浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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やぁ!

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花が売ってた。
無人販売というやつでこの辺では珍しい。
「リーダー、無視だ」
「?ああわかった」
仲間のアドバイスに従って、先を急ぐと。

『チッ』

後ろから舌打ちが聞こえた。


「あれは悪魔だな」
街に帰ってきてから先ほどの花についての説明をされた。
「これは悪意があるものという意味で、人でも獣でも、それがあるものはそう呼ばれる」
「あいつらなんていうの、そういうの大好きなんだよな」
「あの花はね、持ち歩くとモンスターとかに狙われやすくなるんだよ」
「採算性無視してくるから、理解できないのよね」
「まあ、リーダーはそういうのはもう知ってるとは思うがな」
パーティーメンバーからすると、毒盛りなんかはそれに当たるらしい。
「こういうのってわかりやすく見分けるのはね、お昼時だよ、みんなお昼にお腹が空いてご飯を食べるっていうときに、活発に動き回ってるのがだいたいそうなんじゃないかなと」
「とりあえずその話は一回切り上げて、そろそろ報告書を仕上げましょ」
今回彼らは野外に出歩く怪物達から、ダンジョンや巣が作られていないか調べていた。
「種族が同じならば、巣が違えども歩行速度は変わらないから」
そこから中心点を推測するという。
「ただ今回ダンジョンがありそうなんだよな」
五ヶ所ぐらいここからやって来たのではないかと思われる場所があるのだが、そのうちの一ヶ所が何種類か重複しているのである。
「怪物達の母は多産だからな」
そしてやり方としては、とりあえず野外にダンジョン生まれの怪物や魔物などの、モンスターを歩かせて、人がいたら襲って、その地点に続々と送り込むを繰り返すのである。
「ダンジョンは自然災害なんだよ!」
「台風と同じ扱いなのか」
「今年は雨が少ないな、これじゃあ土地が痩せちまうってことでな」
「そっちでいう光合成みたいなもんよ」
「魔物でも人でも死んでくれれば栄養になる、宝石とか置いておけば人は喜んで探しに来るよ!ということさ」
こちらのダンジョンはこのタイプが多いらしい。
「リーダーの生まれ育ったところみたいに、人や猫を助けるためにダンジョンを使いますは聞いたことはないわ」
「それは他にいないとは思うよ」
浜薔薇近辺にあるダンジョン『四季からの卒業』は、ダンジョンマスターを郷土の研究をしていた館長が勤め、KCJが保護しているワンニャンシェルターとして主に利用されていますが、災害時には避難所として一部を解放する契約をKCJと結んでいます。
「平和っていいよね」
「そうだね、争うこともなく穏やかに生活できるのならばいいと思うよ」
「そういえばさ、リーダーの槍の話、聞きたいんだけども」
今回リーダーは槍を持ってこちらに来ました。
「槍を使えるって知らなかったわ」
「教えられてはいたんだよ、こっちでパーティー組みましたって話をしたら、本腰入れろって、この間帰ってから、特訓しようってね…」
リーダーは目が泳いだ。

尊き者へ捧げる歌が聞こえる。
「お久しぶりです、元気でしたか?」
「それなりに元気です」
「教えた槍はどこまでできるようになりましたか?」
「時間があれば型は練習しています」
「う~ん」
その答えが気に入らなかったようだ。
「足りません、足りませんよ」
「すいません」
「違います、型ではありません、あなたには覇気がない、やる気とでもいうか、熱心さが抜け落ちている、故に理解できる技もあるのですが、秋月夜の一門はそれでいいでしょう、でも私には物足りません」
しばらく槍を握る時間を増やせといわれた。

「こっちに槍を持ってくるぶんには問題ないから」
リーダーはKCJの戦闘許可証を持ってないため、生まれた世界では槍を扱える場所が限られていた。
「安全のためにはしょうがないのでしょうけども」
「まっ、こっちでブンブン振り回せばいいんじゃないか」
「こっちに来るまで仕事に支障がない程度に強度を上げますっていって、ひたすら打ち合いしてたから、しばらくは増やさないよ」
打ち合い終了後についた傷や痛みへの薬を塗って休憩し、次の日自然回復ではおおよそ考えられないほど元に戻ったところにまた、突きや払いで打ちすえられた。
「体は大丈夫なのか?」
「そっちの傷よりも心に傷が残る感じだね」
嬉しそうに隙がありますねと、相手から注意と小鳥の啄みのような突きがくる。
「リーダーはもっと美味しいものとか食べた方がいいよ」
「そうだね」
「ぬる水の麦とか、普通に食べているんだよ」
こちらの麦にぬるい水をかけたもの。
「これね、味のことを考えなければ、お腹溜まるんだよね」
「せっかくあるんたまし、KCJの職員さんが用意てくれた麦ミックスにしたら?」
そういってざらざらと出した来てくれた。

(槍の事を聞きたいがそんな感じではないな)

パーティーの一人はそう思ったが、そう急ぐことでもなかったので話に挟まないことにした。

「この麦ミックスのおかげか、風邪ひいたチビ達が早く元気になるんだよ」

麦美味しくない市名産の、この麦。先日リーダーは美味しく食べれないものか、KCJの調理部に依頼したのである。
「これを美味しくできないか、最悪食べてるときに現実逃避して美味しいものを食べたいと思わないようにしてほしいと依頼がきました」
「そんなに美味しくないの?」
「子供の時広告では見たどもさ」
この時はみな、冗談でしょ?と笑っていたが。
ポピュラーな現地での食べ方をまずは試してもらったところ、皆の表情が険しくなった。あまりの美味しくなさに眉間にシワをよせるものもいた。
「美味しく食べる方法、最終的には現地で取れる方法で美味しくする、を目指していきたいと思います」
KCJ調理部の戦いは始まった。
「こんな食べ物あるんですね、一口いれると、まず美味しくなさが鼻につく」
「他の物、乳製品なら誤魔化せるんじゃないかと思ったんですが、これは隠れてない、むしろこっち見て手を振っている」

やぁ!

リーダーが依頼した話は貴族や商人にもいつの間にか伝わって。
「日本人なら日本人ならやりとげれるはず」
と期待されたのだが。
「これが我々ができる現状の精一杯です」
できたものは普通だった。
「煮ても焼いても食えない奴を、あちらではこの麦に例えるらしいのですが、本当にそうでした」
麦2に対して、その2の味をごまかし、足りない栄養を足すには、いろんなものが8も必要だったという。

「味は…普通なんだよね」
「食事が中断せずに最後まで食べれるのはすごいことなのよ」
できたものがあまりにも普通だったゆえに、商人は目をつけなかった。
「美味しいものが売れるので今回は見送ります」

「あいつらはこっちの生まれじゃねえから」
そのために、ぬる水の麦は食べたことはおそらくないだろうとのかと。
味が普通の麦ミックスが販売されることになったが、味が普通だっために取引金額も手が届く範囲内におさまった。


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