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王子様が現れたかと思っちゃった
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螺殻(らがら)ミツは瀬旭(せきょく)や覆木(おおうき)、水芭(みずば)のファンの方からはどう見られているかというと。
「危ないです」
女にか囲まれているあいつらがすげぇムカつくという理由、そんな理由の暴力がファンの女性に向かったとき、ミツは体を前にして守り、その間に覆木が動き、取っ捕まえるということがあった。
ただミツとしては前職の貴賓対応プログラム通りに添った対応なのだが。
「王子様が現れたかと思っちゃった」
居合わせたファンはそう呟いた。
その話が一人歩きしたことと、事務所のカラーというかセンスを踏まえた品の良い立ち振舞いと身なり。
そこにだ。
長年ファンであり、その時守られた当事者がコメントを出した。
「詳しいことは防犯に関わるからいえないけども、ミツさん、あれはアリよ!」
ということで、螺殻ミツという新人は。
「下手に若い男、美形入れるよりはとってもいいと思うの、こうなんていうの、やっぱり覆木さんはわかってらっしゃるっていうか、人を見る目があるのね」
連れてきたのは瀬旭なのだが、なんだかそういうことで丸く収まったのだが。
「あのやり方はダメだ」
その後ミツはお説教となった。
「すいません」
何故怒られたのか、それはミツが悪いというよりもプログラムの悪い部分に忠実に従ったせいなのだ。
あのプログラムでは、貴賓に何かあった際に、それこそ自分を盾にして守るというやり方のため、怪我をする確率がとても高い。
「いいかい、ミツ、エスコートというのはね、そんなに大袈裟なことじゃないんだよ、こう…然り気無くやればいいのさ」
「然り気無くですか」
「ほら、女の子ってそういうのに敏感じゃない?私は大事にされている、守られているってそうわかってもらいながら守るっていうのが重要なんだぜ」
そのまま瀬旭から習うことになった。
「こうですか」
「ぎこちないども、最初はそれでいいさ」
これを見て驚いたのは水芭だ。
何度か、瀬旭から自分も教えてはもらったのだが、実際にミツが教えられているところを見たら、父と子のようなやり取りに見えたからだ。
(女の子に教えているじゃないんだよな、小さい子に目線を一緒にして教えてる…か)
「だから今回の場合はね、水芭はそこに立って」
「はい」
「気がついたらまず最初に手、ちゃんと相手の方向は見続けてから若干下がる、襲ってきたあそこならば3歩かな、下がれば照準から隠れると思うんだよね」
「確認します」
水芭がすぐに動いた。
「そうですね、二歩で半分、3歩でほぼ隠れちゃいますね」
「余裕があったらでいいから、そのぐらい周囲を気をつけてやるといいと思う」
このすぐには真似できない授業はそこで終わり、水芭とミツはそのままミーティングを初め、今後の対応について考え始めている。
それを微笑ましく見ながら、離れたところに座る覆木の向かいにかけた。
「今度からこういう場合はさっさと片付けようと思う」
「えっ?いいのか?」
「あの二人が気づいたのならばそれで収穫だろう、無理にやらせることはないさ」
「それはそうなんだけどもさ、あだ、わかった、ミツが俺の技ばっかり覚えるから悔しいんだろう」
「そ、そんなことない」
「それなら素直に教えてもいいんじゃない?」
「俺が教えるとな…教えるの下手だって知ってるだろう」
「知ってる、でもさ、だからといって教えないと、それでも教えようとするのはちょっと違うんじゃないかなって」
「そう言われるとな…」
モヤモヤって思いをしながら、覆木は立ち上がり、ボードに向かってダーツを三投のだが…さすがだ、さりげなく20のトリプルを決める。
(うわ…)
ミツはそれを見て驚いたのは、覆木が今投げたのは、利き腕ではなかったからであった。
もう1つミツが来てから変わったことといえば、依頼人が女性である場合の同行者がミツになったことである。
瀬旭と一緒に依頼人に直接報告をした帰りである。
「ゾンビがいる」
ミツが視線を向けたときには、ゾンビはもう後ろに倒れていた。
「はい、終わり、それじゃあ、問題です、俺は今、どこを撃ったでしょうか?」
「ゾンビは獲物を目で見つけているので、目です」
「正解!」
目は2つある、だから今、瀬旭は二発撃ったはずなのだが。
(一発にしか聞こえなかった)
「けどゾンビは手続きが面倒くさいんだよね」
「警察ですか?」
「この辺だと委託されているんだ」
その担当者は銃の射撃場を経営していた。
オーナーがトラックで到着。
「久しぶりだな」
「そっちこそ、元気だった?ああ、ミツこいつはね、昔からの知り合いでね」
「どーも、んでこちらの娘さんはどなた?」
「ああ、うちの新人ね」
「はじめまして」
「あ~なんだろう、この子を見たら、時の流れは残酷だなって思っちゃうんだけども、オレも年を取ったなって」
「わかるわ、最近時の経過を感じて落ち込むときはあるよ」
「おっさんのトークはここまでにして、それでゾンビはどこよ」
「あっち」
シートはかけてある。
検分。
「お前、昔よりなんか腕上がってね??」
なんでこれ射抜けるんだよ。
「それなら久しぶりにうちに遊びに来いよ、最近ちょっと客足が遠退いてさ、もちろん覆木や水芭、そっちの新人さんもつれてきてくれよ」
「俺は見せもんじゃない!でもまあ、ミツに格好いいところを見せたくなったら、考えないでもない」
「その気まぐれが早めに起きてくれることを楽しみにしてるぜ、じゃあ、まあ、あとはこっちでやっておくからまたな」
「将を射んとする者はまず馬を射よという言葉はありますが、なかなか手強いものですね」
「そうですかね、でも計画通りには言ってると思います」
「ありがとう、出来ればここで削いで起きたかったのは本心なので」
「そんなに脅威として見なくてもいいんじゃありませんか?」
「そうですか?僕はそう思いませんよ、何しろ実力がある人たちですから、こうして絡めていくしかありませんし、でもまあ、嬉しくもあります」
「嬉しくもですか」
「あの人たちがこんな簡単に崩れるわけがないとね、結局僕もファンなんですよ、子供の頃憧れません?ヒーローに」
「その気持ちはわからなくもありませんが」
「時間はこちらの味方です、でもその勝ち方では本当の勝ちにはならなくなる、僕の心にトゲとならない決着をつけなくてはなりません、まあ、これは僕のわがままということで」
「はぁ、そうですか」
「ああ、それと」
「なんでしょう」
「死んだはずの男は出来ればそのまま連れてきてください」
「えっ?」
「だってほら、気になりません?不老不死ですよ、不老不死、僕としては気になるんですよね、だってあの人は死んだはずなのに、それこそ今では僕も同じ年ぐらいで、嫌だな、これからどんどんおじさんになっていくんですよ、それならずっと若いときの体力とか興味ありません?僕はあります」
「はい、ではこっそりと手配します」
「雨、やまないな」
そして幽鬼はあの時の傘を抱きしめ、鼻唄を歌いながらやむのを待っていた。
「危ないです」
女にか囲まれているあいつらがすげぇムカつくという理由、そんな理由の暴力がファンの女性に向かったとき、ミツは体を前にして守り、その間に覆木が動き、取っ捕まえるということがあった。
ただミツとしては前職の貴賓対応プログラム通りに添った対応なのだが。
「王子様が現れたかと思っちゃった」
居合わせたファンはそう呟いた。
その話が一人歩きしたことと、事務所のカラーというかセンスを踏まえた品の良い立ち振舞いと身なり。
そこにだ。
長年ファンであり、その時守られた当事者がコメントを出した。
「詳しいことは防犯に関わるからいえないけども、ミツさん、あれはアリよ!」
ということで、螺殻ミツという新人は。
「下手に若い男、美形入れるよりはとってもいいと思うの、こうなんていうの、やっぱり覆木さんはわかってらっしゃるっていうか、人を見る目があるのね」
連れてきたのは瀬旭なのだが、なんだかそういうことで丸く収まったのだが。
「あのやり方はダメだ」
その後ミツはお説教となった。
「すいません」
何故怒られたのか、それはミツが悪いというよりもプログラムの悪い部分に忠実に従ったせいなのだ。
あのプログラムでは、貴賓に何かあった際に、それこそ自分を盾にして守るというやり方のため、怪我をする確率がとても高い。
「いいかい、ミツ、エスコートというのはね、そんなに大袈裟なことじゃないんだよ、こう…然り気無くやればいいのさ」
「然り気無くですか」
「ほら、女の子ってそういうのに敏感じゃない?私は大事にされている、守られているってそうわかってもらいながら守るっていうのが重要なんだぜ」
そのまま瀬旭から習うことになった。
「こうですか」
「ぎこちないども、最初はそれでいいさ」
これを見て驚いたのは水芭だ。
何度か、瀬旭から自分も教えてはもらったのだが、実際にミツが教えられているところを見たら、父と子のようなやり取りに見えたからだ。
(女の子に教えているじゃないんだよな、小さい子に目線を一緒にして教えてる…か)
「だから今回の場合はね、水芭はそこに立って」
「はい」
「気がついたらまず最初に手、ちゃんと相手の方向は見続けてから若干下がる、襲ってきたあそこならば3歩かな、下がれば照準から隠れると思うんだよね」
「確認します」
水芭がすぐに動いた。
「そうですね、二歩で半分、3歩でほぼ隠れちゃいますね」
「余裕があったらでいいから、そのぐらい周囲を気をつけてやるといいと思う」
このすぐには真似できない授業はそこで終わり、水芭とミツはそのままミーティングを初め、今後の対応について考え始めている。
それを微笑ましく見ながら、離れたところに座る覆木の向かいにかけた。
「今度からこういう場合はさっさと片付けようと思う」
「えっ?いいのか?」
「あの二人が気づいたのならばそれで収穫だろう、無理にやらせることはないさ」
「それはそうなんだけどもさ、あだ、わかった、ミツが俺の技ばっかり覚えるから悔しいんだろう」
「そ、そんなことない」
「それなら素直に教えてもいいんじゃない?」
「俺が教えるとな…教えるの下手だって知ってるだろう」
「知ってる、でもさ、だからといって教えないと、それでも教えようとするのはちょっと違うんじゃないかなって」
「そう言われるとな…」
モヤモヤって思いをしながら、覆木は立ち上がり、ボードに向かってダーツを三投のだが…さすがだ、さりげなく20のトリプルを決める。
(うわ…)
ミツはそれを見て驚いたのは、覆木が今投げたのは、利き腕ではなかったからであった。
もう1つミツが来てから変わったことといえば、依頼人が女性である場合の同行者がミツになったことである。
瀬旭と一緒に依頼人に直接報告をした帰りである。
「ゾンビがいる」
ミツが視線を向けたときには、ゾンビはもう後ろに倒れていた。
「はい、終わり、それじゃあ、問題です、俺は今、どこを撃ったでしょうか?」
「ゾンビは獲物を目で見つけているので、目です」
「正解!」
目は2つある、だから今、瀬旭は二発撃ったはずなのだが。
(一発にしか聞こえなかった)
「けどゾンビは手続きが面倒くさいんだよね」
「警察ですか?」
「この辺だと委託されているんだ」
その担当者は銃の射撃場を経営していた。
オーナーがトラックで到着。
「久しぶりだな」
「そっちこそ、元気だった?ああ、ミツこいつはね、昔からの知り合いでね」
「どーも、んでこちらの娘さんはどなた?」
「ああ、うちの新人ね」
「はじめまして」
「あ~なんだろう、この子を見たら、時の流れは残酷だなって思っちゃうんだけども、オレも年を取ったなって」
「わかるわ、最近時の経過を感じて落ち込むときはあるよ」
「おっさんのトークはここまでにして、それでゾンビはどこよ」
「あっち」
シートはかけてある。
検分。
「お前、昔よりなんか腕上がってね??」
なんでこれ射抜けるんだよ。
「それなら久しぶりにうちに遊びに来いよ、最近ちょっと客足が遠退いてさ、もちろん覆木や水芭、そっちの新人さんもつれてきてくれよ」
「俺は見せもんじゃない!でもまあ、ミツに格好いいところを見せたくなったら、考えないでもない」
「その気まぐれが早めに起きてくれることを楽しみにしてるぜ、じゃあ、まあ、あとはこっちでやっておくからまたな」
「将を射んとする者はまず馬を射よという言葉はありますが、なかなか手強いものですね」
「そうですかね、でも計画通りには言ってると思います」
「ありがとう、出来ればここで削いで起きたかったのは本心なので」
「そんなに脅威として見なくてもいいんじゃありませんか?」
「そうですか?僕はそう思いませんよ、何しろ実力がある人たちですから、こうして絡めていくしかありませんし、でもまあ、嬉しくもあります」
「嬉しくもですか」
「あの人たちがこんな簡単に崩れるわけがないとね、結局僕もファンなんですよ、子供の頃憧れません?ヒーローに」
「その気持ちはわからなくもありませんが」
「時間はこちらの味方です、でもその勝ち方では本当の勝ちにはならなくなる、僕の心にトゲとならない決着をつけなくてはなりません、まあ、これは僕のわがままということで」
「はぁ、そうですか」
「ああ、それと」
「なんでしょう」
「死んだはずの男は出来ればそのまま連れてきてください」
「えっ?」
「だってほら、気になりません?不老不死ですよ、不老不死、僕としては気になるんですよね、だってあの人は死んだはずなのに、それこそ今では僕も同じ年ぐらいで、嫌だな、これからどんどんおじさんになっていくんですよ、それならずっと若いときの体力とか興味ありません?僕はあります」
「はい、ではこっそりと手配します」
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