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イツ毛
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ガソゴソ
人は耳の奥にあるというガソゴソスポットを綺麗に掃除されると、そのままコロッと眠りに落ちてしまうという。
寝返りをしても、ガソゴソと音がしない幸福というやつだ。
休日ともなれば、浜薔薇も忙しい。
「シャンプー!」
「シャンプー!」
「もっと愛を込めて」
「シャンプー」
「シャンプー」
「いいよ、いいよぉ!愛が伝わってくるよぉ!」
あれはシャンパー達の祈りである、本作品の新作は、シャンパーがこのように儀式を毎日のように行っていたので降臨しております。
「願いが天に届いてる」
「シャンプー」
「シャンプー」
「お前らのシャンプー愛はそんなものか」
「シャンプー」
「シャンプー」
「傑さん、今日もみなさん元気ですね」
「…本当だよね」
ちょっとは傑もキテレツな光景になれたようです。
さて、シャンプーといえばあのメーカーさんなのですが、ついに浜薔薇をイメージしたシャンプーが登場したのはご存知でしょうか?
その名は『イツ毛』読み方は、イツモウです。
「蘆根さんね、私、次の新作、浜薔薇リスペクトで作りたいと思うんですよね」
あのメーカーさんの研究員、確信犯がそう蘆根に言い出してきた。
「いいんじゃないか?」
「そうですか?実は艶のある成分が、これは黒髪だとさらに艶が増して見えるんですよ」
「へぇ、名前は何にするんですか?」
「それが全然決まらなくて、何か蘆根さんにいい名前考えてもらえないかなって」
ここら辺が確信犯と呼ばれる理由である。
「名前ね、そんな簡単に浮かばないかけどもな」
そういって近づいてきたイツモを抱き寄せた時に、いろんな偶然が重なった。
新作の見本の艶と、抱き上げたイツモがたまたま黒猫だったことと、照明の位置的に見本のような輝きを放っていたことだ。
「イツモのような毛、イツ毛っていうのはどうだ」
「それ、いいですね」
そのまんま採用に持っていける権力、そして面白いことを愛するセンスが揃ってしまうと、話はとても早い。
「ここまで行くと斬新ですね」
シャンプー応援隊としていつも働きに来てくれるお兄さんは、サンプルボトルを手に取ったときにそういった。
ボトルにはイツモに似た猫がデザインされていた。
「俺のところに来る前は、黒猫シャインとか呼ばれていたみたいだがな」
傑としてはそれでいいんじゃないの?と思うのだが。
「このメーカーって、個性的な名前じゃないと、売上がなんだかんだで悪いんだってさ」
そう、誰もこんな名前考えつかねぇよな!っていう名前でなければ、中堅のメーカーの新製品は埋もれてしまうのだ。
「新製品のネーミングの投票したら、変わった名前がぶっちぎりで一位を取ったとかで」
これ、本当に売れるのかな?と当時のメーカーの人たちは思ったという。
「で結果はどうなったかっていうと売れた、使ってみるとわかるんだが、成分は間違いなく良いものを使っていたから、そこで固定客がついたってやつ」
しかしだ、個性的な名前というのは考えても考え付かないものである。
「ダメだ、無難なものしか思い付かない」
この個性的な名前が話題になるということで、広告費をそんなにかけることなく売上を伸ばしてきたのだが、壁にぶち当たった。
「どこかに天才がいないものか、もう…アホなことを真剣に考えるのは疲れた」
そんな疲れたメーカーさん、地方のとあるお店に営業にいった。
「いらっしゃいませ」
そう、それが浜薔薇である。
今日はこのままホテル宿泊するので、せっかくなのでシャンプーや耳掃除をしてもらった。
「こういうの自宅では難しいんでしょうけども、自宅でリラックスできるような物を作りたいんですよね」
そのためには予算が、次の新製品もきちんと売れなきゃいけない。
そう考えると頭が重い。
「そこまで難しく考えることはないんじゃないですかね、その気持ちを大事にして、作っていくことで見えていくことがあるんじゃないかなって」
蘆根は全肯定をするような男である。
「はっ!」
その時何かが走った。
「メロメロウ!」
次の新作の名前が決まった。
それからしばらくは悩んだら浜薔薇に行け!であったのだが。
「私たちが考えるより、蘆根さんが頼りになると気づいたんですよ」
黒髪を綺麗に見せれるシャンプーなんですよという説明に、「じゃあイツ毛なんてどうだ?」と返せる人間はおそらく蘆根だけである。
『イツ毛ってなんですか?』
『それはこのケットシーのような艶の出せるシャンプーのことよ』
そんなわけでイツモもCMデビューしました。
「イツモ、お前なかなか男前だな」
「ちょっと格好つけすきじゃないか」
「売上もシャンプー新商品のランクに入ってますし」
「おお、すごいことになった」
「美容師さんのおすすめシャンプーとしても紹介されているみたいなんで、後で記事とか全部まとめておきます」
あなたもケットシーのような艶が出せるイツ毛はただいまサロンとメーカーサイト、特約店にて先行販売中です!
「今日もみなさんで盛り上げますよ」
「シャンプー」
「シャンプー」
そしてシャンパー達は今日も新作を祈願し、声をあげている。
人は耳の奥にあるというガソゴソスポットを綺麗に掃除されると、そのままコロッと眠りに落ちてしまうという。
寝返りをしても、ガソゴソと音がしない幸福というやつだ。
休日ともなれば、浜薔薇も忙しい。
「シャンプー!」
「シャンプー!」
「もっと愛を込めて」
「シャンプー」
「シャンプー」
「いいよ、いいよぉ!愛が伝わってくるよぉ!」
あれはシャンパー達の祈りである、本作品の新作は、シャンパーがこのように儀式を毎日のように行っていたので降臨しております。
「願いが天に届いてる」
「シャンプー」
「シャンプー」
「お前らのシャンプー愛はそんなものか」
「シャンプー」
「シャンプー」
「傑さん、今日もみなさん元気ですね」
「…本当だよね」
ちょっとは傑もキテレツな光景になれたようです。
さて、シャンプーといえばあのメーカーさんなのですが、ついに浜薔薇をイメージしたシャンプーが登場したのはご存知でしょうか?
その名は『イツ毛』読み方は、イツモウです。
「蘆根さんね、私、次の新作、浜薔薇リスペクトで作りたいと思うんですよね」
あのメーカーさんの研究員、確信犯がそう蘆根に言い出してきた。
「いいんじゃないか?」
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「へぇ、名前は何にするんですか?」
「それが全然決まらなくて、何か蘆根さんにいい名前考えてもらえないかなって」
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そういって近づいてきたイツモを抱き寄せた時に、いろんな偶然が重なった。
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ボトルにはイツモに似た猫がデザインされていた。
「俺のところに来る前は、黒猫シャインとか呼ばれていたみたいだがな」
傑としてはそれでいいんじゃないの?と思うのだが。
「このメーカーって、個性的な名前じゃないと、売上がなんだかんだで悪いんだってさ」
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これ、本当に売れるのかな?と当時のメーカーの人たちは思ったという。
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「ダメだ、無難なものしか思い付かない」
この個性的な名前が話題になるということで、広告費をそんなにかけることなく売上を伸ばしてきたのだが、壁にぶち当たった。
「どこかに天才がいないものか、もう…アホなことを真剣に考えるのは疲れた」
そんな疲れたメーカーさん、地方のとあるお店に営業にいった。
「いらっしゃいませ」
そう、それが浜薔薇である。
今日はこのままホテル宿泊するので、せっかくなのでシャンプーや耳掃除をしてもらった。
「こういうの自宅では難しいんでしょうけども、自宅でリラックスできるような物を作りたいんですよね」
そのためには予算が、次の新製品もきちんと売れなきゃいけない。
そう考えると頭が重い。
「そこまで難しく考えることはないんじゃないですかね、その気持ちを大事にして、作っていくことで見えていくことがあるんじゃないかなって」
蘆根は全肯定をするような男である。
「はっ!」
その時何かが走った。
「メロメロウ!」
次の新作の名前が決まった。
それからしばらくは悩んだら浜薔薇に行け!であったのだが。
「私たちが考えるより、蘆根さんが頼りになると気づいたんですよ」
黒髪を綺麗に見せれるシャンプーなんですよという説明に、「じゃあイツ毛なんてどうだ?」と返せる人間はおそらく蘆根だけである。
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そんなわけでイツモもCMデビューしました。
「イツモ、お前なかなか男前だな」
「ちょっと格好つけすきじゃないか」
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「シャンプー」
「シャンプー」
そしてシャンパー達は今日も新作を祈願し、声をあげている。
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