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西にケットシーの爪
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「はい、もしもし」
barの電話を螺殻(らがら)ミツが取ると。
「すいませんが水芭(みずば)さんはおられますか?」
電話をくれたのは、事務所の協力者でbarの常連、わかりやすくすると酔っぱらってどっからか河川ザメを連れて帰ってきて、そのまま同居をしている人である。
「水芭さん」
「はい、もしもし、代わりましたが」
いくつか、やり取りがあった後に。
「わかった、すぐに作るから、一時間ぐらいしたらできてると思うよ」
そういって連絡を終える。
「ご注文ですか?」
「そう、昨日、ふりかけも作ったじゃない」
「あれ、美味しいですよね」
水芭はふりかけもたまに自家製します。
「サメくんがさっき食べようとしたら、こぼしちゃったんだ」
こぼれたふりかけにショックを受け、床に散らばったものを食べようとするのを止めました。
「三秒ルールはサメには通用しないかもしれないから、また作ってもらうからやめて!」
と止められた。
サメ有識者でなくてもあきらかにサメは落ち込んだままなので、そのまま水芭に注文したという。
水芭のふりかけは、胡麻油でゴマとおかかを炒め、味付けしたシンプルなもの、せっかく作ったのでミツへの賄いもこれを具材にしたおにぎりにする。
おにぎりを作り終えて、カウンターでいただきますと、ミツは手を合わせているのだが、水芭はまだ他にも作るらしい。
「何を作るんですか?」
「お子さまランチ、ええっとね、こっちの世界には子供向けのメニューとしてね、少量でいろんなものを食べれるように工夫した、見た目も楽しくしたものがあってね」
そういって写真を見せてくれた。
「いいですね、こういうの」
「彼の家のサメくんは、サメとしては大人になるんだけども、人間からすると子供の年齢だからね」
一時間ほどでふりかけを引き取りにやって来る。
「ああ、それとこれは僕から」
「なんです?」
「お子さまランチみたいなもんだよ」
「それは…喜びますね、ああ見えてまだまだ子供なんですよ」
お仕事だとグッとそれを抑えているのを知ってるので、休みの日なんかは色々なところにつれていったりしているそうだ。
「あっ、それと」
「なんだ?」
「変なものが飛んでました」
「変なもの?」
「コウモリっぽいもの、そちらにはご挨拶はありましたか?」
「いいや、ない、となるとニューバンか」
「柄が悪くなければいいですよね」
「ニューバンに品性を求めてはいけないだろう?」
「それは確かに」
ニューバン、新しい吸血鬼とされる者たち、彼らは厄介者、ごろつき扱いである。
人より吸血鬼になったものだが、なり方が自らの暴力や狡猾から変化していったものなので、ここまで毛嫌いをされている。
不幸な女がいるのだろう、そういう女は実に好ましい。
その血はいくらあっても良いと思う。
「そう思いません?」
「思いません、帰ってください」
傘目(かさめ)がそういい放ち、瀬旭(せきょく)は無言で、左目を弾丸で潰した。
「ひどいな、せっかく知り合いがいたからご挨拶に来たのに」
左目の治り方を見て、こいつは相当犠牲者だしているなというのがよくわかる。
「傘目さん、お久しぶりです」
「知り合い?」
「こいつが人間だったときのですが、曇(くもり)さん、何やってんの?」
「今は吸血鬼やってる」
「知ってる、噂では聞いた、なったって、でも何それ、短期間でどれだけ染まったのさ」
「やっぱりわかっちゃう?」
「おじさんにもわかるように説明してよ」
「あなたは…初めまして曇です、お名前は人であったことから知っています、相変わらず格好いい人だ」
「そりゃあどうも」
「何の用さ?」
「この先に、不幸な子いますよね?」
「いたらどうするのさ?」
「そりゃあもちろん、言わなくてもわかるでしょ」
言い終わると同時に曇の右手首が、傘目によって落とされた。
「ナイス」
「ああ、やっぱり早いな、イタズラしようと思ったのに防がれちゃった」
「何しようとしてたのさ?」
「新しい力の試運転かな、成功したらおもしろいかなって思ったけども、やっぱりかなわないね」
落ちた手首は煙として消えて、手首は再生をしようとする。
「僕ね、狙うのは女性ばかりなんですよ、その子を夢中にさせて、先日まで一緒にいた子はね、将来有望って呼ばれるような子だったんですけどもね、最後の方には僕なしではいられなくなってしまった、だから飲み干したんですけども」
この自分語りな間も、瀬旭と傘目はそれぞれ撃ち抜き、切り裂くのだが、そのまま曇は受け続けた。
(全く効いてないわけじゃないですね)
(ただちょっと俺だと残弾が気になる)
そこにだ、コウモリが飛び込んでくる。
「いきなりいなくなるから心配した」
「あ~ごめん」
曇は交戦中にも関わらず、のんきに話を始めてる。
「もう、探したんだよ」
「ごめんって」
そのコウモリを傘目が狙おうとしたが。
「それはダメ」
庇うように曇は切られた。
「このままじゃ曇とお別れになっちゃう、それは嫌だからとりあえず帰ろう」
「うん、そうだね」
警戒していたはずなのに、弾丸はコウモリの羽を貫いた。
「ああ!」
「よっしゃ!」
「なんてことをするんだよ」
「羽を射られただけだから、でも早くなんとかしてくれるかな」
「うん、わかった、男の血は味としては好きじゃない、でも見るのは好きだから…さ」
さっきまでと曇は雰囲気が変わっていく。
ドロドロとした呪い歌を彼は置いて、姿を消したのであった。
「でもこの旧校舎で良かったですね」
対呪用の設備なので。
「威力は確かにすごかったが、相性は悪かったってことか」
「考えもなしにぶっぱなすなんて…本当に変わっちゃったんだな」
「落ち込んでる?」
「全然、人生って色んなことあるもんじゃないですかね」
「そういえる傘目先生は強いよ」
呪歌の処置は二人の手には追えないので、報告後速やかに警備がやってきた。
「瀬旭さん、帰る前にシャワー使った方がいいですよ、ここ霊泉もあるんで」
いわゆるパワースポットが敷地内にある、霊泉は大樹の下にわいており。
「そこにKCJが西にケットシーの爪を埋めてますからね」
ケットシーを白虎と見立てるために、毛が白い時期のケットシーの爪を切って、霊泉から見て西のどこかに埋めている。
「東に竜の爪とか埋まってるの?」
「そこまでは…聞いてはいないです、でも埋まっていたとしても防犯上知ることはないでしょうね」
シャワーを浴びて、それこそ自宅にいるときのようなTシャツにハーフパンツに着替え、報告書面倒くさいなと思って、傘目はパタパタと裾をめくって、仰いでいた。
「失礼します、傘目先生は…」
そこにミツが追加の書類を持ってドアが開けっぱなしの部屋に来たのだ。
「いやん!」
そういって傘目は体を隠す素振りをする。
「失礼しました!!!!」
「いや、こっちこそ、ごめん、つい油断してた」
現在わかってることで重要なことをミツから伝えられて、傘目はそれらをメモをする。
「報告ありがとう、後はこっちでもやれるから、瀬旭さんと一緒に帰るといいよ」
「わかりました、それでは失礼します、先生さようなら」
「はい、さようなら、またね」
(さっきの先生…)
事故とはいえ、傘目の体つきを見てしまった。
(先生の体すごかったな、私ももう少し筋肉つけたいな)
そういって二の腕を触ったが、ぷにぷに感は拭えない。
「なんか、そのうちみなさんに置いてかれそうな気がしてるんですよね」
「どうしてそう思ったのさ」
帰りの車中、瀬旭との会話。
「守られているからでしょうか」
「それは難しい問題だな、俺らは守りたい、ミツはそれにちょっと疑問を感じてる」
「はい」
「そこに葛藤しているということは悪いことじゃない、何とかしようと努力しようとしている姿は美しいと思うよ」
「でも…」
「努力は確かに残酷だ、思ったように成果はでない」
「はい、もっと出来れば良かったのにと、瀬旭さんを案内したあの日のことも思い出しりします」
「えっ?でも同じミスはもう起きないぐらいにこの間なっていたよね」
それこそ頑張って同じような解除を行う場合は、前よりもスムーズに行えるようにはしている。
「それこそ、実際に起きることは私に手加減してくれるわけじゃないですからね」
「そこは、俺も同じさ、それでもやるか、やらないか、俺はやることを選んだのでここにいる」
「強い生き方だと思います」
「そう?」
「そうです、私だけではそれは選べませんから」
「そこは俺だってそうよ、一人で事務所やってたら、仕事はたぶん取れてないし、干上がってるんじゃない?」
「ああ、それは、その…」
フォローが見つからない。
「でも瀬旭さんはいないと困る人です、今もそうですけども、その言葉に勇気づけられたりする」
「そこまで考えてるわけじゃないけどもね」
「この間のお詫びの時もそうです、瀬旭さんの提案で、みんなビックリして」
「いきなりああ言うことを言うって、覆木と水芭は呆れるんだけどもな」
「でもすごいって二人は認めているんですよね、そうじゃなければその案は採用しませんよ」
「そういった信頼は大事にしたいよね」
「はい」
「ミツが俺らを大事にしたいって思ってることは伝わってるんで、そのだ、それならば自分が納得して成長をしてもらいたいと思って、今の教育方針にしているところはある」
「そうだったんですか」
「それが重荷になってるならば見直すけども」
「私は甘えていいものでしょうか?」
「いいのよ!お父さんやパパや水芭にどんどん甘えなさい!」
「ではその…みなさんの思った通りには、期待に応えれるかはわかりませんが、がんばります」
「うん、頑張ってちょうだい!」
車中の会話をかいつまんで、瀬旭は覆木と水芭にも言うのだが、言ったあと、カウンターに突っ伏している。
「瀬旭さんのこの参り方みる限り、実際の会話はかなり凄まじかったんでしょうね」
「お父さん、頑張ったね」
「頑張ったよ、もっと誉めてよ」
「お父さん、すごい!」
覆木が棒読みで誉めた。
傘目先生、ここで最後に蛇足のように聞きますが、ミツさんのぷにぷに具合についてどう思われますか?
「それを俺に聞く?」
その反応で十分です、ありがとうございます、本日のお話は以上となります。
barの電話を螺殻(らがら)ミツが取ると。
「すいませんが水芭(みずば)さんはおられますか?」
電話をくれたのは、事務所の協力者でbarの常連、わかりやすくすると酔っぱらってどっからか河川ザメを連れて帰ってきて、そのまま同居をしている人である。
「水芭さん」
「はい、もしもし、代わりましたが」
いくつか、やり取りがあった後に。
「わかった、すぐに作るから、一時間ぐらいしたらできてると思うよ」
そういって連絡を終える。
「ご注文ですか?」
「そう、昨日、ふりかけも作ったじゃない」
「あれ、美味しいですよね」
水芭はふりかけもたまに自家製します。
「サメくんがさっき食べようとしたら、こぼしちゃったんだ」
こぼれたふりかけにショックを受け、床に散らばったものを食べようとするのを止めました。
「三秒ルールはサメには通用しないかもしれないから、また作ってもらうからやめて!」
と止められた。
サメ有識者でなくてもあきらかにサメは落ち込んだままなので、そのまま水芭に注文したという。
水芭のふりかけは、胡麻油でゴマとおかかを炒め、味付けしたシンプルなもの、せっかく作ったのでミツへの賄いもこれを具材にしたおにぎりにする。
おにぎりを作り終えて、カウンターでいただきますと、ミツは手を合わせているのだが、水芭はまだ他にも作るらしい。
「何を作るんですか?」
「お子さまランチ、ええっとね、こっちの世界には子供向けのメニューとしてね、少量でいろんなものを食べれるように工夫した、見た目も楽しくしたものがあってね」
そういって写真を見せてくれた。
「いいですね、こういうの」
「彼の家のサメくんは、サメとしては大人になるんだけども、人間からすると子供の年齢だからね」
一時間ほどでふりかけを引き取りにやって来る。
「ああ、それとこれは僕から」
「なんです?」
「お子さまランチみたいなもんだよ」
「それは…喜びますね、ああ見えてまだまだ子供なんですよ」
お仕事だとグッとそれを抑えているのを知ってるので、休みの日なんかは色々なところにつれていったりしているそうだ。
「あっ、それと」
「なんだ?」
「変なものが飛んでました」
「変なもの?」
「コウモリっぽいもの、そちらにはご挨拶はありましたか?」
「いいや、ない、となるとニューバンか」
「柄が悪くなければいいですよね」
「ニューバンに品性を求めてはいけないだろう?」
「それは確かに」
ニューバン、新しい吸血鬼とされる者たち、彼らは厄介者、ごろつき扱いである。
人より吸血鬼になったものだが、なり方が自らの暴力や狡猾から変化していったものなので、ここまで毛嫌いをされている。
不幸な女がいるのだろう、そういう女は実に好ましい。
その血はいくらあっても良いと思う。
「そう思いません?」
「思いません、帰ってください」
傘目(かさめ)がそういい放ち、瀬旭(せきょく)は無言で、左目を弾丸で潰した。
「ひどいな、せっかく知り合いがいたからご挨拶に来たのに」
左目の治り方を見て、こいつは相当犠牲者だしているなというのがよくわかる。
「傘目さん、お久しぶりです」
「知り合い?」
「こいつが人間だったときのですが、曇(くもり)さん、何やってんの?」
「今は吸血鬼やってる」
「知ってる、噂では聞いた、なったって、でも何それ、短期間でどれだけ染まったのさ」
「やっぱりわかっちゃう?」
「おじさんにもわかるように説明してよ」
「あなたは…初めまして曇です、お名前は人であったことから知っています、相変わらず格好いい人だ」
「そりゃあどうも」
「何の用さ?」
「この先に、不幸な子いますよね?」
「いたらどうするのさ?」
「そりゃあもちろん、言わなくてもわかるでしょ」
言い終わると同時に曇の右手首が、傘目によって落とされた。
「ナイス」
「ああ、やっぱり早いな、イタズラしようと思ったのに防がれちゃった」
「何しようとしてたのさ?」
「新しい力の試運転かな、成功したらおもしろいかなって思ったけども、やっぱりかなわないね」
落ちた手首は煙として消えて、手首は再生をしようとする。
「僕ね、狙うのは女性ばかりなんですよ、その子を夢中にさせて、先日まで一緒にいた子はね、将来有望って呼ばれるような子だったんですけどもね、最後の方には僕なしではいられなくなってしまった、だから飲み干したんですけども」
この自分語りな間も、瀬旭と傘目はそれぞれ撃ち抜き、切り裂くのだが、そのまま曇は受け続けた。
(全く効いてないわけじゃないですね)
(ただちょっと俺だと残弾が気になる)
そこにだ、コウモリが飛び込んでくる。
「いきなりいなくなるから心配した」
「あ~ごめん」
曇は交戦中にも関わらず、のんきに話を始めてる。
「もう、探したんだよ」
「ごめんって」
そのコウモリを傘目が狙おうとしたが。
「それはダメ」
庇うように曇は切られた。
「このままじゃ曇とお別れになっちゃう、それは嫌だからとりあえず帰ろう」
「うん、そうだね」
警戒していたはずなのに、弾丸はコウモリの羽を貫いた。
「ああ!」
「よっしゃ!」
「なんてことをするんだよ」
「羽を射られただけだから、でも早くなんとかしてくれるかな」
「うん、わかった、男の血は味としては好きじゃない、でも見るのは好きだから…さ」
さっきまでと曇は雰囲気が変わっていく。
ドロドロとした呪い歌を彼は置いて、姿を消したのであった。
「でもこの旧校舎で良かったですね」
対呪用の設備なので。
「威力は確かにすごかったが、相性は悪かったってことか」
「考えもなしにぶっぱなすなんて…本当に変わっちゃったんだな」
「落ち込んでる?」
「全然、人生って色んなことあるもんじゃないですかね」
「そういえる傘目先生は強いよ」
呪歌の処置は二人の手には追えないので、報告後速やかに警備がやってきた。
「瀬旭さん、帰る前にシャワー使った方がいいですよ、ここ霊泉もあるんで」
いわゆるパワースポットが敷地内にある、霊泉は大樹の下にわいており。
「そこにKCJが西にケットシーの爪を埋めてますからね」
ケットシーを白虎と見立てるために、毛が白い時期のケットシーの爪を切って、霊泉から見て西のどこかに埋めている。
「東に竜の爪とか埋まってるの?」
「そこまでは…聞いてはいないです、でも埋まっていたとしても防犯上知ることはないでしょうね」
シャワーを浴びて、それこそ自宅にいるときのようなTシャツにハーフパンツに着替え、報告書面倒くさいなと思って、傘目はパタパタと裾をめくって、仰いでいた。
「失礼します、傘目先生は…」
そこにミツが追加の書類を持ってドアが開けっぱなしの部屋に来たのだ。
「いやん!」
そういって傘目は体を隠す素振りをする。
「失礼しました!!!!」
「いや、こっちこそ、ごめん、つい油断してた」
現在わかってることで重要なことをミツから伝えられて、傘目はそれらをメモをする。
「報告ありがとう、後はこっちでもやれるから、瀬旭さんと一緒に帰るといいよ」
「わかりました、それでは失礼します、先生さようなら」
「はい、さようなら、またね」
(さっきの先生…)
事故とはいえ、傘目の体つきを見てしまった。
(先生の体すごかったな、私ももう少し筋肉つけたいな)
そういって二の腕を触ったが、ぷにぷに感は拭えない。
「なんか、そのうちみなさんに置いてかれそうな気がしてるんですよね」
「どうしてそう思ったのさ」
帰りの車中、瀬旭との会話。
「守られているからでしょうか」
「それは難しい問題だな、俺らは守りたい、ミツはそれにちょっと疑問を感じてる」
「はい」
「そこに葛藤しているということは悪いことじゃない、何とかしようと努力しようとしている姿は美しいと思うよ」
「でも…」
「努力は確かに残酷だ、思ったように成果はでない」
「はい、もっと出来れば良かったのにと、瀬旭さんを案内したあの日のことも思い出しりします」
「えっ?でも同じミスはもう起きないぐらいにこの間なっていたよね」
それこそ頑張って同じような解除を行う場合は、前よりもスムーズに行えるようにはしている。
「それこそ、実際に起きることは私に手加減してくれるわけじゃないですからね」
「そこは、俺も同じさ、それでもやるか、やらないか、俺はやることを選んだのでここにいる」
「強い生き方だと思います」
「そう?」
「そうです、私だけではそれは選べませんから」
「そこは俺だってそうよ、一人で事務所やってたら、仕事はたぶん取れてないし、干上がってるんじゃない?」
「ああ、それは、その…」
フォローが見つからない。
「でも瀬旭さんはいないと困る人です、今もそうですけども、その言葉に勇気づけられたりする」
「そこまで考えてるわけじゃないけどもね」
「この間のお詫びの時もそうです、瀬旭さんの提案で、みんなビックリして」
「いきなりああ言うことを言うって、覆木と水芭は呆れるんだけどもな」
「でもすごいって二人は認めているんですよね、そうじゃなければその案は採用しませんよ」
「そういった信頼は大事にしたいよね」
「はい」
「ミツが俺らを大事にしたいって思ってることは伝わってるんで、そのだ、それならば自分が納得して成長をしてもらいたいと思って、今の教育方針にしているところはある」
「そうだったんですか」
「それが重荷になってるならば見直すけども」
「私は甘えていいものでしょうか?」
「いいのよ!お父さんやパパや水芭にどんどん甘えなさい!」
「ではその…みなさんの思った通りには、期待に応えれるかはわかりませんが、がんばります」
「うん、頑張ってちょうだい!」
車中の会話をかいつまんで、瀬旭は覆木と水芭にも言うのだが、言ったあと、カウンターに突っ伏している。
「瀬旭さんのこの参り方みる限り、実際の会話はかなり凄まじかったんでしょうね」
「お父さん、頑張ったね」
「頑張ったよ、もっと誉めてよ」
「お父さん、すごい!」
覆木が棒読みで誉めた。
傘目先生、ここで最後に蛇足のように聞きますが、ミツさんのぷにぷに具合についてどう思われますか?
「それを俺に聞く?」
その反応で十分です、ありがとうございます、本日のお話は以上となります。
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