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ワープも魔法もある世界
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「どうも初めまして、KCJの者です!」
「えっ?あっ?はい、初めまして」
つい勢いで返事をしてしまった。
「ずいぶんとお暗い感じですね」
「色々とあったんですよ」
「そんなお困りだと思って話しかけたんですよ」
この人は何?そもそもKCJって?そういう宗教的な?
「あなたの無実はわかっています」
「…」
「『やったのはあなたでしょ』とか言った人が犯人なんで、その証拠もここにあるんですよね」
「はっ?」
「もちろん、あなたが当日どこで何をしていたのか複数の車両のドライブレコーダー、車の持ち主の方からの協力も取り付けてます」
「すいません、もう一度」
「あなたは犯人にされそうである、私たちは別件で調査していたら、あなたが巻き込まれている事件を知ったので、調査の依頼人に確認したら『私ね、そういうの大嫌いだって知っているから、良ければ味方になってあげてね』って言われまして、あっ、これあなたの無実に必要な書類」
ドサッ
厚い封書を渡された。
「本当は糾弾が始まる前に来たかったのですが、そこは間に合わなくてごめんなさい」
申し訳ないと頭を下げてくれた。
「いやいや、いやいや?」
あれ?自分でも何を言いたいかわからない。
「私は犯人ではないでいいんですよ、実は自分が知らない間にとか」
「ないない、どうしてあの時交通量の少ないとされる県道を歩いていたあなたが、事件現場に行くんですか?ワープするとか?ピロリロ~って?それともまさかワープ出来るとか!」
「出来ないですね」
出来たら通勤のために苦労はしないだろう。
「ああ、良かった、これでもしもワープが可能ならば、書類を作り直さなければならなかった、ワープも魔法もあなたが使えないのならばその書類だけで間に合うはずですよ」
この人は面白い人だな。
「まずはアリバイの話をみなさんに私から説明します、同席をお願いしたいところですが、その様子だと…」
「いえ、ハッキリさせましょう、そうじゃなければその方が参りそうだ」
「わかりました」
私はその職員さんが代弁をしてくれたので、その事件とは途中退場になったので、結末は見届けてはないが、後日その職員さんが連絡してきて報告を聞くことになった。
「こちらはお見舞い金ですね」
あの時糾弾した人たちではなく、KCJの調査を依頼した人からのものらしい。
「実はですね、あなたが犯人だと疑われた事件の真犯人への追求の最中で、こちらの依頼に関わる重要な証言がとれまして、依頼人は元々お見舞い金を用意してたみたいですが、その証言のおかげでニコニコのウッキウキになって」
気分がいいね!清清しいってこういうことをいうんだ。ハッハッハッハッ、やっと追い出せる。
「これからの損失を未然に防いだら、これぐらいで申し訳ありませんがって」
「いや、これ、大金ですよ」
現金入りの封筒厚みがありました。
「世の中には持ってる人は持ってるわけだし、それに…代わりにあなたは事件に関する全容は知ることはありませんかね」
「それはそういうものでしょ」
「そういってくれると助かります、大抵揉めるとしたらこの辺なんですよね、そんな時は仕事が増えて大変なんですよ」
明るく社会の闇を語られる。
「契約書類があるならばそちらにもサインしますし」
「あっ、はい、ではこちらにフルネームで」
直筆のサインをした。
「そういえば最近家に隠りがちと聞きましたが」
「前までは外食とか言ってたんですが、今は人目が、視線がね、気になっちゃうんですよね」
「ああ、それはそれは、じゃあ、こういう店はいかがですか?」
そういってビルの裏口から案内されたのだが、路地は珈琲の香りがする。
「?なんですか?この生き物は?」
「あれ?見たことはありません?サメです、この一角はサメたちへの貸し切り営業みたいになってましてね」
人の目を気にしないで、人の食事を楽しむサメたちが寛いでいる。
「ここならいいかなって、もしダメでも、他のお店探しますから、そこは安心してください、物は試しですよ!」
いけるかな?と思っていたが、久しぶりに楽しい時間を過ごせた。
「ありがとうございました」
「なんでお礼をいうんです、こっちはあなたを守ろうとして間に合わなかったのに」
「守ろうとしてくれたのが嬉しいし、そういうことはね、たぶん人生にはあるんですよ」
そこから職員さんから、KCJとは何か、この世にはワープも魔法も実はあることを説明してもらった。
そういうものなんだっていうのが、私の素直な感想だし、こういった事情で普通のお店に行けなくなったこともあり、KCJ関連の様々な店を紹介してもらうことになった。
事件が起きたことで、旧来の知り合いたちの本性が見えてしまったことはとても悲しいし、酷く傷ついたが、私はこの配慮によってあの事件のことが少しずつ遠くのことに思えてきた。
それは今までと別れを告げることになったが、ワープも魔法もある世界は陽気で適当なサメたちもいる。
「サッ」
松ぼっくりを知り合いのサメは見せてくれた、なんでもその群れでは松ぼっくりのカサが開くか、閉じているかで今日は暑いの寒いのを判断するらしい、こういう話を聞かせてくれるようになったので、 私はちっとも寂しくはないのである。
「えっ?あっ?はい、初めまして」
つい勢いで返事をしてしまった。
「ずいぶんとお暗い感じですね」
「色々とあったんですよ」
「そんなお困りだと思って話しかけたんですよ」
この人は何?そもそもKCJって?そういう宗教的な?
「あなたの無実はわかっています」
「…」
「『やったのはあなたでしょ』とか言った人が犯人なんで、その証拠もここにあるんですよね」
「はっ?」
「もちろん、あなたが当日どこで何をしていたのか複数の車両のドライブレコーダー、車の持ち主の方からの協力も取り付けてます」
「すいません、もう一度」
「あなたは犯人にされそうである、私たちは別件で調査していたら、あなたが巻き込まれている事件を知ったので、調査の依頼人に確認したら『私ね、そういうの大嫌いだって知っているから、良ければ味方になってあげてね』って言われまして、あっ、これあなたの無実に必要な書類」
ドサッ
厚い封書を渡された。
「本当は糾弾が始まる前に来たかったのですが、そこは間に合わなくてごめんなさい」
申し訳ないと頭を下げてくれた。
「いやいや、いやいや?」
あれ?自分でも何を言いたいかわからない。
「私は犯人ではないでいいんですよ、実は自分が知らない間にとか」
「ないない、どうしてあの時交通量の少ないとされる県道を歩いていたあなたが、事件現場に行くんですか?ワープするとか?ピロリロ~って?それともまさかワープ出来るとか!」
「出来ないですね」
出来たら通勤のために苦労はしないだろう。
「ああ、良かった、これでもしもワープが可能ならば、書類を作り直さなければならなかった、ワープも魔法もあなたが使えないのならばその書類だけで間に合うはずですよ」
この人は面白い人だな。
「まずはアリバイの話をみなさんに私から説明します、同席をお願いしたいところですが、その様子だと…」
「いえ、ハッキリさせましょう、そうじゃなければその方が参りそうだ」
「わかりました」
私はその職員さんが代弁をしてくれたので、その事件とは途中退場になったので、結末は見届けてはないが、後日その職員さんが連絡してきて報告を聞くことになった。
「こちらはお見舞い金ですね」
あの時糾弾した人たちではなく、KCJの調査を依頼した人からのものらしい。
「実はですね、あなたが犯人だと疑われた事件の真犯人への追求の最中で、こちらの依頼に関わる重要な証言がとれまして、依頼人は元々お見舞い金を用意してたみたいですが、その証言のおかげでニコニコのウッキウキになって」
気分がいいね!清清しいってこういうことをいうんだ。ハッハッハッハッ、やっと追い出せる。
「これからの損失を未然に防いだら、これぐらいで申し訳ありませんがって」
「いや、これ、大金ですよ」
現金入りの封筒厚みがありました。
「世の中には持ってる人は持ってるわけだし、それに…代わりにあなたは事件に関する全容は知ることはありませんかね」
「それはそういうものでしょ」
「そういってくれると助かります、大抵揉めるとしたらこの辺なんですよね、そんな時は仕事が増えて大変なんですよ」
明るく社会の闇を語られる。
「契約書類があるならばそちらにもサインしますし」
「あっ、はい、ではこちらにフルネームで」
直筆のサインをした。
「そういえば最近家に隠りがちと聞きましたが」
「前までは外食とか言ってたんですが、今は人目が、視線がね、気になっちゃうんですよね」
「ああ、それはそれは、じゃあ、こういう店はいかがですか?」
そういってビルの裏口から案内されたのだが、路地は珈琲の香りがする。
「?なんですか?この生き物は?」
「あれ?見たことはありません?サメです、この一角はサメたちへの貸し切り営業みたいになってましてね」
人の目を気にしないで、人の食事を楽しむサメたちが寛いでいる。
「ここならいいかなって、もしダメでも、他のお店探しますから、そこは安心してください、物は試しですよ!」
いけるかな?と思っていたが、久しぶりに楽しい時間を過ごせた。
「ありがとうございました」
「なんでお礼をいうんです、こっちはあなたを守ろうとして間に合わなかったのに」
「守ろうとしてくれたのが嬉しいし、そういうことはね、たぶん人生にはあるんですよ」
そこから職員さんから、KCJとは何か、この世にはワープも魔法も実はあることを説明してもらった。
そういうものなんだっていうのが、私の素直な感想だし、こういった事情で普通のお店に行けなくなったこともあり、KCJ関連の様々な店を紹介してもらうことになった。
事件が起きたことで、旧来の知り合いたちの本性が見えてしまったことはとても悲しいし、酷く傷ついたが、私はこの配慮によってあの事件のことが少しずつ遠くのことに思えてきた。
それは今までと別れを告げることになったが、ワープも魔法もある世界は陽気で適当なサメたちもいる。
「サッ」
松ぼっくりを知り合いのサメは見せてくれた、なんでもその群れでは松ぼっくりのカサが開くか、閉じているかで今日は暑いの寒いのを判断するらしい、こういう話を聞かせてくれるようになったので、 私はちっとも寂しくはないのである。
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