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そんなトッピングは遠慮したいものです
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この先はゾンビも出ます。
ふと目に入った、目の前で起き始めていることに、声が出そうになってしまうその前に、大麓と秋澄の口は、腰木によって抑えられる。
「どうした?」
「いや…なんでもねえや、やっぱり後ろめたいのかな、なんか気になった」
「わかる、さっさと終わらせて、金受け取って帰るべ」
その話の後、何かの作業を開始し、終わらせるとすぐにそこから立ち去る。
(もうしゃべっていいぞ)
腰木に言われたことで。
「いや、ドキドキしました」
「俺らもすぐにここから移動するぞ」
「わかりました」
戦闘許可証持ちの経験者と、ただの許可証持ち、そして現場は経験はしてはいるが許可証持ちではない場合、このぐらいの差がある。
しばらく三人は言葉数は最低限になり、人込みが多い夕時の駅前まで来てようやく。
「ナリタツさんは?」
「ああ、遅れるそうだ、警察に協力するとかで、だから先に食事をした方がいいだろうな」
そういって先ほどの話ができるような店を選ぶ。密談に相応しい店というのは、意外とあるもので、この辺りにも老舗がそれを担っていた。
「さっきはドキドキしました」
「遭遇はこの先あると思ってくれ」
「ダンジョンに落ちたときとはまた別の怖さがありますね」
「探索チームは今晩には調査するようです」
「そうか」
「あれ、何をしてたんですかね」
「そりゃあ、悪いことだ、見られたとわかったら、何をしてくるかわからないってやつだ」
「大麓さんも、さっきの話、素直な気持ち、腰木さんに話した方がいいですよ」
「本当に夢に出そうですよ、あれ」
「冗談っぽくいうけど、本当に夢に出るから」
「そうなんですか?」
「そうよ、ああいうのはね、残るから、私は残ってしまう方なので」
「ああいう経験して全く尾を引かないタイプは、珍しいんだわ」
「腰木さんとかナリタツさんとかは引かない方です」
「引いてたらさ、戦闘許可証なんて取れないでしょうよ」
「引いてますが、戦闘許可証は持ってます」
「あっ、そうだったな」
「大麓さん、あちこちに敵とか作らない方がいいですよ、免許返納してから大変になりますよ」
「人生に彩りはあるんだがな」
「そんなトッピングは遠慮したいものです」
「長生きはしたいもんな」
「はっはっはっ、ナイスジョーク」
「もしなんかあったら、秋澄頼むわ」
「ナリタツさんみたいなこと言わないでくださいよ」
「そういえばナリタツさんは警察にとは?」
「この時期からゾンビが出るんだよ」
「なんですって!」
「行方不明になった人がゾンビになって、うろうろするから」
「ただ必要な装備とか持ってない場合は通報だけでいいので」
「確かにさっきじゃないですけども、いきなり会ったら大変ですもんね」
ナリタツはゾンビに対しては悲しみを持っている。
乗り換えのための待ち時間、ちょっと駅から散歩して、少しでも観光気分を味わうつもひの時でも。
「…いるのか」
ここから離れた、ナリタツからは臭いはしない距離にいると、鞄の中にいるアイテムが教えてくれる。
そのアイテムはスカルの鍵。
生者に死人の言葉は理解ができない、スカルの鍵を取得する前は、それこそ臭いでゾンビがいるのがわかったが、この鍵はか細い声でさえも拾い上げるので、ナリタツはそこが一番気に入っていた。
地元の人しか知らない、裏通りの裏通りに進んでいく。
ここまで近づくと臭いがしてくる。
手慣れたように鞄からまたアイテムを出す、ツルリとした生地の布、それを片手にゾンビの元へ。
バサッ
ゾンビを目の前にその布を広げると、派手な色を背景にした十字のデザイン、これは死の神を意味するもの。
人からゾンビになってしまったものを解放する。
(うわ…)
連絡を受け駆けつけた職員は、そう言いたくなるが、善良なる市民の前だ。
「それではお手数ですが、書類にご協力ください」
「わかりました」
ナリタツは何度も書いている書類のために、KCJの戦闘許可証を出してそう言われるのを待っていた。
「生巽(ナリタツ)さんはKCJの職員なんですか?」
「いえ、免許持ちなだけですよ、ほら今は身分証明になると、これだけで済むものってなかなかないですから」
「わかります、わかります、KCJの戦闘許可証以外だと何枚か身分証明のために提出してもらわなきゃいけませんから」
「武芸十八般でもかじっているならば、師匠から免状をもらえたりしますが、やっぱりお金かかりますからね」
「あっちの世界はどうしてもね」
「書類はこれでいいですか?」
記入漏れがないかチェックされ。
「ご協力くださいまして、ありがとうございました」
そのまま駅まで送ってもらい、ナリタツは遅れた時間を取り戻すために、食べれるもの飲み物を確保し、この地を後にした。
ゾンビになると、見つかったとしても、家族が最後のお別れをすることは出来ない。それこそ、一目見たら忘れることは出来なくなる姿をしているからだ。
しかし例外というのは何事にもある。
「話には聞いてましたが、条件付きで認められる処置できる人始めてみました」
「葬儀社にでも務めているのかなって思うぐらい、手慣れている人だったな、これならばご家族にも最後のお別れしていただけるだろう」
能力であれ、装備品であれ、ゾンビから解放するというのは、かなり珍しいことができるといってもいい。
「KCの方ではモンスター扱いなんで、ゾンビ。だからゾンビを倒したら倒しましたでいいの、日本ぐらいなんだよ、そっから最寄りの都道府県の部署に連絡して、そこから担当者が確認して、書類作りますとかだから」
「平日と休日じゃ連絡先違ったりしますからね」
そのために積極的にゾンビを何とかします!という人も少ないし、ゾンビが家族の元に戻れるようにすると考えている人は数える程度である。
ふと目に入った、目の前で起き始めていることに、声が出そうになってしまうその前に、大麓と秋澄の口は、腰木によって抑えられる。
「どうした?」
「いや…なんでもねえや、やっぱり後ろめたいのかな、なんか気になった」
「わかる、さっさと終わらせて、金受け取って帰るべ」
その話の後、何かの作業を開始し、終わらせるとすぐにそこから立ち去る。
(もうしゃべっていいぞ)
腰木に言われたことで。
「いや、ドキドキしました」
「俺らもすぐにここから移動するぞ」
「わかりました」
戦闘許可証持ちの経験者と、ただの許可証持ち、そして現場は経験はしてはいるが許可証持ちではない場合、このぐらいの差がある。
しばらく三人は言葉数は最低限になり、人込みが多い夕時の駅前まで来てようやく。
「ナリタツさんは?」
「ああ、遅れるそうだ、警察に協力するとかで、だから先に食事をした方がいいだろうな」
そういって先ほどの話ができるような店を選ぶ。密談に相応しい店というのは、意外とあるもので、この辺りにも老舗がそれを担っていた。
「さっきはドキドキしました」
「遭遇はこの先あると思ってくれ」
「ダンジョンに落ちたときとはまた別の怖さがありますね」
「探索チームは今晩には調査するようです」
「そうか」
「あれ、何をしてたんですかね」
「そりゃあ、悪いことだ、見られたとわかったら、何をしてくるかわからないってやつだ」
「大麓さんも、さっきの話、素直な気持ち、腰木さんに話した方がいいですよ」
「本当に夢に出そうですよ、あれ」
「冗談っぽくいうけど、本当に夢に出るから」
「そうなんですか?」
「そうよ、ああいうのはね、残るから、私は残ってしまう方なので」
「ああいう経験して全く尾を引かないタイプは、珍しいんだわ」
「腰木さんとかナリタツさんとかは引かない方です」
「引いてたらさ、戦闘許可証なんて取れないでしょうよ」
「引いてますが、戦闘許可証は持ってます」
「あっ、そうだったな」
「大麓さん、あちこちに敵とか作らない方がいいですよ、免許返納してから大変になりますよ」
「人生に彩りはあるんだがな」
「そんなトッピングは遠慮したいものです」
「長生きはしたいもんな」
「はっはっはっ、ナイスジョーク」
「もしなんかあったら、秋澄頼むわ」
「ナリタツさんみたいなこと言わないでくださいよ」
「そういえばナリタツさんは警察にとは?」
「この時期からゾンビが出るんだよ」
「なんですって!」
「行方不明になった人がゾンビになって、うろうろするから」
「ただ必要な装備とか持ってない場合は通報だけでいいので」
「確かにさっきじゃないですけども、いきなり会ったら大変ですもんね」
ナリタツはゾンビに対しては悲しみを持っている。
乗り換えのための待ち時間、ちょっと駅から散歩して、少しでも観光気分を味わうつもひの時でも。
「…いるのか」
ここから離れた、ナリタツからは臭いはしない距離にいると、鞄の中にいるアイテムが教えてくれる。
そのアイテムはスカルの鍵。
生者に死人の言葉は理解ができない、スカルの鍵を取得する前は、それこそ臭いでゾンビがいるのがわかったが、この鍵はか細い声でさえも拾い上げるので、ナリタツはそこが一番気に入っていた。
地元の人しか知らない、裏通りの裏通りに進んでいく。
ここまで近づくと臭いがしてくる。
手慣れたように鞄からまたアイテムを出す、ツルリとした生地の布、それを片手にゾンビの元へ。
バサッ
ゾンビを目の前にその布を広げると、派手な色を背景にした十字のデザイン、これは死の神を意味するもの。
人からゾンビになってしまったものを解放する。
(うわ…)
連絡を受け駆けつけた職員は、そう言いたくなるが、善良なる市民の前だ。
「それではお手数ですが、書類にご協力ください」
「わかりました」
ナリタツは何度も書いている書類のために、KCJの戦闘許可証を出してそう言われるのを待っていた。
「生巽(ナリタツ)さんはKCJの職員なんですか?」
「いえ、免許持ちなだけですよ、ほら今は身分証明になると、これだけで済むものってなかなかないですから」
「わかります、わかります、KCJの戦闘許可証以外だと何枚か身分証明のために提出してもらわなきゃいけませんから」
「武芸十八般でもかじっているならば、師匠から免状をもらえたりしますが、やっぱりお金かかりますからね」
「あっちの世界はどうしてもね」
「書類はこれでいいですか?」
記入漏れがないかチェックされ。
「ご協力くださいまして、ありがとうございました」
そのまま駅まで送ってもらい、ナリタツは遅れた時間を取り戻すために、食べれるもの飲み物を確保し、この地を後にした。
ゾンビになると、見つかったとしても、家族が最後のお別れをすることは出来ない。それこそ、一目見たら忘れることは出来なくなる姿をしているからだ。
しかし例外というのは何事にもある。
「話には聞いてましたが、条件付きで認められる処置できる人始めてみました」
「葬儀社にでも務めているのかなって思うぐらい、手慣れている人だったな、これならばご家族にも最後のお別れしていただけるだろう」
能力であれ、装備品であれ、ゾンビから解放するというのは、かなり珍しいことができるといってもいい。
「KCの方ではモンスター扱いなんで、ゾンビ。だからゾンビを倒したら倒しましたでいいの、日本ぐらいなんだよ、そっから最寄りの都道府県の部署に連絡して、そこから担当者が確認して、書類作りますとかだから」
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