それはなんでですか?」
「オオクワガタ三番勝負って、ハードタイプのヘアスプレーやワックスとか使っていたりする人にはいいんですよ、このメーカーさんって元々舞台の化粧品類のメーカーさんですね、そういうの使ってないお客さんは真夏のルンルンルンタッタタ、俺の場合はちょっとコシを残したいんでオオクワガタ三番勝負使ってますね」
そういうのにも負けない、オオクワガタが三番勝負できるぐらいのケアをしてくれるシリーズなんだそうだ。
「そんな連想的な名前の付け方じゃ売れませんよ」
傑さんが冷静にいう。
「俺はいいとは思うんだけども」
「何これ!って話題にはなるけども、売り上げには結び付きませんから、そういう部分も考えていかないと、面白いこともできませんよ」
「確かにな、そういえばサッカーの観戦、サポーターや選手の家族さんからの注文はどうなっているんだ?」
「あれはね…」
シャンプーの共同購入をしているみなさんは、最近はシャンプー以外も傑セレクトで頼んでいる。
その一つが衣料品であった。
「元々共同購入しているお客さんの一人にリーダーさんが…」
隣のお客様からですと、真夏対策の衣料品セットを贈った。
「あれは汗のかき方がおかしかったんだろ?」
「そうですね、熱が手持ちの服ではこもっているから、これは、暑くなるシーズン体を壊すぞってリーダーからのプレゼントだったんですが」
一セットである、熱のこもらないシャツ、インナーはそのお客さんの生活を変えた。
「これを着て、歩いて帰ったときに思ったんですよ、あれ?これだと、前に諦めていたサッカーの、地元のサッカーチームの試合を生で夏に見に行けるんじゃない?と、いつも配信では見ていたんですよね」
夏になると、その時じゃないと見ることができない色んなイベントも開催されるので、それを聞くたびに悔しいなとは思っていた。
「歩いて帰ってきた感じだといけるなって感じで」
そこから傑にその話をすると。
「ああ、それなら」
と傑が今、把握している猛暑を生き抜くための化粧品類なども出してきた。
「このクリームは?」
「人を冷風扇にします」
「はっ?」
言われてもわからなかったが、実際に首に塗られ、涼しさを感じ、次の日全身に塗り、インナーに着替える。
ここで日差しを遮る帽子。
「暑くならないから、行ったり来たり猛暑をうろうろしてしまった…」
「水分はいつも以上にとってください、それを使ってクリームとインナーが体温下げているので」
「何これ、夏を潜っているみたい!」
水の中を潜っている気分らしい。
「自分だけ夏じゃない、夏を見学しているそんな感じ、これは行ける…」
そうして三時間真夏の昼のスタジアムで見てきました。
「そんな感じであちこちの競技を見に行ったら、やっぱり聞かれたんだよ」
えっ?熱中症にならないんですか。
「なってなかったね、でも実は死んでいて幽霊だから感じないかなって思っていたけども、それなら浜薔薇に入ろうとすると王子が牙を向くじゃない」
「えっ?」
「えっ?」
「あれ?知らないの、まいったな、本格的に俺は変な人になりそう」
なんでもこの人は見える方らしいのだが、浜薔薇、いや、この辺の茶九良など、イツモの縄張りだと、何か悪いものが来ると。
「イツモが何とかしちゃうんだとさ」
「さすがにそういうのはわかりませんからね」
たまにイツモ!や王子!と呼んでも答えないで、集中しているときがあったら、実は追い払っている最中かもしれない。


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