浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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好きな人霊は波瀾万丈に生きた後にみんなを見守る守護の霊

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パンセットを買ったのは波里だけではなかった。
「ベーグルベーグル!」
騒いでいるのは衛生班の一人。
「俺はベーグルがなければ仕事しねえ」
そんなことをいってるが、仕事はちゃんとしてくれます。
モリモリ
抹茶ベーグルを食べ始めると静かになった。
「話していいですか?」
KCJ戦闘資格持ちの一人だ。
「お願いします」
そこで、お茶をぐび。
「この連休の最中、儀式しちゃったそうなんですよ」
「バカじゃねえの」
「そのバカの後始末が我々です」
「まあ、お仕事ですから、いいですけども」
「到着しましたら、私は車と帰り道の確保」
「俺は現地の調査と一緒ってやつか」
「倒木はそのまま崖下に落としたそうですから」
「道が塞がられたらそうだよね」
到着まで約一時間。
そこには何人かと、サメ姿があった。
「レッドノーズの」
「ちょうど応援に来れるということでお願いしました」
「堅苦しい雰囲気をぶち壊すにはちょうどいいな」
山道を進むと、季節がおかしかった。
「秋?」
「というか、どうもここって、季節が逆らしいんですよ」
つまり冬が近い秋らしい。
「なんだこりゃ」
「それを調べるのが我々です」
「こちらは人霊鑑定も出来る河川ザメのマッチャーさんです」
マッチャー、レッドノーズ所属。
好きな人霊は波瀾万丈に生きた後にみんなを見守る守護の霊。
嫌いな人霊は好き勝手生きて、死んだあとも好き勝手やってるそんな霊。
「そりゃあ心強い、河川ザメの人霊鑑定はホラー映画が話にならなくなるって有名ですからね」
有名な河川ザメの人霊鑑定士がいるのだが。
「人霊のこいつは、弱いもの虐めが好きですね、こういうときは塩よりもビンタ!」
というすごい力業を昔テレビで披露した。
「ビンタ効くんですけどもね、テレビ受けは悪いですよね」
そこからテレビで見ることはなくなった。
「子供は見るんじゃありませんって言われたりね、じゃあ、悪霊はいいんかい?って」
その場にいるKCJの職員もサメも笑ってる。
「でも人霊鑑定技能は人じゃ習得できませし、調査する方は助かってますよ」
「現場に出る方の身からすると、安全は大事すぎて」
「それじゃあ、もうそろそろお宿の方にご案内します」
「お願いします」
二人と一匹は山奥の宿に向かっていった。
「サッサッサッ」
「霊っぽいが霊っぽくない?役割を持たされて縛られているから無害ですか」
暗闇の中モヤ、人のようにも見えるがふわぁ~といったりきたり。
「じゃあ、無視で、後で解放ってことで」
「マッチャーさん、どこから流れてきてます?」
河川ザメは気流などを読むのにも長けている。
「サッサッサッ」
「客室と温泉がある方ですか」
手持ちのライトをつけて、歩いていくとギシギシという音がするが。
「私の耳には子供の声するんですけど、みなさんは?」
「いいえ、私には」
「サッサッ」
「マッチャーさんにもないようです」
「波長合わせてくるやつかな、面倒だな」
そういって、首をこきこきさせると。
「これでよし、みなさんには聞こえますか?」
「ないです」
「こっちも聞こえなくさせました」
河川ザメも力業だけども、この職員も力業である。
そこに卓球のピンポン音。
「これは?」
「聞こえます」
「サッサッ!」
「全員聞こえますね」
「楔打ちます、なんかあったら、ここまで逃げて来てくださいね」
そういって調査の職員が懐から宝石を出してきた。
トス
絨毯の上に置かれると、空気が安定してくる。
「ここで変わるって結構重めに入ってる」
「土地の力もあるでしょうね」
「その土地の力を吸ってる奴がいるから、そこを切り取ってか」
「儀式自体は終わってますから、楽でしょう」
そのまま自然に還るまでの短縮のために呼ばれているが。
それをよく思わないものがやってくるが。
ビシッ!
サメビンタ
「出た!」
「一撃だ!!!」
面倒くさい行程で解決してきた調査と衛生の職員からすると、一撃で霊を叩き落としたサメビンタはしびれる。
「今、暗闇からジグザグな感じで近づいて来ましたね」
「サッ」
「ぬるいわ!だそうです」
「あ~そういうタイプか」
弱味を見せると一気に来るタイプ。
「霊になってまでくず精神発揮するなよ」
衛生班の職員は何か取り出した、笏のようだが。
「サッサッサッ」
「それってドラゴン笏?」
「おっ、わかっちゃう方?これなかなか使えるんですよね」
倒れた人霊ペチペチすると、そこからふわぁぁぁとなる。
これはドラゴンの牙で作られた笏。
木製のものが一般的だと思われるが、違法な儀式の妨害などには、ドラゴンの牙などが干渉しやすいとされている。
「いつもならこれ使わないんですけども、面倒なので」
「わかります、わかります、連休中だと、手早く終わらせようって」
そこにピンポン玉が飛んでくるので。
マッチャーさんがキャッチ、その瞬間マッチャーさんの目がつり上がる(  \    /  )
「あっ、これは」
「思った以上に早く終わるわ」
帰り美味しいものマッチャーさんに食べさせましょうか、という話をしている間にマッチャーさんは息を吸い。
『サァァァァァァァァ』
これから行くぞという雄叫びをあげた。

素敵な川文化知識。
河川ザメの雄叫び
こっちが死ぬか、お前が滅びるか、私が死んでも一族のものがお前を討ち取りにいく、お前は我々の敵である。
それでは行くぞ。
という意味。
マッチャーさんの一族は川にもいるが、レッドノーズでもあるため、他のレッドノーズや、異世界強制転移被害者奪還を仕切るサンタ達もこの雄叫びによって討ち取りにやってくるだろう。
「ここで解決しないと過剰戦力来ちゃうから」
その前に解決しなければならないのだ。

原因としてはよくある人間の欲望を叶えるため、ただ宿に危険だが簡単に呼べるものが置いてあったというだけ。

「こういうの本当に多くなったんだよ」
危険物所持でそういうのも取り締まれよなと衛生班職員は愚痴をこぼしていた。
「この先に美味しいお肉のお店がありますので、そこでお食事してから解散しましょうか」
お肉はオススメされるだけあって無茶苦茶美味しかったです。
「でもよくあんな所で繁盛させてるね」
「?そうですか?」
「まっ、ただ気になっただけだよ」
車に乗ってからその話の続きがあった。
「こういうところってさ、至るところにあるっていうかさ、境にあるじゃん」
「そうですね、さっきの宿もそれこそ、山間で、人里から離れた所にある」
「そういうところに、美味しい何かがあるとさ、そこはうちのだ!って主張しても、簡単に決まらないでしょ?」
「そうですね、通らないですね」
「俺も巻き込まれてこの道に入った方だし、気に入らないんだよね、何かを狙ったかのようにそこにあるのは…」

『休みはどうやった?』

「金持ちになった気がする」
「わかるわ」
大きめサイズのケーキが皿に盛られていく…
本日もケーキである。
グラスに氷をガラガラといれ。
「アイスコーヒーの人」
「は~い」
飲み物も用意される。
「なんか今日も暑いな」
「夏来るの早いんちゃうか、二度寝しても怒られんで」
「それや!」
なんてみんなゲラゲラと笑ってる。
陽射しを遮るように窓にカーテン、エアコンは涼しい風を流していた。
連休最後の日の話である。

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