浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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○つけたでしょ?

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耳に何気なく触れると…

汚い。

はっはっ、そんなまさかと思いながらも、ウェットティッシュで拭く。

汚い。

これは浜薔薇に行くサインですね!


『ここは浜薔薇の耳掃除です』

組織として存在はするけども、よくわからないそれがKCJだと思うのだが、その謎に包まれた組織の情報部、今回はそこに所属する職員の話をしよう。

『この内容はKCJによって検閲されています』

情報部に所属する人間というのは物事の要点というのが、感覚的に捉えることができている人に思われる。
何しろ時間というのは止まってはくれないので、その中で、最善を、いや、問題解決の段取りを組める人間が必要なのであった。
しかし、そこまで行くと人間というのは不思議なもので。
「あれが危ない!」
どれだよ!
そんな突っ込みが入ってしまうような職員もいたりする。
「はいはい、なんですか?」
すると同部門の職員がふらっとやってきて、言い出した職員に確認。
「いつも炊き出しのお仕事を頼んでいるお店のランチの副菜が、もやし系になってるので、支援をした方がいいそうです」
えっ?あれでわかるのって思うのだが。
「午前中に、今日の昼はどこで食べるのっていう話になったんですよ、それで実際にご飯食べに行って戻ってからの発言がさっきのあれなので」
「そういうこと」
この職員は自分で一回話したら、他の人が聞いてなくても、繰り返しをしたくないタイプらしい。
KCJに来るまではそれでも自分なりにがんばって説明をしようとしたが、情報部に配属、そして自分の情報を周囲が把握して理解してくれる状況になったら、説明をすることをピタリとやめてしまった。
この職員の場合は子供の時から出来たタイプで、そればかりやっていればいいという教育で大人になってしまったそうだ。
「やることがない」
「じゃあ、これ解いてください」
といって渡されたのはコストなど課題で雁字搦めになっている社会問題の一覧なのだが。
「好きなだけ考えてください、解けたら教えてください」
「わかった」
この手のタイプの能力が発揮されるであろう環境をKCJでは作ってしまったので。
「解けた」
「わかりました、まとめて解けた分は管理に報告します」

「はっ?」
報告書を渡された管理の仕事はとんでもなく増えた、何しろ放置するには眩しすぎる希望のアプローチがいくつもまとめられていたからだ。
定期的にこのパターンは起き、そのたびに管理部門は叫びながらも処理していった。


「そういえばいつも同じサンドイッチですね」
一方マイペース、呑気な情報部である。
「(栄養)バランス取れればいいや」
「(味覚が)ないわけじゃないですよね?」
「あるよ」
とかいうものだから、いつものメニューに季節を加えてみた。
「初めて春を迎えた」
と旬の野菜サラダのサンドイッチを食べている感想をいただいたので、これからも工夫をしようという話になり、おかげで近所のパン屋さんやコンビニの新商品にも詳しくなったという。

『すいません、午後七時にはい、予約お願いします、名前は…』

体が不調を迎えてる。
疲れている、それはわかっているが、自分ではどうしようもないところまで来てる。
こんなときこそ、浜薔薇ですよね!
「途中であったかい飲み物ゴックンしてきたので、老廃物モリモリ出してやりますよ!」
あれ?不調ってわりには、この人元気じゃねえ?
「マッサージした後も2日ぐらいは水分多目に取ってください」
「わかりました」
蘆根は体に根付いた疲労をバリバリっと取り除く気なのであろう。
「冷えてますね」
「えっ?」
「体がついていってないのかなって、今日はこの後予定はないですよね」
ニッコリと蘆根は笑った。
(これはまさか…)
あなた前に浜薔薇には何をされてもいいっていう項目に○つけたでしょ?
そいつはまだ有効なんだよ!
「やっぱりね、時間でマッサージしちゃうとね、中途半端な時があるんで、いやぁ、○つけてくれて良かった」
明日の目覚めはスッキリとするマッサージは、受けている最中まな板の上の鯉となる。
(えっ、これはある意味眠れないから辛い!!!!)
まずは基本のツボを押して、体の流れを良くする、そのツボでもダメな部分に丁寧に揉んでいくのだが、気持ちよさよりも若干力が強めのアプローチ、これが眠るのを許さない。


なのでこのマッサージのすごさがわかるのは翌朝だ。

次の朝、鳥の鳴き声で目が覚めると、いつもより早い時間に起床した。
近年希に見る爽快感であったという。




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