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悪魔っているんですね
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「どうしでしたか?」
水芭(みずば)が聞くと。
「今まで使っているものより軽い、軽い、んでもって残弾も共有できるから、悪くはないよ」
瀬旭(せきょく)の愛用している武装は製造中止になると以前発表されたが、そのままでいた。
「元々同じもんでも、それぞれ個体差がありすぎるんだから、それよりだったら、今あるものから探した方がいいんじゃないか?」
そうは言われていたが、パーツが破損した場合でさえ、感触は大幅に変わるものと見られていた。
「俺は好きだけどもね」
なんでか覆木(おおうき)が誉めた、覆木からするとずっと長年を共にしてきたというのは、誉めるポイントだからだ。
「それで候補としては水芭とミツさんと同じカートリッジを共用できるし、うちとしてはミツさんの使っているアルジェントリをだな」
「それはお前が使ってもらいたいだけじゃないか」
「そりゃあね、でもアルジェントリは豆鉄砲って言われているけどもさ、俺はいいと思っているんだよ、だから人気のモデルにするためにもさ、瀬旭にいいところ見つけてもらってさ、そのうち代名詞になってくれたらなって、あっ、代わりに色々とサービスするから、装飾を今回は好きなのにしてもいいから」
「じゃあ、鳩にしてよ」
「鳩に豆鉄砲くらわせるってか、お前、しょうもないな」
そこで鳩の翼を、ミツのものと見分けがつくように刻まれた。
「シャレで言ったわりにはお洒落じゃないの?」
「これはヤマバトだって、バロなんとか」
「パロンプね」
フランス語でヤマバト。
意味は?再びそこに戻るですよ、瀬旭さん。
「ん?」
「どうしましたか?」
「いや、今…気のせいか」
先日、ミツと菫蝶のいる山に行ったのも、この銃の試運転を兼ねてのことだった。
「それで変えたことによっての調子はどうだったんですか?」
「…それな」
覆木は落ち込んだ。
「まさか命中率悪くなってるとか?」
「逆だよ、逆、前よりスコアがいいでやんの」
「このモデルってそこまで威力や命中率ありましたっけ?」
「ない」
「ですよね」
それこそ当たった方からすれば、常に当たりどころが悪い状態がどんどん続く。
「もっと前にそれなら切り替えれたんじゃないのって思っちゃった、あれほどまで渋っていたのに」
瀬旭はおもしろくてしようがない、この世界に初めて来たときのように、はしゃいで戦場を駆け巡るようになったという。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「こんなところで、こんな形でお会いするとは思いませんでした」
「そう?」
「はい」
「そんなに意外だったか」
「お倒れになられた、そこから療養が必要な状態になっているとはお聞きしてましたが、しかし…また…」
「ここでは元気な状態だからビックリしていると?」
「そうですね、それと他の人に知られないように連絡する手段までお持ちになっていたとは…」
「私にも思うことはあってね、だからこうした」
「えっ…じゃあもしかして、何かやらかそうとしてます?」
「やらかそうとしてますって何よ、まっ、やらかそうとしているけどもさ」
「うわ…」
聞かなきゃ良かった。
「私が倒れたあと、色々と思うことがあったんだよ」
改めて説明を受けるまでもない事柄が自然と思い浮かんだ。
(帰りたい)
「まだ何も言ってないけども、なんでそんな顔をするのさ」
「したくもなりますよ」
確実に人に漏れてはいけない厄介ごとのための呼び出しだろう。
「本当はさ、もっと早くに君とアポをとるはずだったんだけども、そっちはそっちで忙しかったみたいだし、ここまでずれ込んじゃったんだ」
「それで今のタイミングになったんですか?」
「うん、かえって助かったけどもね」
「助かったですか」
「そっちさ、大変なんだってね、一人で頑張って何とか回しているようだけどもさ」
「ずいぶんと見てきたように言われますね」
「報告は細かくもらってるから、それでも足りないところはたぶん君ならそうしそうかなって、あってたかな?間違っているのならば訂正をお願いしたいんだけども」
「あってますよ」
「そうか、でさ、このままだとどうするの?潰れちゃうと思うけども」
「それは仕方がないと」
「それでいいの?」
「いいんじゃないですかね、よくやった方でしょ」
「投げやりだね」
「一人だけ頑張っている時間が長けりゃそうなるでしょうよ」
「じゃあ、うちでバイトしない?」
「はっ?」
「バイト、アルバイトだよ、ちょこっとだけでいいから、でも外には秘密にまだしてもらうけどもさ」
「それってそっちに関われってことですよね」
「本当はそっちを畳んで、こっちに専業してもらいたいところなんだけどもさ」
「そんなの許されるわけがない」
「何に?」
「世間体かな」
「でもさ、ただやられっぱなしも嫌じゃないかな、それにさ、考えてみてよ、もしかしたら両立だって出来ちゃうかもしれないよ、そしたらその時こそ綺麗に終わらせることができる、君さ、もう愛想もつきているでしょ、そこはよくわかるんだよね、だからさ、後もう少し頑張ってさ」
これは悪魔の囁きだろう。
「悪魔っているんですね」
「どこに?」
「ご自分で口にされていることにお気づきではないとか?」
「ああ、そういうことね。でもさ、そこまで悪魔の囁きなの?私からすれば善意だよ、だって選択は君が選べるし、選ばなかったからといって何かがおきるわけでもないでしょ」
「絶対後で、あああのときの事か…ぐらいはわかるとは思いますよ」
「君はわかるよね、そういう人を選んでいるつもりだし、
有能+、ここは決して変わらない部分を持っている、だから裏切らないのが今回欲しい人物像って感じ」
「本当に何をしようとしているんです?」
「まだ秘密、でも薄々ここで話しているうちに見えたでしょう」
「えっ?」
いや、まさか、考えられるとしても、そんなバカな、そんな…
「ちょっとした目的は見えますけども、まさか大義などなく、その目的を達成しようとするために、事を動かし、動かしてるんですか、はっはっはっ、やべぇな」
思わず素が出てしまう。
「そういう人、必要でしょ、何しろできる人がいないからこうなっているんだし、おそらくもっとこれから酷くなる」
「酷くなるのは見えてますが、そっか、もうそのレベルで決まっちゃったか」
「これは最初に決めた目標に付随して動いているから、途中で変わる可能性は大いにあって、その場合は大変に悪いかなって」
「悪いでしょうね、自前の準備じゃ足りなくなっていくでしょう」
「君の目から見てそうなの?」
「そうじゃないんですか?」
「足りなくなるかも、ぐらいかな、でも君が言った通り足りなくなっていくでしょうなら、尚更だ、早急に、けども信用できる人間でこっそりとやらなくちゃいけない」
「どこまで相手に動き読まれてますか?」
「うちはそうでもないな、解散したからそこでやめることになった人員を引き受けた、それを機会に独立しましたっていうよくある話に混ざっているから、今の段階で尻尾を踏ませるようじゃ、この先やっていけないでしょ?」
「それもわかりますが」
「何がわからない?」
「何がですか?何が…ちょっと待ってください、さすがにこれ以上聞くわけには」
「じゃあ、君にいい方法あるの?君が引き受けているものを支えるにはさ、いろんなものが必要だと思うんだよね、うちだったらそれを融通できるわけだし、そのためにアルバイトという形で助けてくれれば、丸く収まるんだけども」
「収まりますか?」
「収まるよ、たぶん周囲には理解されないが自分が掲げた理想には向き合える、そこだけは確実だ」
「これ以上変わっている人とか言われたくもないんですが」
「何を今更、それともいい人に見られたいの?だからなめられるんじゃない」
「そうですね、舐められてますね」
「悔しいでしょ、でもね、ここならそれもなんとかなるんだよ」
(やっぱりこれは悪魔の囁きじゃないか)
「何を迷ってるの?それとも迷うほど大事なものがあるの?その大事なものは君が傷ついて守るだけのものなのかな、君がお仕事が大変で頑張って帰ってきたときこと聞いたとき、なんてろくでもない人間関係なんだろうねって思ったものだよ」
「それは、それはわかっているんですよ、変えようと思ったことはあるんです、あるんですが、そこはもう無理なんですよ」
「君を見る目がさ、だんだんお金とか、便利なものというものになってるよね、それってどうなのさ」
「嫌です、嫌ですが…」
「嫌ならさ、変えようよ、何、私が力を貸してあげるし、他にも事情を話せばわかってくれる人たちがここにはいるよ」
そこで人に安堵を与えるような微笑みを浮かべたという。
「うちって儀式系の依頼多くないですか?」
松灰(まつばい)が勾飛(まがとび)に何気なく言うと。
「ああ、それは人手不足なんだ、今回の依頼を持ってきてくれた人の例えると、儀式や技術を継承するためには、先日の真似を、習わなければならいことがたくさんあるんだ」
仕事を持ってきてくれた人からすると、それは鏡水(キョウスイ)という。
「鏡花水月という言葉から、鏡水ね。先人達を逆に花月というんだけども、色んなところが鏡水が上手くいかなかったらしいんだよ、それで下が育つか、他の手を考える間に我々がってことだね、松灰さんは特に雨関係の儀式は呼ばれるんじゃないかな」
「自分ではそんなに向いているとは思わなかったけどもな」
二人の所属するアイシスはサメの根城との別名があるが、サメ達から松灰は雷系がおそらくあってると言われた。
「サメ肌が艶々になるし、銃器、銃声があれは雷を呼んじゃうよって言われるとは思わなかったな」
それ故に松灰は「雷声(らいせい)」を持っているからそうなんだと説明を受ける。
「本来はそこまで強い素養ではなかったんだろうけども、アイシスのある土地も雨に関係する場所だからな」
雨雲が引っ掛かりやすいと昔からされていて。
「立地いいのに、住人が少ないのは、それこそ雷が落ちるからだよ」
「同じ地域でもこの辺だけ落ちますからね」
そう、知らないで住むと雷対策必須の地域、つまり家電が一発で壊れるし、停電にもなるという。
「だから格安で借りれたんだけども、松灰さんがいると、雷もあまり落ちなくなると思うよ」
「そうじゃあ、俺がアイシスやめたらこの辺の土地価格変わるんじゃないですかね」
冗談でいったが。
「だろうね」
おおっと、これはガチな奴だぞ!
「だからそれは黙っていた方がいいだろうね」
「いきなり重い話になっちゃった」
科学が発達しているこんな世界でも、まだ代わりが難しいものはたくさんある。
水芭(みずば)が聞くと。
「今まで使っているものより軽い、軽い、んでもって残弾も共有できるから、悪くはないよ」
瀬旭(せきょく)の愛用している武装は製造中止になると以前発表されたが、そのままでいた。
「元々同じもんでも、それぞれ個体差がありすぎるんだから、それよりだったら、今あるものから探した方がいいんじゃないか?」
そうは言われていたが、パーツが破損した場合でさえ、感触は大幅に変わるものと見られていた。
「俺は好きだけどもね」
なんでか覆木(おおうき)が誉めた、覆木からするとずっと長年を共にしてきたというのは、誉めるポイントだからだ。
「それで候補としては水芭とミツさんと同じカートリッジを共用できるし、うちとしてはミツさんの使っているアルジェントリをだな」
「それはお前が使ってもらいたいだけじゃないか」
「そりゃあね、でもアルジェントリは豆鉄砲って言われているけどもさ、俺はいいと思っているんだよ、だから人気のモデルにするためにもさ、瀬旭にいいところ見つけてもらってさ、そのうち代名詞になってくれたらなって、あっ、代わりに色々とサービスするから、装飾を今回は好きなのにしてもいいから」
「じゃあ、鳩にしてよ」
「鳩に豆鉄砲くらわせるってか、お前、しょうもないな」
そこで鳩の翼を、ミツのものと見分けがつくように刻まれた。
「シャレで言ったわりにはお洒落じゃないの?」
「これはヤマバトだって、バロなんとか」
「パロンプね」
フランス語でヤマバト。
意味は?再びそこに戻るですよ、瀬旭さん。
「ん?」
「どうしましたか?」
「いや、今…気のせいか」
先日、ミツと菫蝶のいる山に行ったのも、この銃の試運転を兼ねてのことだった。
「それで変えたことによっての調子はどうだったんですか?」
「…それな」
覆木は落ち込んだ。
「まさか命中率悪くなってるとか?」
「逆だよ、逆、前よりスコアがいいでやんの」
「このモデルってそこまで威力や命中率ありましたっけ?」
「ない」
「ですよね」
それこそ当たった方からすれば、常に当たりどころが悪い状態がどんどん続く。
「もっと前にそれなら切り替えれたんじゃないのって思っちゃった、あれほどまで渋っていたのに」
瀬旭はおもしろくてしようがない、この世界に初めて来たときのように、はしゃいで戦場を駆け巡るようになったという。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「こんなところで、こんな形でお会いするとは思いませんでした」
「そう?」
「はい」
「そんなに意外だったか」
「お倒れになられた、そこから療養が必要な状態になっているとはお聞きしてましたが、しかし…また…」
「ここでは元気な状態だからビックリしていると?」
「そうですね、それと他の人に知られないように連絡する手段までお持ちになっていたとは…」
「私にも思うことはあってね、だからこうした」
「えっ…じゃあもしかして、何かやらかそうとしてます?」
「やらかそうとしてますって何よ、まっ、やらかそうとしているけどもさ」
「うわ…」
聞かなきゃ良かった。
「私が倒れたあと、色々と思うことがあったんだよ」
改めて説明を受けるまでもない事柄が自然と思い浮かんだ。
(帰りたい)
「まだ何も言ってないけども、なんでそんな顔をするのさ」
「したくもなりますよ」
確実に人に漏れてはいけない厄介ごとのための呼び出しだろう。
「本当はさ、もっと早くに君とアポをとるはずだったんだけども、そっちはそっちで忙しかったみたいだし、ここまでずれ込んじゃったんだ」
「それで今のタイミングになったんですか?」
「うん、かえって助かったけどもね」
「助かったですか」
「そっちさ、大変なんだってね、一人で頑張って何とか回しているようだけどもさ」
「ずいぶんと見てきたように言われますね」
「報告は細かくもらってるから、それでも足りないところはたぶん君ならそうしそうかなって、あってたかな?間違っているのならば訂正をお願いしたいんだけども」
「あってますよ」
「そうか、でさ、このままだとどうするの?潰れちゃうと思うけども」
「それは仕方がないと」
「それでいいの?」
「いいんじゃないですかね、よくやった方でしょ」
「投げやりだね」
「一人だけ頑張っている時間が長けりゃそうなるでしょうよ」
「じゃあ、うちでバイトしない?」
「はっ?」
「バイト、アルバイトだよ、ちょこっとだけでいいから、でも外には秘密にまだしてもらうけどもさ」
「それってそっちに関われってことですよね」
「本当はそっちを畳んで、こっちに専業してもらいたいところなんだけどもさ」
「そんなの許されるわけがない」
「何に?」
「世間体かな」
「でもさ、ただやられっぱなしも嫌じゃないかな、それにさ、考えてみてよ、もしかしたら両立だって出来ちゃうかもしれないよ、そしたらその時こそ綺麗に終わらせることができる、君さ、もう愛想もつきているでしょ、そこはよくわかるんだよね、だからさ、後もう少し頑張ってさ」
これは悪魔の囁きだろう。
「悪魔っているんですね」
「どこに?」
「ご自分で口にされていることにお気づきではないとか?」
「ああ、そういうことね。でもさ、そこまで悪魔の囁きなの?私からすれば善意だよ、だって選択は君が選べるし、選ばなかったからといって何かがおきるわけでもないでしょ」
「絶対後で、あああのときの事か…ぐらいはわかるとは思いますよ」
「君はわかるよね、そういう人を選んでいるつもりだし、
有能+、ここは決して変わらない部分を持っている、だから裏切らないのが今回欲しい人物像って感じ」
「本当に何をしようとしているんです?」
「まだ秘密、でも薄々ここで話しているうちに見えたでしょう」
「えっ?」
いや、まさか、考えられるとしても、そんなバカな、そんな…
「ちょっとした目的は見えますけども、まさか大義などなく、その目的を達成しようとするために、事を動かし、動かしてるんですか、はっはっはっ、やべぇな」
思わず素が出てしまう。
「そういう人、必要でしょ、何しろできる人がいないからこうなっているんだし、おそらくもっとこれから酷くなる」
「酷くなるのは見えてますが、そっか、もうそのレベルで決まっちゃったか」
「これは最初に決めた目標に付随して動いているから、途中で変わる可能性は大いにあって、その場合は大変に悪いかなって」
「悪いでしょうね、自前の準備じゃ足りなくなっていくでしょう」
「君の目から見てそうなの?」
「そうじゃないんですか?」
「足りなくなるかも、ぐらいかな、でも君が言った通り足りなくなっていくでしょうなら、尚更だ、早急に、けども信用できる人間でこっそりとやらなくちゃいけない」
「どこまで相手に動き読まれてますか?」
「うちはそうでもないな、解散したからそこでやめることになった人員を引き受けた、それを機会に独立しましたっていうよくある話に混ざっているから、今の段階で尻尾を踏ませるようじゃ、この先やっていけないでしょ?」
「それもわかりますが」
「何がわからない?」
「何がですか?何が…ちょっと待ってください、さすがにこれ以上聞くわけには」
「じゃあ、君にいい方法あるの?君が引き受けているものを支えるにはさ、いろんなものが必要だと思うんだよね、うちだったらそれを融通できるわけだし、そのためにアルバイトという形で助けてくれれば、丸く収まるんだけども」
「収まりますか?」
「収まるよ、たぶん周囲には理解されないが自分が掲げた理想には向き合える、そこだけは確実だ」
「これ以上変わっている人とか言われたくもないんですが」
「何を今更、それともいい人に見られたいの?だからなめられるんじゃない」
「そうですね、舐められてますね」
「悔しいでしょ、でもね、ここならそれもなんとかなるんだよ」
(やっぱりこれは悪魔の囁きじゃないか)
「何を迷ってるの?それとも迷うほど大事なものがあるの?その大事なものは君が傷ついて守るだけのものなのかな、君がお仕事が大変で頑張って帰ってきたときこと聞いたとき、なんてろくでもない人間関係なんだろうねって思ったものだよ」
「それは、それはわかっているんですよ、変えようと思ったことはあるんです、あるんですが、そこはもう無理なんですよ」
「君を見る目がさ、だんだんお金とか、便利なものというものになってるよね、それってどうなのさ」
「嫌です、嫌ですが…」
「嫌ならさ、変えようよ、何、私が力を貸してあげるし、他にも事情を話せばわかってくれる人たちがここにはいるよ」
そこで人に安堵を与えるような微笑みを浮かべたという。
「うちって儀式系の依頼多くないですか?」
松灰(まつばい)が勾飛(まがとび)に何気なく言うと。
「ああ、それは人手不足なんだ、今回の依頼を持ってきてくれた人の例えると、儀式や技術を継承するためには、先日の真似を、習わなければならいことがたくさんあるんだ」
仕事を持ってきてくれた人からすると、それは鏡水(キョウスイ)という。
「鏡花水月という言葉から、鏡水ね。先人達を逆に花月というんだけども、色んなところが鏡水が上手くいかなかったらしいんだよ、それで下が育つか、他の手を考える間に我々がってことだね、松灰さんは特に雨関係の儀式は呼ばれるんじゃないかな」
「自分ではそんなに向いているとは思わなかったけどもな」
二人の所属するアイシスはサメの根城との別名があるが、サメ達から松灰は雷系がおそらくあってると言われた。
「サメ肌が艶々になるし、銃器、銃声があれは雷を呼んじゃうよって言われるとは思わなかったな」
それ故に松灰は「雷声(らいせい)」を持っているからそうなんだと説明を受ける。
「本来はそこまで強い素養ではなかったんだろうけども、アイシスのある土地も雨に関係する場所だからな」
雨雲が引っ掛かりやすいと昔からされていて。
「立地いいのに、住人が少ないのは、それこそ雷が落ちるからだよ」
「同じ地域でもこの辺だけ落ちますからね」
そう、知らないで住むと雷対策必須の地域、つまり家電が一発で壊れるし、停電にもなるという。
「だから格安で借りれたんだけども、松灰さんがいると、雷もあまり落ちなくなると思うよ」
「そうじゃあ、俺がアイシスやめたらこの辺の土地価格変わるんじゃないですかね」
冗談でいったが。
「だろうね」
おおっと、これはガチな奴だぞ!
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